ジワリと活躍し始めたエンパイアメーカー産駒の注目馬/トレセン発秘話
◆インパクト大のプラチナヴォイス
2011年から日本で5年間、種牡馬として供用されたエンパイアメーカー。その産駒の評判は「ゲートに難がある」といった扱いにくさが前に出るだけで、これまで競走成績で強烈なインパクトを残した馬はほとんどいなかった。そんな気の悪さばかりが取り上げられてきたエンパイアメーカー産駒が、今年になり、ナムラアンやマイティティー…続々とオープン入りを果たし、妙に?活躍しだしている。
先週、東京の1600万下・ユートピアSをエテルナミノルが快勝。現在4頭いる(3歳上)オープンのうち、実に2頭(マイティティーも本田キュウ舎)を管理していることになる“エンパイアメーカーの使い手”本田調教師は同産駒の扱い方についてこう解説する。
「エテルナミノルでも馬運車に乗る時に暴れたり、ちょっとしたことで周りを気にしてヤンチャをする面はあるけどな。じっくりやって、そういう面をなるべく出さないようにすれば、競馬でちゃんと走ってくれるんじゃないの」
エンパイアメーカー産駒の扱い方に慣れてきたこれからが日本での産駒の走りごろ? そんなタイミングでインパクト大のレースをする2歳馬が現れた。未勝利戦をレコードV、続くオープンの萩Sも0秒3差で快勝し、GIII京都2歳S(26日=京都芝内2000メートル)に駒を進めてきたプラチナヴォイス(鮫島)だ。先週に続き、今週も追い切りに騎乗した和田の感触も上々だった。
「直線で楽に前の馬をかわせたし、反応がすごく良かった。抜け出して左右にフラフラする面を見せるのはエンパイアメーカー(産駒)らしいけど、あえて課題を言えば、それぐらい。前走はレース直前に一回ゲートに入れてから本番を迎えたらスタートもうまく出たし、今回も万全の態勢で臨むよ。ここで賞金を加算して余裕を持ってクラシックに備えたいね」
3連勝で重賞Vとなれば、エンパイアメーカー産駒の“真打ち”と、もてはやされるかもしれない。(栗東の坂路野郎・高岡功)