■新潟記念(G3・新潟芝2000m外)フルゲート18頭/登録20頭
【コース総論】新潟芝2000m外 Aコース使用
・コースの要所!
★中穴人気の好走率が非常に高いコース。4~9番人気はとくに狙い目。
★枠番の内外での成績差は小さいが、やや内枠有利の傾向が見られる。
★中団からの差しが勝率トップ。速い上がりを使える馬を重視すべき。
16頭立て以上での平均配当は、単勝1267円、馬連9369円、 3連複3万8509円とかなり高めの水準。とくに目立っているのが馬連平均の高さで、人気薄が1~2着によく来ているのを示している。実際に人気別成績を見ても、いわゆる「中穴」の強さが目立っており、勝率や回収率の高い4~6番人気や複勝回収率の高い7~9番人気は、積極的に買う価値アリ。ある程度の波乱を前提に、馬券を買ったほうが効率がいいコースである。
枠番別成績に、それほど大きな差は見られない。最初のコーナーまで948mもあるので、序盤のポジション争いが激化しないのだ。それでも、もっとも成績がいいのは内枠である馬番1~6番で、枠番値もプラス圏であるのを考えると、多少はプラスに評価したほうがよさそう。「内>中>外」の順で信頼度が高いという、競馬の基本に忠実な結果が出ている。
脚質別では、中団からの差しがもっとも好成績。複勝率は先行勢のほうが優秀なのだが、勝ち馬の過半数が差し馬で、勝率はこちらが抜けて高い。夏の新潟開催は最終週でもあり、馬場バイアスの面から考えても、中団から差せる馬を重視したほうがいい。上がりの速さが結果に直結しているのは、データをご覧の通り。決め脚の有無は、取捨選択に欠かせない材料である。
【レース総論】新潟記念(G3) 過去10年
・レースの要所!
★1番人気[1-0-0-9]、3番人気以内[2-1-2-25]と大不振。波乱傾向が強い。
★外枠の成績はかなりの不振。ひとケタ馬番が引けるかどうかが超重要。
★コースデータよりも先行勢が奮闘。ただし、最速上がり馬はやはり強い。
★ハンデ55~57キロが中心。前走芝1800~2000m組の取捨が勝負のカギ。
平均配当が単勝1849円、馬連9346円、3連複4万6538円と、波乱傾向の強さはコースデータ以上。馬連万馬券が過去10年で5回も出ているという、全重賞のなかでも屈指の「荒れるレース」である。当然ながら人気馬はサッパリの成績で、1番人気は[1-0-0-9]、3番人気以内[2-1-2-25]と、まったくアテにできない。予想も「馬連万馬券が出て当然」くらいのスタンスが望ましい。
コースデータで見られた「内枠有利」の傾向も、レースデータで大きく加速。とくに目立っているのが勝率の差で、内枠である馬番1~6番が10.2%と、飛び抜けて高い。回収率や枠番値も内枠がトップで、対照的に外枠である馬番13~18番は低空飛行。単純に内外で比較したデータにおいても、圧倒的に内が優勢となった。馬番がひとケタか、それともふたケタかで、期待値が劇的に変わると考えたほうがいい。
脚質別成績では、コースデータよりも先行勢の健闘が目立つ。勝率がもっとも高いのはやはり差し馬だが、連対率や複勝率は先行勢のほうが明らかに高く、差し優勢とは一概に言えないのだ。後方からの追い込みが[1-1-1-40]と決まっていないのも、先行勢のほうが有利だと裏付ける証拠。以上のデータから、「やや先行有利」と結論づけたい。
ハンデは「軽すぎても重すぎてもダメ」で、55~57キロを背負う馬を重視すべき。この範囲内に収まっていれば、パフォーマンスにそれほど差はないと考えていい。今年はアルバートドック、ダコール、マイネルミラノの3頭が57.5キロ以上を背負うが、アテになりそうでならないのがこの組。いずれも人気となりそうだが、過信が禁物であるのは言うまでもない。
前走距離別では、芝1800~2000m戦に出走していた馬が優勢……なのだが、今年の登録馬はほとんどがこの組。そこで用意したのが、前走芝1800~2000m組を絞り込むためのデータで、来る&来ないパターンはけっこうハッキリしている。アデイインザライフのように前走から斤量減となる馬は、かなりの割引きが必要だろう。
そして最後に、出走間隔データだ。サマー2000シリーズを戦ってきた組が強いのもあって、連闘~中2週で出走する馬や、中8週よりも長い間隔で出走してきた馬は、総じて成績不振。関屋記念から中2週で出走するサトノギャラントとマジェスティハーツ、過去10年馬券になったことがない前走から15週以上間隔が空いているロンギングダンサーとアデイインザライフは、けっこう買いづらい。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
