≪2歳≫
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トーセンアンバー(牝 美浦・菊沢隆徳 父ディープインパクト、母ワルツオブキャット)
準OPまで出世したジョングルールの4分の3同血(父が同じで母同士が親子)。母ワルツオブキャットは中央未出走のまま登録を抹消し、ホッカイドウ競馬に移って6戦4勝の成績を残した。母の父Songandaprayerはサープラスシンガー(07年函館スプリントS-GIII・2着)を筆頭にスピード豊かな産駒を送り出した芝・ダート兼用タイプ。その父Unbridled's Songは父ディープインパクトと相性がよく、「ディープ×Unbridled's Song」の組み合わせから朝日杯フューチュリティS(GI)を勝ったダノンプラチナが出ている。全姉ノーブルワルツは未勝利に終わったが、馬のデキひとつだろう。1200〜1800mがベスト。仕上がりも早そうだ。
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トーセンスピネル(牝 美浦・奥平雅士 父トーセンホマレボシ、母カネトシコンサイス)
スターオービット(父ネオユニヴァース/現1勝)の半妹。母カネトシコンサイスは不出走馬だが、兄弟のアイアムルビー(準OP)、トーセンマイティ(準OP)、デヴァスタシオン(14年北海道2歳優駿-JpnIII・4着)はいずれもパワー型の短距離馬として出世している。2代母CativaはバーバラフリッチーH(米G2・ダ7f)など米20戦10勝。パワー型のアメリカ血統で構成されており、その特長をしっかり伝えている。本馬は「トーセンホマレボシ×Smarty Jones」という組み合わせ。父トーセンホマレボシは現3歳世代が初年度産駒で、いまのところ計10勝を挙げている。内訳は芝4勝、ダート6勝。意外にダートの成績がいい。芝・ダート兼用の中距離タイプだろう。
≪3歳≫
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アリストレジェンド(牡 栗東・安田隆行 父ヴィクトワールピサ、母パーソナルレジェンド)
母パーソナルレジェンドはターンバックジアラームH(米G3・ダ9f)、ステージドアベティH(米G3・ダ8.5f)の勝ち馬。繁殖牝馬としても成功し、初子のミラクルレジェンド(父フジキセキ)はエンプレス杯(JpnII)をはじめ多くの重賞を勝って牝馬ダート路線の女王として君臨した。2番子のローマンレジェンド(父スペシャルウィーク)は東京大賞典(GI)など4つの重賞を制覇。4番子のアーバンレジェンド(父アグネスタキオン)は準OP馬。ディープインパクトを交配してもダート馬が出るので、どんな種牡馬を付けたとしてもダート向きだろう。全姉プリマレジェンドはJRAで3戦未勝利のあと南関東の船橋競馬に移籍して2戦2勝。本馬は牡なので姉よりもパワー型に出ることが予想され、ダート中距離を主戦場にいいところがありそうだ。ヴィクトワールピサ産駒はいまのところ芝向きの傾向が出ており、ジュエラー、コウソクストレート、パールコード、アウトライアーズといった代表産駒はすべて芝馬。ただ、その父ネオユニヴァースよりもツナギが短く、パワフルで収縮力も強いので、ダート向きの大物も少しずつ出てくるはずだ。
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シュプレーム(牝 美浦・大竹正博 父トランセンド、母シャインリザルト)
父トランセンドは現役時代、ジャパンCダート(GI)を2連覇し、フェブラリーS(GI)も勝った砂の名馬。初年度産駒の現3歳世代はJRAで20頭がデビューし、じつに9頭が勝ち上がっている。繁殖牝馬の質は決して上質とはいえないだけに立派な成績だ。父はBushel-N-Peck≒サニースワップス3×3、Flower Bowl≒アイアンエイジ6×4が配合上の柱となっているが、本馬は母方にアイアンエイジの全兄Swapsを持つので後者のクロスを継続し、前者も強化する。また、Key to the Mint≒Hoist the Flag 5×5も力強い。ダート向きのマイラーだろう。
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タオヤメ(牝 美浦・矢野英一 父ルーラーシップ、母エンプレスティアラ)
ボルドネス(父ハーツクライ/現3勝)、レッドアーヴィング(父アドマイヤムーン/障害OP)の半妹。母エンプレスティアラは未勝利馬ながら、その全弟にゴールデンハインド(OP)、ロングロウ(OP)、全妹にステファノス(14年富士S-GIII)の母となったココシュニックがいる。2代母ゴールドティアラは「Seeking the Gold×Chief's Crown」というパワフルなスピード血統で、南部杯(GI)などダート重賞を5勝した名牝。父ルーラーシップは現時点で芝21勝、ダート11勝という成績だが、勝率、連対率、複勝率はいずれもダートが芝を上回っている。ダート路線に進めばおもしろいのではないか。