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小牧マジック炸裂!ならではの騎乗で2頭が勝ち上がり

  • 2016年09月27日(火) 18時00分
小牧太

今回のテーマは、9月中旬までのレース回顧!


今回のテーマは、9月中旬までのレース回顧です。9月に入り、リズムを取り戻してきた小牧騎手ですが、なかでもディアエナとアドマイヤシャイの勝利は、まさに小牧騎手ならでは。その勝利のカギを紐解きながら、競走馬の難しさを語ってくれました。さらに今週末、秋風Sに出走予定のダノンメジャーについての本音も!
(取材・文/不破由妃子)


ダノンメジャーを重賞戦線に復活させたい!

──今回は9月中盤までのレース回顧をお願いしたいと思っているのですが、まずはピークトラムの京成杯AH(8着)から。思い切って行きましたが。

小牧 いつものスタートが切れなかったんやけど、最初のコーナーですんなりハナに立てて「よしよし」と思ったんやけどね。そこからが速くなってしまって。

──9番のワキノブレイブ(15着)と15番のペイシャフェリス(7着)が、外から突く形になりましたものね。もともと逃げようとは思っていたんですか?

小牧 うん、思ってた。前回(関屋記念)被されたのがもうひとつみたいやったから、たとえ逃げられなくても2番手あたりにはつけようと。まぁ、一度ペースが上がってしまうと、そこから下げるわけにはいかないからね。(敗因は)それに尽きる。でも、よう頑張ってると思うよ。着順ほど負けてないし、最後もバタッと止まったわけじゃない。

──今年に入って力を付けてきた馬ですからね。

小牧 そうそう。いろんな競馬を経験することで、もっともっと力を付けてくると思う。この夏は、中京、新潟、中山と頑張ってくれたから、早々に放牧に出たわ。

──続いて、9月は小牧さんならではというか、小牧さんでしか走らない馬での勝利が印象的でした。ディアエナ(9月4日・小倉8R・3歳上500万下1着)もそうですし、アドマイヤシャイ(9月10日・阪神10R・鳥取特別1着)もそうですよね。

小牧 たまたまでしょう。その2頭に関しては順当勝ちやし。でも、確かにアドマイヤシャイは、僕が乗ったときしか前に行かんね。なんでやろ、ようわからんわ(笑)。まぁ、牝馬の割にズブい馬なんで、出して行かんかったら全然行かんのやけど。

──2走前の小倉(8月20日・小倉11R・TVQ杯6着)でも、スタートからガッツリ出していきましたものね。

小牧 うん、あれは次を見据えて、あえて出していった。久々に行かせたから息が持たんかったけど、今回は一度行かせたぶん、最後まで頑張ってくれるんじゃないかと思ってた。その通りになったね。あの馬はね、なんせ砂を被ったら絶対にダメ。だから、どうしても成績にムラが出てしまう。ものすごく素直な馬なんやけど。

──なるほど。だから無理にでも前に行ったほうがいいと。

小牧 そうそう。砂さえ被らなければ大丈夫やから、前に行くのが一番。行けんかったら外を回す。あの馬の場合、そのあたりがカギやね。

──やはり好走させるにはコツがあるんですね。続いてディアエナですが、この馬もまた、8回騎乗して2勝2着2回3着3回。4着以下は新馬のみと、“小牧マジック”を感じさせる1頭です。

小牧 ディアエナはねぇ、本当に難しい馬で…。叩くと尾っぽを振って嫌がるんですわ。力はあるから勝ちに行くんやけど、どうしても惜しいところで負けてしまう。だから、この前は馬の気に任せて乗ったんやけど、それが良かったんやろうね。

──ちょっと厳しいかな…という位置からグイグイ伸びてきましたもんね。尻尾を振ることもそうですが、レース後のコメントによると「急かすと耳を絞る」とか。

小牧 そうそう。急かすというか叩くとね。だから、肩鞭だけでいかに終いを伸ばすかがカギやね。

──なるほど。アドマイヤシャイにしろディアエナにしろ、ずいぶんと手の内を明かしてしまったような。

小牧 いやいや、理解しているのと実際にできるかどうかはまた別やから。それに、聞かれればこのくらいは普通に答えるしね。まぁこの2頭については、何度も乗ってる強味があるから。癖のある馬ほど、それが一番の強味やからね。

──では最後に、秋風S(10月1日・中山11R)に出走するダノンメジャーについて。この馬も、調教やレース中に耳を絞るとおっしゃっていましたね。つまり、怒っているということですよね?

小牧 そうそう。ダノンメジャーは能力があるのはわかってるんやけど、ちょっと気が難しいね。この前、僕はワンアンドオンリーに乗って併せ馬をしたんやけど、やっぱり耳を絞ってた。きっと馬があんまり好きじゃないんやろうね。能力通りに走れば勝ち負けできるのは間違いないんやけど、レースに行って気持ちか萎えるか萎えないか…。

──先のことを考えると、毎回、前走のように逃げればいいというものでもないですし。

小牧 それはもちろん。最初からそういう考えはないよ。この馬がスゴイなと思うのは、いったん止まりそうになっても、そこからさらに伸びるところ。なんとか気持ちを萎えさせることなく、力を発揮してあげたいね。

──ダノンメジャーで中山に出走するのは、2歳暮れのホープフルS以来ですね。あのレースでは、小牧さんがすごく反省されていたのが印象的です。

小牧 ああ、ゲートを出たのに後ろから行きすぎて…。もっと怖がらずに出していこうと、気持ちを変えるきっかけになったレースやね。最初から乗っていた馬やし、当然、当時から期待も大きい。この前(6月19日・阪神9R・小豆島特別)、久々に勝てたことは本当にうれしかったし、なんとか重賞戦線に復活させてあげたいと思ってるよ。
小牧太

なんとか重賞戦線に復活させてあげたいと思ってるよ

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1967年9月7日、鹿児島県生まれ。1985年に公営・園田競馬でデビュー。名伯楽・曾和直榮調教師の元で腕を磨き、10度の兵庫リーディングと2度の全国リーディングを獲得。2004年にJRAに移籍。2008年には桜花賞をレジネッタで制し悲願のGI制覇を遂げた。2024年には再度園田競馬へ復帰し、活躍中。史上初の挑戦を続ける。

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