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中山記念の前走GI組

  • 2017年02月21日(火) 12時00分


◆取捨にはものすごく単純な基準がひとつある

 今年の中山記念は昨年に続き豪華メンバーとなった。なにをもって豪華とするかという定義の問題はあるが、例えば「前走GI組の数」をその基準にしてもよいだろう。

 今年の登録馬における前走GI組は、海外帰りを含めてアンビシャス、ヌーヴォレコルト、ネオリアリズム、リアルスティール、ロゴタイプ、ヴィブロスと6頭いる。登録12頭の実に半分だ。

 以前はここに前走GI組が出ることはあまりなく、88年と03年の3頭でも多いほうだった。11年に4頭になり、14年と昨年に7頭という最大数を記録している。

 この前走GI組(海外GIを含む)、中山記念における取捨にはものすごく単純な基準がひとつある。1987年以降30年間を対象にしてもきれいにあてはまるデータだ。

 それは、単勝人気順別成績である。

人気順 着度数 勝率 複勝率 単回収率 複回収率
1番人気 [4-3-0-4] 36.4% 63.6% 83 82
2番人気 [2-0-2-3] 28.6% 57.1% 140 94
3番人気 [2-1-1-5] 22.2% 44.4% 177 81
4番人気 [1-3-1-1] 16.7% 83.3% 126 193
5番人気以下 [0-0-0-22] 0.0% 0.0% 0 0

 1〜4番人気のあいだでは人気順ごとの成績差が小さく、人気がないぶん4番人気馬の回収率が高くなっている。しかし5番人気になると、いきなり結界が張られたように馬券に絡めなくなっているのだ。

 単勝オッズに置き換えると、11.3倍で1着した95年のフジヤマケンザン(人気順では3番人気)がいちばん人気がなかったケース。単勝10倍以上で馬券に絡んだのは他に10.3倍で2着の11年キャプテントゥーレ(4番人気)だけ。10倍以上で[1-1-0-21]、12倍以上は[0-0-0-18]だ。

 今年は登録馬に前走GI組が6頭いるわけだから、最低でも2頭は5番人気以下になる。ツクバアズマオーが売れるようなら3頭が5番人気以下の可能性もあるし、4番人気でも単勝12倍以上になる可能性もある。

 悪い意味での該当馬をばっさり切るのは勇気が必要だが、今年の出走頭数で買い目を増やさないためには、そのくらい思い切ったほうがよいのかもしれない。

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1970年東京生まれ。競馬評論家、ギャンブル評論家。中学生時代にミスターシービーをきっかけとして競馬に興味を持ち、1990年・大学在学中に「競馬ダントツ読本」(宝島社)でライターとしてデビュー。以来、競馬やギャンブルに関する著述を各種媒体で行うほか、テレビ・ラジオ・イベントの構成・出演も手掛ける。競馬予想に期待値という概念を持ち込み回収率こそが大切という考え方を早くより提唱したほか、ペーバーオーナーゲーム(POG)の専門書をはじめて執筆・プロデュースし、ブームの先駆けとなった。

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