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netkeiba

週刊サラブレッド・レーシング・ポスト

  • 2004年11月23日(火) 19時21分
 日本馬の、特にトップホースたちのレベル向上には目を見張るものがあることは重々承知の上で、今年のジャパンCは外国馬パワーズコートを本命に推したいと思う。

 格で言うと、欧州のこの路線における超一流馬ではないものの、番付なら関脇クラスにはいる馬。府中の硬い馬場や長い直線は、この馬の能力が十分に発揮できる舞台なはずだ。

 ただし、アーリントンミリオンやBCターフでは直線で寄れるところを見せており、ちょっと乗りづらそうなタイプ。主戦のジェイミー・スペンサーが、先週土曜日に遠征先のアメリカ・アケダクト競馬場で腹部を馬に蹴られて入院。どうやら大した怪我ではなさそうとのことだが、彼が乗れないということになると、誰が手綱をとるかが気になるところだ。もっとも、「スペンサーでは乗りこなせない」という外野の声も聞こえており、代役がこの馬の良さを更に引き出す可能性もある。

 その他の外国馬では、雨が降って馬場が渋れば、ウォーサンに大勢逆転の可能性もある。良馬場では入着候補の押さえまで。4ヶ月ぶりの実戦になるフェニックスリーチにも、しっかりと仕上がっているようなら押さえ評価をつけたい。あとの2頭は無印。

 と言うことは、対抗は日本馬から抽出することになるのだが、これがなかなか難しい。ゼンノロブロイの前走は実に鮮やかだったが、鮮やか過ぎて2000mが適距離に思えて仕方がない。コスモバルク、ホオキパウェーブも魅力的だが、JCとは基本的に3歳馬にとってはタフな競馬だ。一叩きされて大幅良化していればヒシミラクルだって侮れまい。対抗馬は、上記4頭の中から当日の気配が良い馬を選ぶということで、御容赦いただきたいと思う。

 ジャパンCダートに参戦するトータルインパクトは、実績で言えば昨年の勝馬フリートストリートダンサーの遥か上を行く大物である。アメリカの競馬体系から見ると、ダート2100mというのはかなりの長距離だが、10Fがベストと言われているこの馬なら問題はなさそうだし、3歳時にドバイへ遠征してUAEダービー2着の成績を残しているように、遠征に対する備えも万全だ。鞍上も名手マイク・スミスと条件は整っており、普段通りの競馬をされると楽勝される可能性もある。

 ただし、府中の重い砂にどんなタイプの馬が向くのかは、依然として分析が出来ていないのが実情。リドパレスの二の舞になる危険もあり、印としては単穴。あとの2頭の外国馬は無印。

 本命は日本のアドマイヤドン。JBCクラシックのレース振りは、チャンピオン依然健在を示すもので、この馬の牙城を崩す馬は少なくとも日本馬には見当たらない。ドバイワールドCを制したシングスピール産駒のローエングリンが対抗で、タイムパラドックスが押さえ。

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1959年(昭和34年)東京に生まれ。父親が競馬ファンで、週末の午後は必ず茶の間のテレビが競馬中継を映す家庭で育つ。1982年(昭和57年)大学を卒業しテレビ東京に入社。営業局勤務を経てスポーツ局に異動し競馬中継の製作に携わり、1988年(昭和63年)テレビ東京を退社。その後イギリスにて海外競馬に学ぶ日々を過ごし、同年、日本国外の競馬関連業務を行う有限会社「リージェント」を設立。同時期にテレビ・新聞などで解説を始め現在に至る。

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