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2着争いに2秒4の大差をつける圧勝
さて、このレースをどのように解説したらいいのだろう。勝ち馬のことだけを言うなら、“次元の違う競馬”、“1頭だけ別のレースをしていた”という言葉だけで終わってしまいそうだ。好スタートからほとんど仕掛けることなく先頭に立つとマイペースの逃げ。4コーナーを回るところで手前を変え、直線を向いて軽く気合をつけられると、後続をあっという間に突き放した。独走となっても何発かムチを入れていたのは、今後のことも考えて気を抜かせないためだろう。2着争いに2秒4の大差をつける圧勝となった。
エピカリスである。「やっぱり強かった」という感想もあるだろうし、「強いとは思ったけど、これほどとは」と思った人もいただろう。
門別コースは、年によって、開催によって、馬場状態によって、2秒も3秒もタイムが違うので単純なタイム比較は難しいのだが、エピカリスのレースぶりは、1000m通過が62秒3、上り3Fが39秒5で、勝ちタイムが1分54秒6。そして10月12日に行われた瑞穂賞が同じ1800m、稍重という条件で、1000m通過63秒6、上り3Fが39秒2で、勝ちタイムは1分54秒9。ピタリと2番手追走から早め先頭に立って楽勝だったオヤコダカと、今回のエピカリスはほとんど同じような質のレースをしたと考えられる。近年のホッカイドウ競馬の古馬重賞戦線は、中央の準オープンから転入してくる馬とだいたい互角の勝負をしているので、エピカリスの実力はもはやそのレベルにあるという見方ができそうだ。
1頭実力の抜けた馬がいるときに、実力的に2番手3番手の馬が真っ向勝負を挑み、2着以下は必ずしも実力どおりには決まらないということはよくあるが、今回はエピカリスを負かしにいこうとしたような馬もなく、2着以下もおおむね順当におさまった。
エピカリスから1~2馬身ほどの位置を追走したスーパーステションは、直線を向くと一杯になって6着。中団ややうしろを追走していたヒガシウィルウィンが3コーナー過ぎからまくってきて、直線では単独2番手。これをマークして追ってきたのがスウィフトハートで、この2頭が2、3着。4着には、ストーンリバーが入った。
地元の前哨戦として行われたサンライズCでは、逃げたスーパーステションが直線で失速すると、直線半ばからはヒガシウィルウィンとスウィフトハートの一騎打ちとなって、ヒガシウィルウインが先着。エピカリスを抜きに考えれば、今回もほとんど同じような展開で、同じような結果。これに川崎の鎌倉記念を勝ってきたストーンリバーが加わっただけ。
エピカリス以外の中央勢では、トミケンカリムが残念ながら出走取消。ストーンリバーとは差のない3番人気に支持されたビービーガウディが、ストーンリバーに続いての5着。門別の2歳重賞で上位を争ってきた馬たちは、さすがに中央の1勝クラスよりは能力が上だったという結果。
1200mの栄冠賞とイノセントCを制していたバンドオンザランは、3コーナーからうまく内に切れ込み、4コーナー手前ではエピカリスを除く先頭集団の直後につけたものの、直線では伸びず9着。サンライズCでも5着だったように、やはりバンドオンザランにこの距離は長すぎた。
昨年の北海道2歳戦線では、ホッカイドウ競馬でデビューしたタイニーダンサーがエーデルワイス賞から北海道2歳優駿を連勝したが、今年はそれぞれのレースで中央から圧倒的に強い馬が出走してきていた。一方でこの世代の北海道2歳馬は、上位の何頭かは平均的に高いレベルにはあるものの、抜けて強い馬はいない。
早いもので今年も間もなくホッカイドウ競馬のシーズンが終了する。鎌倉記念を快勝し、今回4着だったストーンリバーの走りは、この世代の能力を測るうえでひとつの基準となる。北海道2歳優駿で掲示板を争った馬たち、同様にエーデルワイス賞で掲示板に載った馬たちは、このあと移籍する・しないにかかわらず、南関東の2歳重賞戦線で有力馬としての活躍が期待できるだろう。