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ホエールキャプチャの全妹カウントオンイット

  • 2016年10月12日(水) 12時00分
オーロラエンブレム(牝 美浦・小島茂之 父ディープインパクト、母ブラックエンブレム)
 4分の3兄にブライトエンブレム(父ネオユニヴァース/14年札幌2歳S-GIII)とアストラエンブレム(父ダイワメジャー/16年ニュージーランドT-GII・4着)がいる。全兄テスタメントは初子ということもあって馬体重が440kg前後と小柄で、現在1000万条件に在籍中。本馬は牝馬ながらそれよりもひとまわり大きいので期待できる。母ブラックエンブレムはOur Emblem≒ヘクタープロテクター2×2という特殊な凝縮を持っており、秋華賞(GI)を勝って競走馬として成功しただけでなく、繁殖牝馬としても成功した。3代母の父Vaguely Nobleは父ディープインパクトと相性抜群で、これまでにトーセンラー、スピルバーグ、ショウナンアデラ、カミノタサハラをはじめ多くの活躍馬がこの組み合わせから誕生している。芝1600-2000mあたりがベストディスタンス。ディープインパクト産駒らしい切れ味が期待できそうだ。

カウントオンイット(牝 栗東・高野友和 父クロフネ、母グローバルピース)
 全姉ホエールキャプチャはヴィクトリアマイル(GI)、府中牝馬S(GII)など5つの重賞を制した名牝。全兄ドリームセーリングは中山金杯(GIII)4着馬。「クロフネ×サンデーサイレンス+チヨダマサコ牝系」という配合パターンは、他にベストクルーズ(09年ファンタジーS-GIII・2着、09年阪神JF-GI・3着)、シゲルスダチ(12年北九州記念-GIII・2着)、マーチャンテイマー(14年ブリーダーズGCーJpnIII・3着)などが出ている。この配合はBlue Moon=Blue Grotto≒Banish Fearというクロスが生じるため注目でき、これが優れた能力を発揮している原因ではないかと考えられる。本馬は配合的な裏付けがあるので、兄姉と同様の活躍を期待したい。

コペルニクス(牡 栗東・音無秀孝 父ディープインパクト、母ロベルタ)
 母ロベルタは皐月賞馬ヴィクトリーの全妹で、現役時代に芝中距離で3勝を挙げた。その半兄に中長距離の重賞を3勝したリンカーンがいる。2代母グレースアドマイヤは日本ダービー馬フサイチコンコルドの半妹、皐月賞馬アンライバルドの半姉で、3代母は名牝バレークイーン。「父ディープ、2代母の父トニービン」というパターンは、ハープスターなど出走16頭中13頭が勝ち上がり、芝連対率40.4%と成功している。母方にブライアンズタイムとSadler's Wellsを併せ持つディープ産駒なので皐月賞馬ディーマジェスティと似ている。底力満点の血で構成されているので当たれば大きい。

ザクイーン(牝 栗東・角居勝彦 父ヴィクトワールピサ、母サマーハ)
 母サマーハは現役時代に英仏で4勝を挙げた。その4分の3兄Mamoolは、バーデン大賞(独G1)、オイロパ賞(独G1)など5つの重賞を制した活躍馬。繁殖成績は優秀で、現在3戦2勝の半兄シャケトラ(父マンハッタンカフェ)はいずれ重賞戦線を賑わすであろう大器。半姉モルジアナ(父Dubawi)はダート短距離で4勝を挙げている。本馬は父ヴィクトワールピサのHalo 3×4を継続して4・5×4としているほか、Mr.Prospector 4×4などもあり配合構成は素軽い。父はNever Bend系と相性が良く、本馬はその条件を満たしているので楽しみが大きい。芝向きの中距離タイプ。

ズアー(牡 栗東・池添学 父The Factor、母Salvar)
 母Salvarは北米で14戦3勝。重賞を3勝してベルモントパークのダ6ハロンのレコードタイムを塗り替えたclearly Nowの半姉にあたる。父The FactorはWar Frontを経てDanzigにさかのぼるサイアーラインに属し、現役時代にパットオブライエンS(米G1・ダ7f)など5つの重賞を制覇した。現2歳世代が初年度産駒で、現在北米ファーストシーズンサイアーランキングで10位とまずまずのポジションにつけている。代表産駒Noted and QuotedはシャンデリアS(米G1・ダ8.5f)を勝った。本馬はDanzig 3×5・5、Icecapade 4×5、Fappiano 5×4、その父Mr.Prospector 6・4×5と、手堅い父母相似配合となっている。父The Factorは芝適性を感じさせる配合構成なので日本向きかもしれない。本馬は芝・ダート兼用のマイラーだろう。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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