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【勝負の2年目】菊沢一樹騎手(4)『師匠であり父でもある菊沢調教師の存在』

  • 2017年03月01日(水) 18時01分
菊沢調教師のことや、今年の目標、10年後の未来像を語っていただきます


菊沢騎手のインタビューも今回で最終回。師匠であり、父でもある菊沢調教師のことや、今年の目標、10年後の未来像を語っていただきます!
(取材・文/大薮喬介)


厳しく接してくれて、チャンスもいただいています

――これまでのレースで印象に残っている競馬はありますか?

菊沢 勉強させていただいた、という意味ではこの間引退したダイワレジェンドです。最後のレースとなったアレキサンドライトS(1月22日中山10R・3着)に騎乗させていただいたのですが、調教で馬場入りしても走ってくれなかったり、競馬でも馬が寄ってくると走るのを止めたりと難しい馬だったんです。でも、その時は牧場の方々や国枝先生、厩舎スタッフの方々がそこに気を遣いつつも、しっかりと馬を作ってきてくれての競馬だったんですね。馬が気分よく走っていることを感じましたし、能力がすごくある馬だったので、返し馬、ゲート裏、ゲートの中、ひとつひとつに気を使いながら競馬に乗れたので、僕にとってはすごく濃い一戦でした。

――いつも逃げていましたが、この時は番手からの競馬でしたよね。

菊沢 はい。4走前に初めて乗せていただいた時は、他馬を寄せない逃げる競馬で3着でした。アレキサンドライトSでは最初から番手で競馬をしようと思っていましたし、実際その通りに競馬ができて、直線でも一度は交わされたんですが、そこからまた脚を使ってくれたんです。もちろん理想は勝つことでしたが、“馬ってこういうふうによくなるんだ。競馬って奥が深いな”と驚きました。本当に貴重な経験をさせていただいて感謝しています。

――負けはしたけれども、中身の濃いレースだったんですね。逆に一番悔しかったレースはありますか?

菊沢 う〜ん、いっぱいありすぎて、1つには絞れないですね。走らない馬はいないと思っているので、どうにかして走るポイントがないかを攻め馬や返し馬の中で考えていますから。考え抜いた末に“こう乗ってみよう”と思っても、上手くいかなかったり、着順が上がらなかったりすることがほとんどですし、終わった後にこうしておけばよかったのかなと思うこともあるので、毎回悔しいですよね。

――師匠である菊沢調教師は、ジョッキーとして大先輩であり、実の父親でもあります。普段はどのようなアドバイスをしてくれるのですか?

菊沢 僕が乗ったレースはすべて見てくれていますし、現役だった頃の騎乗技術を教えてくださることもあります。レース前に僕が悩んでいると、いろいろとアドバイスしてくださいますので本当に心強いです。

――父親から師匠になった時にとまどいはなかったんですか?

菊沢 周りから甘えていると思われるのは嫌だったので、所属が決まった時に自分の中でしっかりと区別をしようと思っていました。だから、とまどうことはありませんでしたね。先生も厳しく接してくださいますし、チャンスもたくさんいただいています。その恩に報いるためにも今年はしっかりと結果を出したいですね。

――では最後に今年の目標と、10年後にどんな騎手になっていたいかを教えてください。

菊沢 昨年以上に勝ち星をあげたいというのはありますが、制裁点数も多かったので、今年は周りに迷惑をかけない競馬をしつつ、しっかりと結果を出していきたいと思います。今はまだ半分の笑顔しか出せていないので、10年後は結果にも自分にも満足している、満面の笑みができるジョッキーになっていたいですね。

(了)
キシュトーーク

満面の笑みができるジョッキーになっていたい

元祖「キシュトーーク」のレギュラー陣、国分恭介、国分優作、松山弘平、川須栄彦、高倉稜を中心に、栗東・美浦・地方からも幅広く、これからの競馬界を担うU25の若手ジョッキーたちが登場します!

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