手駒が揃った武幸四郎の「最後の手綱さばき」に注目/トレセン発秘話
◆「いろいろ経験させてもらったし、悔いはない」
今月いっぱいで騎手を引退して調教師に転身する武幸四郎(38=栗東・フリー)。大勢の取材陣に取り囲まれた当人は「15歳で競馬学校に入ってもう40近くやもんね。騎手になって20年。幸せやった。いろいろ経験させてもらったし、悔いはない」と振り返った後、ラストウイークの騎乗について「阪神でデビューして、阪神で終えられる。たくさん乗せていただけるようなのでありがたいですね」と感謝の気持ちを伝えた。
スター騎手のラストウイークといえば、結構派手な活躍をするイメージがある。河内現調教師は新馬2勝を含む5勝。そして松永幹現調教師だ。ラストデーのGIII阪急杯を11番人気ブルーショットガンで制し、続く最終レースも勝利。JRA通算1400勝のメモリアル付きの最高のフィナーレとなった。
「あの時は自分でもビックリするぐらいの成績を挙げることができた。自分はいつも通りに乗っていただけ。最終レースを勝たせてくれた西園先生はじめ、周りの厩舎の方々が最後だからと、いい馬をたくさん揃えてくれた。全てはそのおかげ」とは松永幹調教師だ。
ジョッキー人生最後の週に、馬を託す関係者がそれに見合う馬を用意するのはある意味当然で、その仕上げも熱が入ったものになる。ラストウイークを迎える騎手が活躍をすることが多いのはある意味、必然とも言えようか。
今週、武幸を鞍上に予定している馬の複数の関係者から「幸四郎の最後だし、しっかり仕上げないとね」という声を聞いた。土曜阪神のGIIIアーリントンCのミラアイトーンを筆頭に、手駒が揃ったラストウイーク(計10頭前後に騎乗予定)で、どんな手綱さばきを見せるか注目だ。