毎年ジャパンCには、様々な陣営が馬を送り込んできます。今年は、アイルランドの天才調教師エイダン・オブライエンがパワーズコートを出走させます。クールモア牧場の専属調教師というだけで、どれほどの手腕であるかがわかります。
ヨーロッパの競馬は二大グループが席巻しているといってよく、クールモアグループともうひとつが中東ドバイのシェイク・モハメド殿下率いるゴドルフィンのマクトゥーム軍団です。海外の競馬ニュースにはよく登場しています。アイルランドとドバイでは競馬の背景が異なり、よりスポーツ性やホビーとしての色合いの濃いドバイに対し、クールモア牧場は、よりいい血統馬を集めてより強い馬をつくるという点に徹してきました。
その屋台骨を支えてきたのが、大種牡馬サドラーズウェルズで、大物たちを続々と輩出して11年連続12回もリーディングサイアーに君臨してきました。
最近では、英・愛ダービーを勝ったハイシャパラルが知られています。昨年17歳で亡くなったデインヒルも強力で、クールモアがオーストラリアにも生産拠点を置いたときに、シャトルサイアーとして活用されました。この方式のきっかけになった馬です。このデインヒルからは、G1・7連勝の世界記録をつくったザロックことロックオブジブラルタルがクールモア牧場で種牡馬となりました。
この他カーリアンもクールモアの所有で、世界の生産界に多大な力を誇示しているのです。エイダン・オブライエン調教師は、この大牧場の専属という大きな支えを受け、ガリレオ、ハイシャパラル、ロックオブジブラルタルなど成功馬を次々と出しています。
今後、さらなる業績をつけ加えていくことでしょう。本人は、今回は来日しないようですが、ジャパンCに初めて出走させて、どんな感触を得ることになるのか、注目すべきホースマンといえるでしょう。