▲“有馬照準”のシュヴァルグランと“最高のデキ”というサウンズオブアース
内枠有利と言われる有馬記念で、キタサンブラックが1枠1番を引き寄せた。ファン投票1位のスターホースがこのまま押し切り勝ちを収めるのだろうか。しかし、2016年総決算レースを初GI制覇で締めくくるべく虎視眈々と力を蓄えた馬たちがいる。冬が得意で「過去最高のデキ」というサウンズオブアース、天皇賞・春3着で手応えを掴みオーストラリア遠征をやめ有馬記念を目標に定めたシュヴァルグラン。2頭の陣営を直撃した。(取材・文:大恵陽子)
「過去最高のデキ」サウンズオブアース
“最強の重賞未勝利馬”
敬意を込めてそう評されるサウンズオブアース(牡5、藤岡健一厩舎)は、3歳時に500万下特別を勝利して以来、勝ち星からは2年8か月遠ざかっているもののGIで2着3回、GIIで2着4回と実力の高さを証明している。
昨年の有馬記念は勝ち馬ゴールドアクターのクビ差2着だった。
▲昨年の有馬記念、サウンズオブアースはゴールドアクターのクビ差2着(撮影:下野雄規)
藤岡健一調教師はこう話す。
「この時期は毎年状態がいいんです。春は1戦毎に硬いところが出てきてそのケアが大変で、ケア自体は今もやっていますが、この時期は硬いところも出ず明らかに動きがいいんです」 スタートの良さから好位につけられる強みもある。ミルコ・デムーロ騎手は
「GIはみんなライバル」とした上で、具体的に4頭を挙げた。
「キタサンブラック、デニムアンドルビー、シュヴァルグラン、ゴールドアクター」 このうち今年GI2勝キタサンブラックと昨年覇者ゴールドアクターは先頭〜中団前目でレースを進めるだろう。彼らを見ながらポジションを取りに行くことができる。
しかしなぜ、サウンズオブアースは善戦マン止まりなのだろうか。