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チャンピオンズC制覇 サウンドトゥルー中心は不動か!?/川崎記念

  • 2017年01月31日(火) 18時00分


川崎ゆかりの血筋が開花した2003年の川崎記念


 2月1日(水)川崎競馬場で行なわれる今年最初のJpnI競走『第66回川崎記念』。JBCクラシック、チャンピオンズC、東京大賞典と秋から続くダート中距離GI・JpnI戦線の一区切りとなるレース。過去10年なんと1番人気馬が9勝2着1回という本命サイドの決着。昨年はホッコータルマエが見事3連覇を飾り、国内最多のGI・JpnI10勝を達成しました。

 過去の勝ち馬にはカウンテスアップ、ロジータ、ホクトベガといった歴史に残る名馬たちが名を連ね、GIに格付けされた1998年以降もアブクマポーロ、レギュラーメンバー、アジュディミツオー、ヴァーミリアン、カネヒキリ、フリオーソ、スマートファルコン、ホッコータルマエらトップホースが君臨しているレースです。

 そんな中、今回は2003年の川崎記念で母仔制覇を果たしたカネツフルーヴをご紹介します。

 カネツフルーヴは1997年生まれ。父パラダイスクリーク、母は南関東の最強牝馬ロジータ。牝馬ながら東京ダービー、東京大賞典、川崎記念などを制したロジータの仔としてデビュー前から注目を集めていました。芝でデビューするも勝ちきれず、3戦目でダート戦を使い7馬身差の圧勝。芝のスプリングSで3着となり皐月賞に出走(13着)。その後は何度かの脚部不安による休養を繰り返しダート戦で本格化。2002年5歳で帝王賞を制し重賞初制覇。続くJBCクラシックは3着と好走したものの、ジャパンカップダート11着、東京大賞典9着と着外が続き、2003年1月の川崎記念を迎えます。

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▲2003年川崎記念で母仔制覇を果たしたカネツフルーヴ(写真は2002年のJCダート出走時、撮影:下野 雄規)


 1番人気は名古屋グランプリを制して参戦した武豊騎手騎乗のアッパレアッパレ。2番人気は前年のJBCクラシックで2着に好走した牝馬プリエミネンス。3番人気は前年の川崎記念の勝ち馬リージェントブラフ。カネツフルーヴは4番人気でした。

 レースは好スタートからカネツフルーヴが逃げる体勢。久しぶりに本来の自分の形を取ることができ、軽快にレースを引っ張ります。545kgの雄大な馬体から繰り出すスピードは迫力満点で、そのまま後続を振り切ってゴール! 1990年にこのレースを制した母ロジータとの母仔制覇を果たしました。

 この2年前、2001年の覇者レギュラーメンバーはロジータを母に持つシスターソノの産駒。ロジータ、レギュラーメンバー、カネツフルーヴとロジータ一族3度目の川崎記念勝利。川崎ゆかりの血筋が開花した一戦で、地方競馬ファンにとって心に残る川崎記念だったと言っていいでしょう。

安定したレースぶりのサウンドトゥルー


 さあ今年の川崎記念はどんなドラマが生まれるのか。今回も楽しみなメンバーが揃いました。

 中心となるのはサウンドトゥルー。昨年の川崎記念ではホッコータルマエにアタマ差まで迫って2着。その後なかなか勝ち切れないレースが続いていましたがチャンピオンズCで2015年の東京大賞典以来の勝利を挙げJRA最優秀ダートホースに選出されました。東京大賞典の連覇はなりませんでしたが(3着)、昨年はかしわ記念の5着を除けばすべて馬券圏内。安定したレースぶりで、今回も大崩れすることはないでしょう。

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▲昨年は惜しくも2着だったサウンドトゥルー(写真は2016年チャンピオンズC優勝時(C)netkeiba)


 ケイティブレイブは昨年3歳で兵庫チャンピオンシップ、白山大賞典、浦和記念とダートグレード競走3勝。明け4歳世代でもトップクラスの実力馬。全5勝を1800から2100mで挙げており、この距離は適条件。小回りコースもこなす印象で川崎とも相性が良さそう。昨年ダートグレード競走を勝ちまくった武豊騎手を背に、JpnIの舞台で世代交代なるか大注目です。

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▲武豊騎手を背にケイティブレイブによる世代交代なるか(写真は2016年浦和記念優勝時、撮影:武田明彦)


 ミツバは注目のニューフェイス。重賞初挑戦だった昨年10月のシリウスSは4着でしたが、その後ブラジルC、ベテルギウスSとオープン戦を2連勝。逃げても差しても競馬ができる自在性のある脚質は魅力。父カネヒキリは2009年の覇者。父仔制覇にも夢が広がります。

 バスタータイプは重賞初挑戦だった昨年3月のマーチSで2着。前走、休み明けのポルックスSはスタートで躓いて後方からの競馬となってしまい5着。叩き2戦目の上積みに期待。

 オールブラッシュは1000万下、1600万下と連勝中。去年は9戦して3勝、2着4回、3着1回、4着1回とすべて掲示板という堅実な走り。今回一気に相手強化ですが、おさえておいたほうがいいかもしれません。

 コスモカナディアンは1月5日の中山・招福S(1600万下)を勝ってオープン入り。今回が重賞初挑戦。JRA勢のミツバ、バスタータイプ、オールブラッシュ、コスモカナディアンの4頭は地方競馬初登場。新しい舞台でどんな走りを見せてくれるか楽しみです。

 地方勢ではハッピースプリント。東京ダービーを制した吉原寛人騎手とのコンビ再結成後今回が3戦目。浦和記念ではケイティブレイブの3着に健闘し、前走・東京大賞典は8着。「東京大賞典はハッピーには分の悪いヨーイドンの展開になってしまった。状態はすごく良くなっているので展開さえ向けば一矢報いることができそう」と吉原騎手。「勝ち負けを意識できるようなレースをしたい」と力強いコメントをしています。

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▲吉原騎手が力強いコメントを出しているハッピースプリント(写真は2016年東京大賞典出走時、撮影:高橋正和)


 JRA所属時代には2012年の兵庫ジュニアグランプリ、2013年のシリウスSを勝ち、昨年は大井記念、さらに年明けの報知オールスターCを制覇。順調に勝ち星を挙げているケイアイレオーネ。的場文男騎手とのコンビでどこまで上りつめるか、こちらも期待の1頭。

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▲的場文男騎手とのコンビで2017年報知オールスターCを制覇したケイアイレオーネ(撮影:高橋正和)


 ダート2100mのスタミナ比べ。コーナーを6回回るコースは適性も重要。サウンドトゥルーがGIホースの意地を見せるのか、ケイティブレイブによる世代交代があるのか。そこに地方競馬初登場のニューフェイスたち、さらにハッピースプリントとケイアイレオーネが加わってどんな戦いを見せてくれるのか。真冬の頂上決戦から目が離せません!

※次回の更新は2月6日(月)の18時。佐賀競馬場で行われる「佐賀記念」のコラムをお届けします!



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【ダートグレード競走とは】
中央競馬・地方競馬の交流を促進し、ダート適性のある実力馬の出走機会の拡大を図るため、全日本的な見地から体系づけられたダート交流重賞競走の総称。

埼玉県出身。フリーアナウンサー。競馬好きが高じてこの世界へ。2001年から15年間、グリーンチャンネルで「中央競馬全レース中継」のキャスターを務める。2016年度から「グリーンチャンネル地方競馬中継」のコメンテーターとして出演。さらに全国各地の競馬場のトークイベントに参加するなど、中央競馬・地方競馬の垣根を越えて活躍中。

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