■大阪杯(G1・阪神芝2000m内)フルゲート16頭/登録15頭
【特注データ】〜レースデータより〜 大阪杯のレースデータで注目したいのが、距離短縮組が非常に強いということ。芝1800m以下からの距離延長組が[4-3-1-33]で連対率17.1%、複勝率19.5%であるのに対して、芝2200m以上からの距離短縮組は[6-5-9-25]で連対率24.4%、複勝率44.4%と、明らかに優勢である。その中心となるのは、当然ながら前走で有馬記念に出走していた馬。あとは京都記念組も、[1-2-2-5]と優秀な結果を残している。
そんな距離短縮組をさらに「ふるい」にかけるのが、枠番別成績だ。阪神芝2000m内は枠番の内外での成績差が非常に小さいコースなのだが、このデータを見るかぎり、距離短縮組に関しては内のほうがベター。具体的には、馬番1〜8番であればかなり期待できる。キタサンブラック、サトノクラウン、マカヒキ、ミッキーロケット、モンドインテロのうち、この条件を満たした馬を今回の「特注」扱いとしたい。
【コース総論】阪神芝2000m内 Bコース使用
・コースの要所!
★1着馬の75.0%が3番人気以内。狙ってオイシイのは7〜12番人気か。
★枠番による成績差はほとんどなし。ほんの少しだけ内が有利な印象。
★内回りだけあって先行勢優勢。4コーナー5番手以内の位置が欲しい。
正面スタンド前から発走して、いきなり急坂を上るタフなコース形態。スピードやパワーはもちろん、小回り向きの器用さも要求される。そんな総合力を問われるコースであるためか、勝ち馬のじつに75.0%が3番人気以内。4〜6番人気が2014年以降で1勝もしていないという、いささか極端な結果となっている。基本的には人気馬が強いが、7〜9番人気や10〜12番人気が2〜3着に食い込むケースも多く見られる。
枠番に関しては、ほぼフラットといっていいだろう。一応は内枠である馬番1〜4番がもっとも好内容だが、平均人気の高さを考えると当然といえば当然の結果だ。単純に内外で比較したデータにおいても、信頼度の差はほとんどなし。もし外枠を理由に人気を落とす馬がいれば、逆にそれは儲ける好機となるかもしれない。
脚質別成績は、明らかに先行勢優勢だ。4コーナー11番手以下から突き抜けた馬もいるが、トータル複勝率は9.3%に過ぎない。それに対して、4コーナー5番手以内馬は連対率20.0%、複勝率35.6%という高信頼度。最後の直線が短い内回りコースであるため、そうそう簡単に直線一気は決まらない。このコースで信頼できるのは、好位からの競馬ができる馬なのである。
【レース総論】大阪杯(G1) 過去10年
・レースの要所!
★10番人気以下の好走例なし。1番人気など人気馬が順当に強いレース。
★枠番はやはり気にする必要なし。ただし脚質は差し優勢へと大幅変化。
★5歳以下[9-7-5-36]と若い馬が圧倒的に強い。4歳馬の強さは特注モノ。
★好走馬のほとんどが前走中央G1〜G2か海外遠征。巻き返すのも難しい一戦。
レースの平均配当は単勝645円、馬連4704円、3連複3718円という「超」低水準。少頭数となることが多いとはいえ、3連複平均の低さにはさすがに驚かされた。当然ながら強いのは人気サイドで、1番人気はトータル[4-3-2-1]で連対率70.0%、複勝率90.0%と絶好調。勝ち馬はすべて6番人気以内、3着以内馬もすべて9番人気以内と、大きく紛れるケースは非常に少ない。荒れたのは、テイエムアンコールが勝った2010年くらいのものだ。
枠番はやはりフラット。その証明といえるのが、平均人気と平均着順がまったく乖離していない点だ。内外の比較だと、複勝率は内のほうが7.5%高いが、勝率や連対率は外のほうが上。平均人気の差を考えると、外のほうが優秀ともいえる内容である。「特注データ」絡みをのぞき、このレースで枠番を気にする必要はないと再確認できた。
コースデータと大きく異なるのが、脚質別成績である。中団〜後方からの差しがよく決まっており、上がり最速〜2位馬の成績も素晴らしいもの。道中のペースが厳しくなり、決め脚の重要性が一気に上がっているようだ。とくに脚質的に有利なタイプは見当たらず、能力と適性さえあればどんな位置からでも届く──という印象。確かにこのコースは、G1の舞台となるにふさわしい。
年齢別では、5歳以下の若い馬がハッキリと優勢。6歳以上馬は3着になら来るが、1〜2着にくるのはかなり厳しい。また、前走がG1〜G2か海外遠征であるのが、ここで好走するための必要条件。あとは、前走6着以下からの巻き返しがきかないのも、このレースの特徴といえる。実績馬が順当に強さを発揮する、きわめて紛れが発生しづらいレースといえそうだ。
