時計の速い10月の京都とはいえ、ラインクラフトの初戦1分21秒8(芝1400m)はめったに出ない快記録。それも上がり34.1秒でまとめての圧勝。早くもAランクの評価だった。
それを証明したのが、2戦目のファンタジーS。ライラプス以下、近年にないハイレベル(リヴァプールも1分21秒台の記録を持っていた)だったが、再び1分21秒6の圧勝。4馬身も差をつけ、最後も楽々と11.5秒。昨年のスイープトウショウ(同じエンドスウィープ産駒)の記録を1秒も上回っている。馬場差、さらにはレースの流れを考えると、1分21秒そこそこの中身を認めていいだろう。
ライラプスもモンローブロンドも、1600mに延びてこそのリヴァプールも差を詰めてくるだろうが、あの4馬身差はそうそう簡単に詰まるとは思えない。ラインクラフト自身もさらに充実を示している。もしここで、1分34秒台の記録を残せるようなら、たちまち来期の桜花賞候補だ。メジロドーベル、テイエムオーシャンが1分34秒6。馬場(天気)は微妙だが、その馬場差を考慮しながらレベルを計りたい。
ファンタジーS組以外にも好素材が揃っている。すでに牡馬相手に1分34秒5で乗り切っているショウナンパントルはもちろんだが、素晴らしい追い切りを見せたデアリングハート(父サンデーサイレンス)、さらにはここ2戦の勝ちっぷりが際立っているマイネデセールにも魅力が大きい。
とくにマイネデセールは使いつつドンドン良化し、早熟のスプリンターではない。馬体も大きくなっている。牝系はメイワキミコ、ハワイアンイメージの一族で、最近ではギャラントアローが出ている。好位のインにもぐり込めること必至の4番だけに、この馬はぜひ相手に入れたい。さらに内の2番エリモファイナル(内田博)も先がありそうだ。