サトノダイヤモンド断然有利としたい
4歳
キタサンブラック(父ブラックタイド)の充実度、成長力も素晴らしいが、3歳
サトノダイヤモンド(父ディープインパクト)の素質開花は、早くもキタサンブラックに追いつき、総合能力でも上回るように思える。
ともに菊花賞馬だが、世代レベルとかではなく、それぞれの三冠レースの中身(レースレベル)がかなり異なっていた。キタサンブラックの皐月賞3着は、1分58秒8(上がり35秒2)。同じく3着のサトノダイヤモンドは、1分58秒3(上がり34秒8)。
日本ダービーは、14着のキタサンが2分25秒5(上がり36秒8)に対し、翌年に2着のサトノは2分24秒0(上がり33秒4)である。
菊花賞は両レースともに同一に近い2000m通過は2分04秒4〜6だったが、上がり35秒0でしぶとく抜けたキタサンは、3分03秒9。一方、上がり34秒1でまくって抜けたサトノは、3分03秒3だった。
芝状態、レースの流れ、出走馬のレベル差もあるが、三冠すべての走破タイム、上がりともにサトノダイヤモンドが大きく上回っている。
そのあと、大きく成長してパワーアップし、今秋のジャパンCを快勝したキタサンブラックの記録は、2分25秒8であり、上がりは34秒7だが、この記録は自身の日本ダービーの走破タイムとほとんど同じであり、落鉄しながら日本ダービーを2分24秒0で乗り切ったサトノダイヤモンドの記録とあまりに差が大きいのである。短距離戦は、ビッグレースともなれば、時計差は0秒5前後なので、タイムはレベルの目安にならないが、中〜長距離戦では明確な秒単位のタイム差は、明瞭な能力差を示すことが珍しくない。
ルメール騎手は、有馬記念でここ10年ばかりの間に、ハーツクライで勝っただけでなく、2着も、4着もあり、難しいコースであることも、有力馬を射程内にとらえていないと好走できないことも、百も承知。おそらく2〜3番手で事実上の主導権を握るだろうキタサンブラックを、最初から射程内に入れて行きたいと、公言している。
基本の能力上位の可能性が高いうえ、人気の中心キタサンブラックを徹底マークしてレースを展開するサトノダイヤモンド断然有利としたい。
両雄並び立たずになる危険は、かなりある。キタサンブラックが勝って、サトノダイヤモンドが届かず2着はあるが、サトノダイヤモンドが抜け出して勝つと、キタサンブラックが粘って2着はないかもしれない。勝ち切れないだろうが、混戦・接戦向きの伏兵
アドマイヤデウスを2着、3着に入れておきたい。