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フレンチデピュティも孫の時代

  • 2017年05月05日(金) 19時00分


◆NHKマイルCはどんな血が強化されているかの方が重要なレース

 天皇賞春は、出走馬全部がサンデーサイレンスの血を持つ馬。そして、上位5頭で人気よりも走ったのはトニービンとミスプロの血を両方持つ馬。結局は人気上位で決まったので、馬券的には意味がないことですが…

 先週のコラムでも書きましたが、今年の天皇賞は人気上位馬も能力を出しやすい血統だったので、あの結果になりました。やはり、血統を効率的に馬券に活かすには「血統的に合わない人気馬」が出走していて「血統的に合う人気薄」が出ているレースを「選ぶ」ことが大事。そうした手順をTV番組の「競馬血統研究所」やいろいろなサイトなどで実践しているつもりです。(そんなにウマくいってませんけれど)

 基本的に重賞は、出走するまでに適性がわかっている馬が多いので、ボクのような手法の場合は「我慢」の方が大事。とはいえ、やっぱり好きで競馬やってますんで、目の前に名馬が出ていたら馬券を買うのは当然ですよね。

 さて、NHKマイルCもサンデーの血を持つ持たないよりも、他にどんな血が強化されているかの方が重要なレース。

 ここ数年のNHKマイルCはフレンチデピュティの「孫」の活躍が目立ちます。

 2013年のNHKマイルCは勝ち馬マイネルホウオウは母父がフレンチデピュティ。2着インパルスヒーローは父父がフレンチデピュティですから「フレンチデピュティの孫」が1、2着。2015年のNHKマイルCも勝ち馬のクラリティスカイが父父フレンチデピュティ。3着ミュゼスルタンは母父フレンチデピュティ。どちらもフレンチデピュティの孫。昨年12人気3着のレインボーラインも母父フレンチデピュティですからフレンチデピュティの孫。

 この数年のNHKマイルCでフレンチデピュティの孫が走るのは、10年近く前は「父フレンチデピュティ」に相性が良いレースだったから。

 2001年のNHKマイルCはクロフネが優勝。父はフレンチデピュテイ。さらに2着は13人気のグラスエイコウオー。父は同じくフレンチデピュティ。さらに、2007年のNHKマイルCは3連単973万の大万馬券。17人気単勝76倍で優勝したピンクカメオも父がフレンチデピュティ。

 今年の出走予定馬でフレンチデピュティを持つのは、アウトライアーズ、アエロリット、オールザゴー、ガンサリュート。

 アウトライアーズの姉はマレーナ。ダイワメジャー産駒ながら、500万条件以上での4連対はすべてダート1300m以下。兄のロネーヌクロスも父がマンハッタンカフェでしたが500万条件での連対はすべてダート1200m。母のウィストラムも連対は8回中7回が1400m以下。祖母のリュドゥパームは勝ち星がすべて芝1600m。リュドゥパームの子パームシャドウは芝マイルを連勝してNHKマイルCに4人気で出走(7着)

 今年の皐月賞はマイル指向の馬場と読んでいたので、皐月賞も合うと思ったのですが…結果的に、この馬はもう一段階適性が短い、スプリント指向のマイラーかもしれません。

 アエロリットの父クロフネは当レース勝ち馬で、産駒は牝馬に芝のG1馬が多い種馬。近親に当レース勝ち馬のミッキーアイル。牝系も父も当レースに実績ある血統。なお、ミッキーアイルの弟(タイセイスターリー)も出ています。

 オールザゴーは母も祖母もマイル以上の勝ち星がない馬。距離適性もさることながら、1400以下独特の消耗戦の流れを好む一族。33秒台の上がりを出す適性がどうか?

 ガンサリュートはスティルインラブの一族。父も母父も当レースの勝ち馬。おそらく人気はないでしょうが、血統的には買ってみたい馬。同馬はサンデーとフレンチデピュティの「ひ孫」です。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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