【馬場&血統総論】・現在の馬場
A→Bコース替わり。前有利の馬場が発生する可能性があるので注意。
・天候予測
晴れたり曇ったりだが降雨はなさそうな雰囲気。良馬場前提でオッケイ。
・注目血統
とくになし
それなりに前が残り、それなりに差しも決まっていた、先週までの阪神芝コース。個人的には「チョイ前有利」くらいのイメージだった。しかし、今週からBコースにシフト。いきなり「ものすごく前有利」の馬場が発生するケースもなくはないので、警戒は怠れない。土曜日の結果次第だが、少なくとも差し優勢の馬場にはならないだろう。
血統面は先週に引き続き、プラス評価なし。正確に表現するならば「ほとんどの馬がプラス評価」である。信頼度が高いのはディープインパクト産駒だが、その他の種牡馬もなかなかに優秀であるのは、複勝回収率を見ても明らか。このコースがダメという種牡馬の産駒は、このレースに1頭も登録していないといえる。
★出走登録馬・総論×各論 今年からG1に格上げされた大阪杯。キタサンブラック、マカヒキ、サトノクラウンなど、かなりの好メンバーが顔を揃えた。昨年の覇者アンビシャスや、急激に力をつけてきたヤマカツエースなども侮れず、手に汗握る白熱した一戦が期待できそうである。
ただし、荒れそうな気配は微塵も感じられない。レースデータを分析しても、「フツーに実績馬が強い」という結論が繰り返し出てくる始末だ。生粋の穴党は、かなり厳しい戦いを余儀なくされそう。当データ分析の評価順も、順当きわまりない結果となった。
トップ評価は
キタサンブラック。極端な決め脚勝負になると分が悪いかもしれないが、マルターズアポジーが作るペースの番手で折り合い、ここもキッチリと結果を出してくれそう。阪神での好走実績があるのも大きく、またもや内枠に入ってくれれば、文句なしに「買い」である。外枠を引いた場合の評価が難しいが、それでも実績的に消せないというのが正直なところである。
二番手評価に
サトノクラウン。香港ヴァーズでは目のさめるような末脚を繰り出し、前走の京都記念では好位から抜け出す競馬で完勝と、完全に本格化した印象だ。引き続きM.デムーロ騎手が手綱を取るのも、G1の大舞台では大きなプラス。プロフィル的に割り引く点は見当たらず、こちらも外枠以外であれば大いに期待できるはずだ。
一発の期待は
ミッキーロケットに託したい。前走の京都記念では4着に敗れたが、あれは序盤で後手を踏んだのが痛かった。最速上がりでサトノクラウンから0秒3差にまで詰め寄ったのだから、かなり力をつけているのは間違いなし。サトノダイヤモンドと接戦を演じた阪神替わりで、この相手関係でどこまでやれるか楽しみな1頭である。
四番手評価に
アンビシャス。昨年の大阪杯でキタサンブラックを退けているのだから、やはり軽くは扱えない。前々で流れに乗る競馬もできるのは大きな強みで、それでいて末脚のキレは、ここではナンバーワン級。久々だった中山記念を叩かれて、上積みにも期待が持てそうだ。
以下は僅差でマカヒキ、ヤマカツエースと続く図式。1〜2番人気に推されそうなマカヒキだが、持ち味である「軽さ」を生かせるのは、阪神や中山よりは京都や東京であるはず。海外遠征明けだったとはいえ、前走内容が不甲斐なかったのも気にかかる。そして勢いに乗るヤマカツエースだが、こちらは阪神芝で好走実績がないのが割引材料。能力ではなく適性の面で、やや疑問符がつく。
もっとも、この6頭の評価差は現時点ではかなり小さく、上位拮抗の混戦であるのは間違いなし。枠順によって「特注データ」の対象となる馬が決まれば、真に狙うべき馬もハッキリすると思われる。このメンバーで波乱はないと決め打ち、少ない点数の3連単でビシッと獲りたいところである。
■総論×各論・先週の馬券回顧
中京11レース 高松宮記念(G1)
1着 06セイウンコウセイ
2着 03レッツゴードンキ
3着 07レッドファルクス
……先週よりさらに悪化した(#^ω^)ビキビキまあ、三番手評価だったセイウンコウセイが勝って、五番手だったレッツゴードンキが2着、六番手だったレッドファルクスが3着と、見立て自体はそう間違っていない。さらにいえば、外枠軽視のスタンスも正解。だというのに、馬券がかすりもしないというのは、これいかに(憤怒)。
※コース&血統データは2014年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。
【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!