【栗東】
◆グラニーズチップス(牝、父ハーツクライ、母ココシュニック、栗東・藤原英昭厩舎)
半兄に今年の天皇賞(秋)3着のステファノス(父ディープインパクト)がいる血統。9月16日にゲート試験に合格した後、一旦放牧に出されて、11月3日にノーザンFしがらきから栗東へ入厩。その後は順調に追い切りを消化。
11月30日のCWではエンジェルフェイスを追走して馬なりで先着。6F83.5秒は特に速い時計ではないが、3F38.2秒、1F12.3秒はなかなか優秀な数字。12月2日の坂路ではレースで騎乗予定のV.シュミノー騎手が跨って、その感触を確かめており、レースに向けての態勢が着々と整っている。ここにきて、藤原英昭調教師のコメントにも熱気を帯びてきており、デビュー戦からどんなパフォーマンスを見せてくるか楽しみ。12月11日(日)阪神芝1800mを予定。
◆ラプソディーア(牝、父ディープブリランテ、母ハルーワソング、栗東・友道康夫厩舎)
半兄に重賞を勝ったフレールジャックやマーティンボロ(ともに父ディープインパクト)、がおり、おばにはヴィルシーナ、ヴィブロスといったGIホースがおり、これらの馬はすべて友道康夫厩舎で管理されているという、厩舎ゆかりの血統。
「体型はコンパクトにまとまっていて、マイル前後でスピードを活かすようなタイプ」と友道康夫調教師。そのコメント通り、12月1日のCWでは小気味よい素軽い脚捌きで古馬との併せ馬に追走先着。時計は6F81.5〜5F67.0〜4F52.9〜3F38.9〜1F11.6秒と速く、騎乗していたC.ルメール騎手(レースも騎乗予定)も好感触を得ていた。デビュー予定は12月10日(土)阪神芝1400mを予定している。
◆アンタガシャチョウ(牡、父キングズベスト、母ペケジェイ、栗東・野中賢二厩舎)
先週の阪神ダート1800mに出馬投票して、唯一の除外に該当。これには野中賢二調教師も苦笑いだったが「中山に回ることも考えたけど、獣医師と相談しても1週延ばせば、もっと良くなってきそうということで」と12月10日(土)阪神ダート1800mに目標を切り替えた。本来、こういったケースになるとジョッキーが捕まらないことも多いが、ここは武豊騎手に依頼できたとのこと。
11月30日のCWでは先週のシクラメン賞3着のアンセムと併せ馬を行い、手応え劣勢で少し遅れたが、時計は6F83.4秒、1F12.1秒。数字と併せた相手のレース結果を考えれば、新馬として水準以上の動きを見せているといってよいだろう。1週延びた分、動きも良くなってくるだろうし、デビュー戦から期待したい。
◆ダノンキングダム(牡、父ステイゴールド、母ヴィヤダーナ、栗東・安田隆行厩舎)
半兄に芝で4勝を挙げており、今週のチャレンジCにも出走を予定しているダノンメジャー(父ダイワメジャー)がいる血統。そして、2014年セレクトセール当歳にて、5000万円で落札されている。
ゲート試験合格直後は坂路での追い切りが中心だったが、このところはCWでの追い切りも取り入れている。11月30日は500万下の馬を追走する内容。追われてからしっかりした伸びを見せて、きっちりと先着。ストライドが大きな走りをするので、予定されている12月11日(日)中京芝2000mという条件は最適。鞍上は北村友一騎手が予定されている。
【美浦】
◆アーザムブルー(牡、父ディープインパクト、母エレンウィルモット、美浦・戸田博文厩舎)
伯母に桜花賞などGIを3勝したファレノプシス、叔父にダービー馬のキズナがいる。10月9日に入厩し、21日にゲート試験をパス。じっくりと時間をかけ、徐々に調教のピッチを上げてきた。12月1日にはウッドチップコースでビシッと追われ、しっかりと負荷を掛けている。
「乗り込むに連れ、だいぶ反応が良くなってきた。ディープ産駒らしく、軽い走りをするタイプ」とのこと。12月10日、中山の芝1600mを戸崎圭太騎手で予定している。
◆セダブリランテス(牡、父ディープブリランテ、母シルクユニバーサル、美浦・手塚貴久厩舎)
ブライアンズタイム産駒の母は通算2勝。異父兄にステイヤーズS3着のモンドインテロがいる。一族からはビワハヤヒデ、ナリタブライアン、ファレノプシス、キズナといったGI馬が出ており、前記のアーザムブルーと同じ牝系だ。11月30日にはウッドチップコースで併せた古馬に先着と好気配の動きを見せている。
「現時点で530キロほどの大型馬。はじめのうちは手先が重そうなイメージもあったけど、速いところに行けば意外と動く。上に比べるとパワー型。芝でも走れそうだけど、今のところはダートのほうが良さそう」と手塚貴久調教師。12月10日、中山のダート1800mを内田博幸騎手で予定している。
◆ヒノアカツキ(牡、父アイルハヴアナザー、母ザラストドロップ、美浦・奥村武厩舎)
ヤマニンスキー産駒の母は通算3勝。一族からはトーセンジョウオー(エンプレス杯などダート重賞6勝)、クォークスター(セントライト記念)、ブレイブスマッシュ(サウジアラビアロイヤルC)、ブルーリッジリバー(桜花賞2着)などの活躍馬が出ている。
「500キロを超す大型馬でパワフルな体つき。じっくりと乗り込んできたけど、ひと追い毎に良くなっているし、1週前に跨がってもらったジョッキーの感触も悪くなかったですね。動きを見る限り、芝にも対応できるんじゃないかと思います」と奥村武調教師。12月10日、中山の芝1600mを田辺裕信騎手で予定している。
◆ファウンダー(牡、父ローエングリン、母アスクデピュティ、美浦・斎藤誠厩舎)
フレンチデピュティ産駒の母は通算5勝。紫苑S3着、白富士S3着などオープンでも好走した。異父兄に新潟2歳Sを勝ち、NHKマイルC3着のミュゼスルタンがいる。祖母のマルカコマチは京都牝馬特別の勝ち馬。その半兄にインターフラッグ(ステイヤーズS)がおり、良質な一族だ。当初は前開催の東京デビューを目指していたが、動きが物足りなかったために予定を延ばした。
「まだトモに力が付き切っていないような感じだったけど、だいぶ動けるようになってきました。ひと追い毎に良くなっているし、気性的には初戦から動けるタイプだと思います」と斎藤誠調教師。12月10日、中山の芝1600mを石橋脩騎手で予定している。