▲大樹レーシングクラブの募集馬ツアーの様子
函館札幌開催縮小への警鐘
JRA北海道シリーズは函館開催が終了し、札幌開催が始まりました。以前はそれぞれ8週間もあった競馬開催が、6週間に短縮されました。馬産地のある北海道での競馬開催が縮小されたことは、多くの競馬関係者が残念がっています。中央競馬の開催が、ローカル競馬の縮小の方向へ向かっています。特に、広い新潟と中京は日数が増え、小回りの福島、小倉、函館、札幌が減っています。
距離のバリエーションを理由にしているフシがありますが、広いコースの競馬ばかりになることで、競馬が単調になるリスクを感じないのでしょうか? 小回りコースは器用さが求められ、強い馬でも負ける可能性が強く残ります。そして、ローカル競馬には、競馬を楽しみにしているファンが数多く存在し、新規ファン獲得に向けても大いに貢献しています。
札幌競馬場がリニューアルオープンをしてから3年目を迎えますが、ビギナーズセミナーの講師を担当しています。札幌は約190万の人口がいる、日本でも有数の大都市の1つです。これだけの人口がいる都市ですから、初めて競馬場に訪れる地元の方も少なくありません。「新しくなったと聞いて…」「馬を間近に見れるから」と話すセミナー参加者は結構いらっしゃいます。
JRA北海道シリーズは、札幌記念を主軸に注目の重賞は多いものの、その開催が主戦場として扱われることがありません。ですから、平場や特別レースの売り上げは、東西の主戦場扱いとなる福島と新潟、中京と小倉と比較されれば明らかに分が悪くなります。単純に数字の比較で「北海道は滞在経費が掛かる割に売り上げが一息」だと言われて、誰が納得するでしょうか?
先ほども述べましたが、札幌は競馬場のある土地で考えれば、これほどの大都市はありません。本来なら、もっと大事にすべき競馬場のはずです。北海道で仕事をしている立場だから言っていることでは決してありません。売り上げが伸びているのは、中央場所だけではなく、ローカル開催も同じです。北海道の競馬が少しでも盛り上がってくれればと切に願う一方、まだまだやるべきことは多くあり、中央場所の競馬は、ファンが求めているあるべき方向だとは決して思いません。
余談が過ぎましたが、JRA北海道シリーズは、牧場の人たちも楽しみにしている競馬です。札幌競馬場には「ブリーダーズボックス」があります。牧場のスタッフにとって、手塩にかけて育てた馬たちを見る機会はそうありません。その中には、クラブ所属馬も当然、多く存在します。短い夏を堪能できる日が、1日でも2日でも延びてくれることを誰もが望んでいます。
当歳馬ならではの出資の面白み
夏と言えば、募集馬ツアーが行われるクラブもあることは前回も述べました。7月16日、大樹レーシングクラブの募集馬ツアーに参加しました。