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告白…今だから語れる勝てなかった1か月半の苦悩

  • 2016年09月13日(火) 18時01分
小牧太

ユーザーからの質問に答えるなかで、小牧騎手の「サラサラヘアー」の秘密が…


京成杯AHのピークトラム(8着)は残念でしたが、前日の土曜日には2連勝を決めるなど、流れを引き寄せつつある小牧騎手。この夏は、勝ち星に見放された時期もありましたが、今回は、今だから語れる勝てなかった時期の苦悩を明かしてくれました。また、ユーザーからの質問に答えるなかで、小牧騎手の「サラサラヘアー」の秘密が明らかに!?
(取材・文/不破由妃子)


“伸びる”というより“増える”んやわ(笑)

──今回は、ちょっと面白い質問がきています。「競馬とはまったく関係ないのですが、小牧さんを見るたびに『髪の毛がサラサラだなぁ』と思うのですが、シャンプーにこだわっていたり、何かサラサラをキープする秘訣があるのですか?」という質問です。

小牧 僕のこと? 全然サラサラやないで(笑)。何にもこだわってない。しいていえば、頻繁に梳(す)いてるくらいかな。

──髪の毛の量は多いですか?

小牧 むっちゃ多いで。多くて硬くて、とにかく1本1本が太い。

──確かにそうは見えませんね。

小牧 そやろ? なんせ月に2、3回は梳いてるからね。

──えっ! 月に2、3回も!?

小牧 うん。それをサボると、ものすごくゴワゴワになるんですわ。あと、色を入れているのも軽く見える秘訣かも。とにかく真っ黒やからね。それはもう“ドス黒い”といってもいいくらい(笑)。

──ドス黒いって(笑)。小牧さん、白髪はありますか?

小牧 白髪は不思議とないねん。とにかく多くてドス黒いのが僕の髪(笑)。ここまで髪の毛の量が多いとね、“伸びる”というより“増える”んやわ(笑)。だから、こまめに梳いて、少しでも軽く見えるように色を入れて。サラサラヘアーに見えているとしたら、作戦成功やね。

──大成功です! 続いては「調教では、ジョッキーが乗る場合と助手さんが乗る場合がありますが、それには何か意図があるのでしょうか? また、時計も変わってきますか?」という質問です。

小牧 ジョッキーは体が軽いから、確かに時計は出るね。あと、馬を動かすコツはジョッキーのほうがわかっているし、レースに行ってのハミの感覚もわかりやすいし。

──ジョッキーが乗ると、戦闘モードに入ってしまう馬もいると聞いたことがあります。

小牧 うん。動きすぎてしまう場合もあるね。だから、そうしたくない場合は助手さんを乗せたり、調教師さんも馬によっていろいろ考えてると思うよ。

──厩舎によっても、ジョッキーを多く乗せる厩舎、ほとんど乗せない厩舎といろいろですよね。

小牧 そうやね。栗東の場合、追い切りも含めて、厩舎のスタッフが最後まで担当するケースも少なくない。だから、僕だけではなく、ジョッキーの調教頭数はだいぶ減ってるんちゃうかな。夏場はとくにね。

──あと、調教で難しさを見せる馬などは、レースで騎乗するジョッキーに悪いイメージを与えたくないから、あえて調教では乗せないというケースもありますよね。

小牧 あるある。レースでは大丈夫なのに、調教の時の変な癖まで知ってしまうと、レースでも(その癖を)出すんじゃないか…という先入観を持ってしまうからね。ただ、それはあくまで「レースでは大丈夫」な場合で、レースでも変な癖を出す馬は、あらかじめ調教で知っておいたほうがいいけどね。

──では、最後の質問です。「惜敗したレースのあと、『勝てるかと思った』という小牧騎手のコメントをよく見かける気がしますが、逆に手応えがあまり良くなくて『勝てそうもないな…』と思ったのに、あれよあれよと勝ってしまうケースもあるのでしょうか?」というものです。

小牧 「あ、勝ってもうた」っていうレースは確かにあるよ。この夏でいうと…7月頭のフォーカード(7月9日・中京6R・2歳新馬・12番人気1着)とかもそう。道中の手応えはもうひとつやったけど、直線でグイグイ伸びてね。そういえば、その新馬以来、しばらく勝てんかったんやなぁ。

──中央に限ると、8月20日(小倉6R・3歳未勝利・テイエムナナヒカリ1着)まで空きましたね。

小牧 さすがに嫌になったわ。ああいうときって、なんか馬が動かんような気がしてしまって。

──勝てないのは、自分のせいのような気がしてしまったということですか?

小牧 うん…そうじゃないのは長年の経験からわかってるんやけどね。アカンときは何をやってもアカンていう“流れ”みたいなものがあるから。だから、日々やることをやって、準備を怠らないようにと思いつつ……やっぱりちょっと悩んだ。

──それはそうですよ。当然です。実際、小牧さんを見ていて、ちょっと気持ちが落ちているのかな…と思った時期がありました。

小牧 せやろ? 僕も何も考えてないわけではないねん(笑)。いくつになってもこればっかりはね。逆に、悩まんようになったら、もうアカンね。

──悩まなくなるということは、気持ちが切れたということですものね。

小牧 そうそう、その通り。まだまだ熱い気持ちがあるから悩むんや。
小牧太

まだまだ熱い気持ちがあるから悩むんや

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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