「悔いのない仕上げ」のソルテ
11月3日に川崎競馬場で行われるJBCが刻々と近づいてきました。今回のリスタートは、特別バージョンとしてJBCの話題をお伝えします。
今年のJBCで南関東の最有力候補は、もちろんJBCスプリントに出走するソルテ(大井・寺田厩舎)です。南関東生え抜き馬で、2歳と3歳に重賞を制し、クラシックレースにも参戦しました。
古馬重賞をなかなか勝てない時期も続きましたが、昨年5月の川崎マイラーズから破竹の重賞6連勝。かしわ記念では堂々2着となり、さきたま杯で念願のダートグレードレースを優勝しました。
馬体はデビューから60キロ近くも増え、その成長力は誰しもが驚きます。若い頃より腰がしっかりしてきたことでスタートダッシュも二の脚も速くなり、中央馬を相手にしても負けないスピードで好位置を確実に取れるのも魅力です。
休み明けだった前走のオーバルスプリント(2着)は負けてなお強しの内容で、陣営は全く悲観はしていません。
その後も順調に進めてきたそうで、調教パートナーの上田健人騎手は、「涼しくなってきてさらに一段と動きがよくなってきました。集中力もあって研ぎ澄まされた感じです。前はどこかに力みもありましたが、今では普段からどっしりと構えていられるようになりました。イメージ通りで満足のいく仕上がりですね」と好感触。
ソルテ
馬場では、重戦車のような馬体から繰り出される動きは迫力満点で、馬房に戻れば、大好きなボールで元気に遊んだり、外を眺めてポーッとしたり、リラックス。それでいながら威圧感はたっぷりなので、馬房が小さく感じるほど。
「今までで一番いいかなと思えるくらいに悔いのない仕上げができました。あとは正攻法で自分の競馬ができれば。右回りも上手ですが、左回りのほうがさらにいいかもしれません。夢のように思っていたレースにこういう形で出走できるのはソルテ様々ですね」(寺田調教師)。
JBCはその実施される競馬場によって、毎年距離が異なります。ソルテにとって川崎競馬場は地の利を生かせ、1400mからマイル戦は得意距離。充実期に入っている今、最高の条件でこの舞台に立てるのは何よりうれしいことです。
前哨戦はアクシデントがありながらも好走のララベル
レディスクラシックには、南関東生え抜き馬ララベル(大井・荒山厩舎<小林>)がスタンバイ。前走のレディスプレリュードは初のダートグレードレースながら勝ち馬から0.4秒差の4着でした。
最後の直線では初めて舌を出しながらの走りで、「休み明けだったり、これまでとは違うペースを味わって、4コーナーの手前を替えるところで苦しくなってハミを越してしまったんだと思います。馬も初めてのことで驚いたでしょうが、その後に修正して戻ったら、また追い込んできて差をつめてくれました」(荒山調教師)。アクシデントがありながらもこの着差。
ララベル
当初はハミを替えたり舌を縛ったりも考えたそうですが、結果的には何も変えずにこれまで通りの装いで挑むそうです。
そもそも距離が200m短縮されるのもプラス材料。持ち前のスピードでいいポジションが取れ、レースに行っての根性は最大の武器。
これまでにはないような怖いくらいの威圧感やオーラを漂わせているそうで、ひと味違うララベルが見られるでしょうか。
底を見せていないトーセンセラヴィ
同じレディスクラシックに出走するトーセンジョウオーの愛娘トーセンセラヴィ。どんな競馬にも対応し、牡馬の中に入っても非常に強い勝ち方をしてきました。
今回は全国レベルの牝馬たちとの戦いで、ペースがグッと厳しくなることも予想されます。「自分のリズムを取り戻したことも最近の好調の要因ですね。この馬はヨーイドンの競馬よりも、速ければ速いほうが合うと思います。(いい意味で)まだわからない馬。ここまでJBCに向けて川崎競馬場を使い続けてきました」(小久保調教師)
トーセンセラヴィ
中央から南関東に仲間入りしてから、全く底を見せていないだけに、このメンバーとどれだけやれるのか早く見てみたいです。
全人馬無事に、悔いのない走りを!