GIII名古屋大賞典“謎の選定方法”余波 マーチSは波乱の予感/トレセン発秘話
◆一部の関係者からも「なんでや?」という声が上がった
一見、謎の選定方法だった。来週30日の交流GIII名古屋大賞典(名古屋競馬場=ダ1900メートル)にエントリーした中央馬の中で、重賞2勝で収得賞金7050万円のアスカノロマンが補欠の2番目になる一方で、まだオープン特別勝ちしかないドリームキラリが出走枠(5頭)に入った。重賞3勝馬インカンテーションなど補欠4頭の枠にすら入らなかったという。
普通の出走馬決定方法ならありえないこの選定。一部の関係者からも「なんでや?」という声が上がったが、よくよく考えれば、2015年から変更された交流GII、GIIIの出走馬決定方法が影響している。
それまで中央馬は1.通算収得賞金、2.過去1年の収得賞金、3.過去2年のGI収得賞金の合計の多い順に決められていたのだが、この年からイキのいい馬も出走させるため、中央枠4番目以降は過去1年の収得賞金及び過去2年のGI収得賞金だけで選ばれるようになった。この規定により、過去1年で平安S1着&アンタレスS2着の賞金しかなかったアスカノロマンより、条件戦3勝&オープン特別1勝のドリームキラリのほうが上に立ち、過去1年賞金の上積みがなかったインカンテーションは補欠にもならなかったというわけだ。
これら2頭にロンドンタウンなどを含めた名古屋大賞典に出走できなかった組が仕方なく矛先を向けてきたのが日曜中山メーンのGIIIマーチS。3場開催でジョッキーが少なく、後から出走を決めたとあって、各陣営は騎手の確保に苦労したそうだ。もともとがハンデ戦で混戦の上、アスカノロマン、ロンドンタウンなど実績上位馬が予定を変更してのスライド出走…何やら波乱の可能性がありそうである。(栗東の坂路野郎・高岡功)