▲15年の桜花賞馬レッツゴードンキは、なぜトップ戦線に返り咲くことができたのか
歓声とどよめきに包まれた2年前の桜花賞。レッツゴードンキは30年ぶりとなる逃げ切りによる桜花賞制覇を遂げた。歴史的なスローペースに持ち込むと、直線でグイグイと後続を引き離しにかかり、4馬身差での完勝は様々な衝撃を残した。あれから1年10ヶ月、レッツゴードンキは勝ち星から遠ざかってしまった。ところが今年2月、京都牝馬Sで久しぶりの勝ち星を挙げた。「牝馬は立て直すのが難しい」と言われる中で、復活のかげには追い切りでのコース取りの工夫や、普段の調整方法を微妙に変化させるなど様々な工夫があった。ヴィクトリアマイルで再びのGI制覇に向けて梅田智之調教師を直撃した。(取材・文:大恵陽子)
デビューから+50kg、「男馬のスプリンターみたい」
昨夏、レッツゴードンキはトンネルから抜け出した。
函館スプリントSだったかキーンランドCだったか、差して3着に食い込んだ時、梅田師はオーナーと喜び合っていた。勝てなかった悔しさを口に出しながらも、清々しい笑顔だった。
ファンが馬券を買っている馬が2、3着に来て喜ぶ姿を見ることはあっても、関係者が2着以下で嬉しそうな表情を見せることはあまりない。それだけに非常に印象的な光景だった。
梅田師は当時の心境を振り返った。