【栗東】
◆グローブシアター(牡、父キングカメハメハ、母シーザリオ、栗東・角居勝彦厩舎)
2013年菊花賞、2014年ジャパンCを制したエピファネイア(父シンボリクリスエス)、2015年朝日杯FSを制したリオンディーズ(父キングカメハメハ)といったG1ホースを兄に持つ良血馬。母や兄と同じく角居勝彦厩舎で管理されており、9月1日にゲート試験合格後に一旦放牧に出されて、10月13日にノーザンファームしがらきから戻っている。
10月26日は芝馬場で追い切られて、5F68.9秒と遅い時計での併せ馬。馬場状態が悪い現状を考慮しても目立った動きではなかったが、レースでも騎乗予定の福永祐一騎手が跨った11月2日のCWでは、追いかけてくるエルビッシュと互角の手応えで動けていた。6F86.2秒と時計は遅く、ラストの反応が良く見えるのは当然だが、追い切るごとに見映えするようになっているのは確か。速い時計の追い切りがなく、中身に関してどの程度息が出来ているのか判断が難しいが、最終追い切りでどんな動きを見せてくるのか注目してみたい。デビュー戦は11月13日(日)京都芝1800mを予定している。
◆メイズオブオナー(牝、父ハーツクライ、母キャサリンオブアラゴン、栗東・藤原英昭厩舎)
Galileo産駒の半姉グラナダは未勝利に終わっているが、いとこに2016年ドバイターフを勝ち、先日の天皇賞(秋)では2着だったリアルスティールがいる良血。10月13日にゲート試験に合格した後も順調に追い切りを消化している。
その動きが目立ったのは、レースでも騎乗予定の武豊騎手が跨った11月2日のCWでの併せ馬。古馬1000万下のベルフィオーレを追走する内容だったが、追い出されるとしっかり伸びて大差の先着。6F83.8秒は内を回ったことを考慮すれば、ほぼ水準の時計だが、ラスト1F11.7秒は秀逸。10月26日の坂路でも4F54.6秒をマークしていることを考えると、出走態勢はほぼ整った感じ。デビュー戦は11月13日(日)京都芝1600m(牝)を予定している。
なお、おじに2013年マイルCSを勝ったトーセンラーや2014年天皇賞(秋)を勝ったスピルバーグがいるトルネードアレイは11月13日(日)京都芝1800mを川田将雅騎手でデビューする予定となっている。
◆コパノピエール(牡、父ダイワメジャー、母ヒガシリンクス、栗東・宮徹厩舎)
同厩舎で管理され、2014年高松宮記念を制したコパノリチャードは全兄。兄は秋開催の京都芝1400mで新馬勝ちを決めたが、弟も同じ京都芝1400m(11月12日)でデビュー勝ちを狙っている。
10月26日にCWで追い切られた時には時計が遅く、併せ馬でも地味な動きだったが、追い切りを終えた時点で「やれば、坂路4F52秒くらいで動くのは分かっている馬。来週はジョッキーに跨ってもらう予定」と宮徹調教師。その言葉通り、11月2日の坂路ではレースでも騎乗予定の福永祐一騎手が跨って、新馬に大きく先着。4F52.2秒をマークしている。この動きを見せられては兄と同じ結果を期待するのは当然だろう。
◆インハーフェイバー(牝、父ワークフォース、母シーズインクルーデッド、栗東・須貝尚介厩舎)
半姉オリエンタルリリー(父ダイワメジャー)はダートで2勝(芝では1勝)、ハービンジャー産駒のヒーズインラブは芝で2勝を挙げており、きょうだいはいろんなタイプが出ている。本馬については「力強い走りをするワークフォース産駒ということもあって、ダート適性が高そう」と須貝尚介調教師。ということで、デビューは11月12日(土)京都ダート1800mが予定されている。
11月3日はレースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨って、CWでの3頭併せ。最内でゴール前は大外のステイオンザトップと併せて1馬身ほど遅れた。ただ、無理をしていなかったし、6F82.4秒なら十分な時計。追い切り本数も十分にこなしており、デビュー戦から注目してみたい。
なお、半姉に2012年阪神JFを制したローブティサージュ(父ウォーエンブレム)がいるステイオンザトップは、11月13日(日)京都芝1800mをM・デムーロ騎手でデビューする予定。
【美浦】
◆フィネス(牝、父ディープインパクト、母ディアマンティナ、美浦・斎藤誠厩舎)
いとこに重賞2勝(毎日王冠、エプソムC)、天皇賞・秋2着のダークシャドウがいる。5月生まれということもあり、じっくりと乗り込まれてきた。「いい瞬発力がありそうなタイプ。芝の軽い馬場が合いそう」と斎藤誠調教師。11月13日、東京の芝1400mを戸崎圭太騎手で予定している。
同厩舎のスギノエンプレス(牝、父エンパイアメーカー、母スギノフォルモーザ)も好感触。いとこにヴァーミリアンなどの活躍馬がおり、「持久力がありそうだし、血統的にもダート路線で楽しみ」とのこと。11月12日、東京のダート1600mを石橋脩騎手で予定している。
◆ブランメジェール(牝、父Hansen、母Debit Or Credit、美浦・高木登厩舎)
OBSの2歳スプリングセールに上場され、26万ドルで落札された。父はTapitの直仔。デビューから3戦無敗でBCジュヴェナイルを勝ち、米2歳牡馬チャンピオンに輝いた。配合的にはStorm Catの4×3のインブリードがあり、スピードとパワーを兼ね備えている。
「ちょっとテンションが高くなりやすいけど、走ることに対しては前向き。いいスピードがありそう」と高木登調教師。中間の追い切りに騎乗している大野拓弥騎手も「血統的にはダート向きなんでしょうけど、乗ってみると芝でも走れそうな感じです」と好感触だ。11月13日、東京の芝1400mを予定している。
◆レッドミラベル(牝、父ステイゴールド、母ダンスーズデトワール、美浦・尾関知人厩舎)
2012年のアルゼンチン共和国杯を制したルルーシュの異父妹。当初は1週目のデビューも検討していたが、まだ良化の余地を残していたことから2週目にスライドしてきた。10月の中旬から時計を出し始め、ひと追い毎に反応が良くなってきている。
「今のところ、ステイゴールド産駒らしい気性的な難しさはないですね。普段は他の馬につられて集中力を欠いたりするようなところがあるけど、ゲート試験でも普通に出たし、速いところに行けば真面目に走ります。距離的には長めのところが良さそう」と尾関知人調教師。11月12日、東京の芝2000mをM・デムーロ騎手で予定している。
◆アルマクロア(牝、父バンブーエール、母シヤボナ、美浦・中舘英二厩舎)
今春の高松宮記念を制したビッグアーサーの異父妹。配合的にはMr. Prospectorの3×3のインブリードを持ち、いいスピードがありそうだ。ゲート試験は春にパスしており、じっくりと成長を待ちながら進めてきた。先週の11月3日には坂路で4F53.3-39.3-25.5-12.4の時計をマーク。併せた僚馬を突き放し、1秒以上の先着と素軽い動きを見せている。
「気性的にもスピードタイプ。お兄ちゃんと同様、この馬も短い距離が合いそう」と中舘英二調教師。11月12日、福島の芝1200mを丸山元気騎手で予定している。