▲ダービー2着のサトノダイヤモンド、皐月賞馬ディーマジェスティの2強に割って入るのは!? (撮影:下野雄規)
サトノダイヤモンドとディーマジェスティの2強ムード漂う菊花賞。3連複・3連単の予想の要となるもう1頭は? あるいは、2強に割って入る馬はいないのか? 多くの陣営が口にした「折り合い」「距離適性」「ひと夏の成長」をポイントに、「菊花賞直前・陣営直撃レポート」と題して、馬券のカギを握りそうな馬たちを取材した。(取材・文:大恵陽子)
ミッキーロケット(音無秀孝調教師)
『神戸新聞杯2着からの逆襲』
神戸新聞杯でサトノダイヤモンドにクビ差迫ったミッキーロケット。夏の北海道で3戦2勝、2着1回。春の皐月賞13着から大きく成長して帰ってきた。
「北海道で思っている通り、実力があることが分かりました」と、音無秀孝調教師は胸を張る。
▲夏の北海道で善戦、春から大きく成長したミッキーロケット (撮影:大恵陽子)
前走から手綱を取る和田竜二騎手は、長所と課題をこう挙げた。
「神戸新聞杯は4コーナーでごちゃつきましたが、あそこまで勝ち馬に迫れました。馬自身が成長していると思うし、競馬自体は扱いやすいと思いました。ただ、ゲートに課題のある馬です。ゲート練習を3回やって、最初の頃よりマシかなという雰囲気。(ゲートの中で)前に行ったり後ろに行ったりするので、(後入れの)偶数枠がいいとかよりもタイミングですかね。我慢してくれたら、いいな」 音無師は菊花賞のコースをこう分析する。
「山が2回あって、特に1周目の3コーナーの下りから、1コーナーまでのプロセスが大切になるでしょう。僕は騎手時代にこのコースの経験はあまりないけど、見ていて、ゆっくり上って、ゆっくり下るのが1周目だな、と。ここで引っ掛からず、上手く折り合えた馬が勝つと思います。ミッキーロケットは折り合いには苦労するどころか、ついていけない時もあります」 和田騎手も折り合いに太鼓判を押す。
「折り合いは難しい感じはしないし、距離も持ちそうな雰囲気があります。成長してきて、キレ味が出てきているので、京都の瞬発力勝負になってもいいんじゃないでしょうか」 スタートさえクリアすれば、楽しみが広がりそうだ。
エアスピネル(笹田和秀調教師)
『春よりも折り合えるように』
朝日杯FS2着、皐月賞・日本ダービーはともに4着。世代上位の実力を持つエアスピネルは、秋になり、課題だった折り合い面で成長を見せた。笹田和秀調教師はこう話す。