【栗東】
◆ルーズベルトゲーム(牝、父ディープインパクト、母サプレザ、栗東・安田隆行厩舎)
母はサンチャリオットSを3連覇し、マイルCSにも3年続けて参戦。血統的に注目を集めて当然だが「注目されるからこそ、こちらの評価も厳しくなりますよね」と安田隆行調教師。11月23日の坂路では4F52.6秒と新馬としては水準以上の時計をマークしているが「52秒の後半なら、ラストは12秒前半で動いてくれないと」と1F12.6秒だった数字を評価するどころか、もう少し時計を詰めることを要望するくらい。
11月16日の坂路でも4F52.2秒と速い時計をマークしているのだが「まだ緩いところがあるから、現状の動きなのでしょう。入厩当初は470キロあった体も440キロ台まで絞れてきていますから、徐々に動けるようにはなっていますけどね」と慎重。裏を返せば、完成してくれば、もっと凄い動きを見せてくれるのかも知れないし、現状でどこまでの走りを見せてくれるかは楽しみなところ。12月4日(日)中京芝1400mをC.ルメール騎手でデビューする予定。
◆ファヴォーラ(牝、父Frankel、母グッドウッドマーチ、栗東・藤原英昭厩舎)
ミスエルテがファンタジーSを制して2連勝。ソウルスターリングも新馬、アイビーSを連勝して話題沸騰のFrankel産駒。本馬も同じ牝馬の産駒ということで注目を集めており、netkeiba.comのPOGダービーでも100位以内の支持を集めている。2014年セレクトセール当歳にて、9600万円で落札されている。
9月20日にノーザンFしがらきから入厩しているが、ここまで入念な乗り込み。11月17日はレースで騎乗予定の福永祐一騎手が跨って、CWで古馬を追走する内容。なんとか同入に持ち込んだという内容だったが、ラスト1Fは12.2秒としっかり伸びた。11月24日の坂路では、4F55.9秒の1F12.3秒。追い切りで抜群に動くというほどではないものの、徐々に反応が良くなっている。デビュー予定の12月4日(日)阪神芝1400m(牝)でのパフォーマンスに注目してみたい。
◆レッドリボン(牝、父ディープブリランテ、母タフネスデジタル、栗東・野中賢二厩舎)
ディープブリランテ産駒は現2歳が初年度産駒になるが、ディーパワンサが中京2歳Sを勝つなど、すでに活躍を見せている。本馬はおじにカゼノコがいる血統背景がしっかりした母系だけに、血統的にも期待が大きい。
11月17日の坂路では4F53.7秒を馬なりでマークし、動きのいいところを見せていたが、特に目立ったのは、24日のCWでの3頭併せ。最内だったが、先行していたエアショウをあっさりと追い抜き、手応え楽に先着。ラスト1F11.7秒の伸びは素晴らしかったので、そのあたりを野中賢二調教師に聞いてみると「こちらが思っている以上に動いてくれましたね。これなら今週使うことも視野に入れてみます」と先週の時点でもデビューするかも知れない動きだった。最終的には12月4日(日)阪神芝1600mをA.アッゼニ騎手でデビューする予定だが、最終追い切りの動きにも注目してみたいところ。
◆ダノンロマン(牡、父ディープインパクト、母イマーキュレイトキャット、栗東・藤原英昭厩舎)
Kitten's Joy産駒の半姉キトゥンズグレイスは未勝利に終わっているが、母系には今年のドバイターフを制したリアルスティールがいる血統。2015年セレクトセール1歳にて、9800万円で落札されている。
11月24日はCWでグラニーズチップス、アタックバイオとの3頭併せ。ゴール前の手応えは3頭の中で一番見劣ったが、1F12.0秒で動けている。10月下旬から毎週のように追い切りを消化しており、中身はしっかり出来ているはず。デビュー予定の12月3日(土)阪神芝2000mでどのような走りを見せてくれるだろうか。
【美浦】
◆アダマンティン(牡、父ハービンジャー、母キラリダイヤモンド、美浦・大竹正博厩舎)
叔父に重賞3勝(京都新聞杯、札幌記念、中京記念)のタスカータソルテ、いとこにネオヴァンドーム(きさらぎ賞)、コティリオン(NHKマイルC2着)などの活躍馬がいる一族。11月23日にはウッドチップコースで長めから追われ、年長馬を相手に食らいついた。27日にも坂路で4F56.7-41.7-12.5と軽く時計を出している。
「気性的にスイッチが入りやすいけど、追い切りの動き自体は悪くない。あとは当日の気持ち次第。ゲートの課題も含め、カッとならずに少しでも落ち着いていられればいいですね」と大竹正博調教師。12月4日、中山の芝2000mを北村宏司騎手で予定している。
◆クライオブジョイ(牝、父ハーツクライ、母レディマールボロ、美浦・鹿戸雄一厩舎)
母は米GIIIセイビンH(ダート8F)を勝っている。11月23日にはウッドチップコースでオークス3着のビッシュと併せ、まずまずの動きを見せた。「何度か入退厩を繰り返したけど、だいぶ体を使って走れるようになってきた。もう少し良くなりそうな感じ。初戦からとなると何とも言えないけど、いいところはありそう」と鹿戸雄一調教師。12月4日、中山の芝2000mを松岡正海騎手で予定している。
◆ジュンアイルランド(牡、父Dutch Art、母Brazilian Spirit、美浦・尾関知人厩舎)
父は仏・英で2歳GIを2勝(モルニ賞=芝1200m、ミドルパークS=芝6F)。牝系にはリッスン(英GIフィリーズマイル)の名があり、昨年のローズSを制したタッチングスピーチやムーヴザワールド(東スポ杯2歳S3着)の近親にあたる。その他、安田記念3着のドルフィンストリート、英・愛の2000ギニーなどGIを4勝したHenrythenavigatorなど国内外の活躍馬が出ている一族だ。ひと追い毎に時計を詰めており、ここ2週は古馬を追走して先着している。
「もともと前向きさに欠けるようなところがあったけど、他の馬と並ぶ形になると頑張って走るし、スイッチのオンとオフの幅が大きなタイプ。攻め馬の本数が少ないわりに動けているし、この馬なりに態勢は整ってきている感じです」と尾関知人調教師。12月3日、中山の芝1200mを大野拓弥騎手で予定している。
◆ビートマッチ(牝、父ルーラーシップ、母パーフェクトマッチ、美浦・萩原清厩舎)
サンデーサイレンス産駒の母は新馬勝ちを含め、通算2勝。3歳時にはクイーンC4着、フローラS5着と重賞でも善戦していた。近親には共同通信杯3着のマッチレスバロー、マイルCSを制したトウカイポイントなどがいる。追い切りでは格上の古馬と併せるなど水準以上の動きを見せており、500キロを超す大型馬で馬っぷりの良さが目立つ。12月4日、中山の芝2000mを予定している。