Aコース継続。開催終盤でもあり、外枠を引いた馬の好成績が目立つ。
・天候予測
好天が続きそうで、降雨があってもごく少量。良馬場前提の予想で。
・注目血統
ディープインパクト産駒◎、シンボリクリスエス産駒○、ハーツクライ産駒△
夏競馬も今週でフィナーレ。さすがに馬場にもダメージが感じられるが、先行勢が総崩れ──といった状況にはなく、意外なほどフラットである。ただし、枠番に関してはかなりの偏りが見られ、外に入った馬のほうが明らかに好成績。馬場がいい外を通れる馬のほうが、それなりに有利な状況にあると思われる。
血統面は、ディープインパクト産駒とシンボリクリスエス産駒をプラス評価。ディープ産駒がこの条件で強いのは当然だが、シンボリクリスエス産駒の回収率の高さには、けっこう驚かされた。オペラハウス産駒も好成績だが、これはコース適性が高いサンデーサイレンスを母父に持つ、ファントムライト自身の貢献が大。適性の高さは間違いないので、こちらもプラス評価の対象としておきたい。
★出走登録馬・総論×各論 今週末で夏競馬もフィナーレ。その締めくくりとなるのが、やたらと荒れることでおなじみ新潟記念である。その波乱傾向の強さは前述した通りで、もう高配当を狙ってナンボ。マイネルミラノ、アルバートドック、アデイインザライフ、ダコール、ルミナスウォリアーなどが人気を集めそうだが、このあたりが総崩れになってもおかしくない。
というわけで、トップ評価は
エキストラエンドだ。ムラっぽいところのある馬だが、前走は小倉記念で僅差の3着に好走。ハンデ57キロで斤量は前走から据え置き、中3週でここに挑むという臨戦過程は満点で、血統面や脚質もプラス評価の対象となった。騎乗予定の岩田ジョッキーも、1年ほど重賞勝ちから遠ざかっているだけに、ここは力が入るはずだ。
二番手評価に
ベルーフ。前走小倉記念で2着に好走しているハンデ57キロ馬と、エキストラエンドに近いパターンでの出走である。当然ながら期待大だが、陣営が「気性面に難があり極端な競馬しかできない」とコメントしており、下手すると最後方からの競馬になるかもしれないのが懸念材料だ。田辺ジョッキーが、果たしてどのような策に出るのかにも注目したい。
三番手評価に
ファントムライト。天皇賞(春)は14着惨敗、前走の函館記念も15着と冴えない結果が続いているが、2走前は距離、前走は太め残りと、敗因はハッキリ。今回はキッチリ絞れてくるだろうし、コース替わりも大きなプラス材料だ。ほかにも、斤量やローテなどポジティブな材料を豊富に有しており、大変身があってもおかしくないはず。馬体重さえ絞れてくれば、かなり面白い。
四番手評価に
ルミナスウォリアー。勢いを買われて前走の七夕賞で2番人気に推されるも、展開が向かず8着に敗退。いきなり重賞で人気になるのは、さすがに家賃が高かった。しかし、今回は実績のある新潟芝へのコース替わりで、2戦目で重賞の流れにも慣れてくるはず。プロフィルや臨戦過程などプラス評価となった項目も多く、決して侮れない存在である。
ここまでの4頭が上位評価組で、以下はクランモンタナ、アルバートドック、ダコール、マイネルミラノ、サトノギャラントという評価の序列。人気の一角となりそうなアデイインザライフは、買い材料よりも消し材料のほうが多く、ここは自信の「消し」勝負だ。あとは、人気と枠番次第。夏競馬の最後くらいは、キッチリ締めくくりたいものだ。
■総論×各論・先週の馬券回顧
新潟11レース 新潟2歳S(G3)
1着 10ヴゼットジョリー
2着 12オーバースペック
3着 03イブキ
単複を買ったらブービー(#^ω^)とはいえ、勝ったヴゼットジョリーも「前走最速上がり&前走左回りの1400m&センター枠番」など、買い材料は豊富にあったんだよなあ。怪しかったのが単勝オッズで、3連単合成オッズと比較すると、明らかに買われすぎ。どっかの馬券の達人が、単勝で大勝負でもかけたんだろうか(妄想)。
※コースデータと血統データは2010年、レースデータは2006年以降が集計対象
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!