▲マカヒキ&ルメール騎手のコンビが世界の頂を狙う!(撮影:下野雄規)
凱旋門賞には1969年、スピードシンボリと野平祐二騎手が初挑戦して以来、延べ19頭の日本馬が出走した。エルコンドルパサーが、ナカヤマフェスタが、そしてオルフェーヴルが、あと一歩のところまで迫るも、未だ日本馬の優勝はない。今年は、ダービー馬マカヒキが日の丸を背負ってその舞台に挑む。コンビを組むのは、日本の騎手となったフランス出身、C.ルメール騎手。前哨戦・ニエル賞を終えた心境を直撃した。(取材・文:大恵陽子)
フランス特有の「めっちゃ遅いペース」にも対応
マカヒキは、フランス特有のレースを見事にこなした。
凱旋門賞の前哨戦、3歳限定GII・ニエル賞(9月11日、仏・シャンティイ競馬場、芝2400m)。ゆったりと進むレースを3番手で折り合い、ゴール前で僅かにクビ差抜け出し完勝した。
「フレンチスタイルのレースでした。めっちゃペースが遅かったけど、3番手でリラックスして走っていました。我慢してゆっくり追い出すと直線もいい反応で、ラスト150mで手前を替えたらもう一伸びしました。思っていた通りのレースですね」
走破タイムが同距離の日本ダービーより10秒以上遅い中でマカヒキはしっかりと折り合い、フランス特有のレースにマッチしてみせた。前哨戦に派手なパフォーマンスはいらない、と計算しつくしたかのような勝ちっぷりだった。
マカヒキの長所を友道康夫調教師は「ストライドや関節の可動域の大きさ」だと言う。父ディープインパクトもまた、他馬より一完歩の進む距離が大きかった。
「普段のキャンターからして他の馬とは違う。楽に走って15-15(1F15秒のラップ)を出す」(友道師)
折り合いと大きなストライドが、世界の舞台でも大きな武器となることだろう。
ルメールが名前を挙げたライバル馬3頭
2013年の凱旋門賞は、日本の競馬ファンに大きな衝撃を与えた。前年、栄冠までクビ差に迫ったオルフェーヴルが、3歳牝馬に5馬身差をつけられ再び2着に敗れたのだった。