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大きい馬×小さい馬、社台ファーム×ノーザンファーム(須田鷹雄)

  • 2016年11月29日(火) 18時00分


◆戦略を考えるのがPOGの楽しみ

 プライベートのPOGで指名しているミリッサが新馬勝ちを果たした。今年は血統で人気になる馬に占める「やけに大きい馬」「やけに小さい馬」の比率が例年より高いような気がするのだが(数字のウラは取っていない)、ミリッサは言うまでもなく小さいほうである。それでも指名したのは、ノーザンファームの小型馬はそれなりに走るからだ。

 分かりやすく比較するために、ノーザンファーム生産馬と社台ファーム生産馬を比較してみよう。生産馬=育成馬ではないが、かなりの割合で重なる。対象馬は、2歳戦に419キロ以下で出走した馬。期間は現2歳世代を含めて5世代、2〜6歳世代だ。

種別 着度数 勝率 複勝率 1走あたり賞金
ノーザンファーム 13- 16- 17- 66/112 11.6% 41.1% 165万円
社台ファーム 10- 18- 14-126/168 6.0% 25.0% 127万円

 ノーザンファームのほうが総合成績も良いのだから当然だろう、と思われるかもしれない。しかし総合成績では、勝率のノーザンファーム÷社台ファームは1.432、複勝率では1.340。それに対して上の比較では勝率で1.933、複勝率で1.644と乖離が大きい。1走あたり賞金の差は総合成績より小さいのだが、ここは重賞一発でブレやすい指標でもある。

 面白いことに、極端に大きいサイドでは以下のようになる。520キロ以上の出走馬を対象にすると……

種別 着度数 勝率 複勝率 1走あたり賞金
ノーザンファーム 19- 19- 21- 98/157 12.1% 37.6% 157万円
社台ファーム 10- 11- 7- 53/ 81 12.3% 34.6% 146万円

 両者の差はほとんど無くなるのである。これを意識して今年の社台ファーム勢ではデカいやつを指名しているのだが、そのうち1頭ヘルデンレーベンは山元にいて554キロ……ちょっとやりすぎたか。それでもまあ、百発百中とはいかなくても、戦略を考えるのがPOGの楽しみである。リアルの競走馬取引だと客観的指標はあまり参考にされない印象だが、私自身はセリも同様だと思っている。

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