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キンカメ馬場とディープ馬場の違い

  • 2017年03月17日(金) 19時00分


◆「強さの個性」は血を通じてつながっている

 キングカメハメハとディープインパクトは、同じタイムでダービーを勝ちましたが、上がりタイムもレースパターンも異なりました。

 ディープインパクトは上がりタイムが33.4秒。4コーナーの位置取りは10番手。

 一方キングカメハメハは4コーナーは3番手で上がりタイムは35.4秒。なお、2着のハーツクライは17番手から34.3秒の上がりを使いキンカメとは0.2秒差。ハーツクライはディープに近い個性ですね。

 いきなり10年以上も前の昔話を持ち出したのは、2頭の勝ち方の「強さの個性」は「今」も、血を通じてつながっているからです。

 キングカメハメハとディープインパクトは、どっちも日本の芝競馬で強い馬をたくさん出しますが、現役時代の走り同様、「産駒の強さの方向性」も異なります。

 キンカメは、父同様上がりが出る馬場で、速めにスピードを持続して押し切るレースや馬場を得意とする馬が多い種牡馬。これはミスプロのスピードの持続性に由来する個性。

 ディープは、父同様とにかく直線で誰よりも速い上がりを出せば勝てるレース、馬場を得意とする馬が多い種牡馬です。これはサンデーの個性。

 今の中京芝、そして中山芝は、どちらかといえば、キングカメハメハ、その系統であるキングマンボの方が走りやすい馬場。

 先週の金鯱賞はキングカメハメハ産駒の1、3着。勝ち馬のヤマカツエースはサンデーを持たない馬。「サンデーパワー」を借りずに重賞を勝ったのですから、キンカメパワー、その父系であるミスプロの持続力が存分に活きる馬場といえるでしょう。

 なお、同日に行われた同コースの7レースも2頭しか出ていなかった父キングマンボ系が2、3着。勝ち馬はサンデーを持たない馬。ノーサンデーパワーで勝った馬。母父はキングカメハメハと同じく、高速NHKマイルC勝ち馬を出したフレンチデピュティ。そう考えると高速マイルに強い血というのも大事かもしれませんね。

 今週も中京の芝は、キングマンボの血に注目。キングマンボと同じミスプロ系で芝のスピード持続力決着に強いミスプロ系のマキャベリアンやアンブライドルドの血も合いそう。

 今週末の中山芝はスプリングS、フラワーCとともに芝1800m重賞。中山芝1800mも今年は2回重賞が行われていますが、ともにキングカメハメハ産駒が5人気以下で連対。ディープ産駒は5人気以内に支持された4頭が全滅。

 と、今週に過去の事実を書くのはいかにも間が悪そうですが…日、月の重賞は、ディープ産駒以外の単勝を1回当てれれば、それだけでペイできるはず。

 スプリングSはキンカメ産駒自体も出ていないのですが、キンカメと同じく中距離持続力勝負に強い血を持つアウトライアーズ、プラチナヴォイス。

 フラワーCもキンカメ産駒の出走はなし。キングマンボ系はルーラーシップですが、どっちかというとトニービン馬場を好む種牡馬なので、父ノーザンダンサー系の方が今の持続寄り馬場には合ってそうです。

 ついでに阪神大賞典も、トニービンにマキャベリアンのシュヴァルグランの方がサトノダイヤモンドよりも適性は上ですが。

 正直、今週末の重賞は適性だけで負かせるディープなのか? といえるほどの1人気が揃っていますが、どの競馬場もディープよりもキングマンボの父系であるミスプロ系のスピードに張ってみたいところです。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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