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【四位洋文×藤岡佑介】第2回『ウオッカがいなければディープスカイでの勝利はなかった』

  • 2017年05月17日(水) 18時01分
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▲今週は、四位騎手のダービー勝利の舞台裏と騎手にとっての“ダービー”に迫ります


「ダービーは本当に大変だよ(苦笑)」、インタビュー中にそう漏らした四位洋文騎手。ダービーに騎乗すること過去15回。ウオッカ、ディープスカイで史上2人目の連覇という、人もうらやむ華やかな活躍の影で、人知れず抱えてきた“ダービー”の重み。乗った者だけが知る、勝った者だけが知る、特別な思いとは。(取材・構成:不破由妃子)


(前回のつづき)

「ダービーがほかのGIと一緒? そんなのは勝ってから言え」


佑介 僕が初めてダービーに騎乗したのは2007年のナムラマース(8着)で、その年に勝ったのがウオッカ。翌年のダービーは僕がフローテーション(8着)で、四位さんがディープスカイ。僕ね、2回とも真後ろの特等席で、四位さんのガッツポーズを見てるんですよ(笑)。

四位 そうか(笑)。そういえば近くにいたような気がするなぁ。

佑介 ウオッカも衝撃的でしたけど、個人的にはディープスカイで勝ったときのレースのほうが印象深くて。僕は出遅れて踏んでいったので、ちょっと掛かり気味に1コーナーに入る形になり、内心焦っていたんです。そこでパッと横を見たら、四位さんとディープスカイがものすごく折り合っていて。それこそ二人だけの世界というか、ゾーンに入っているように見えたんです。

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▲▼ダービーの大舞台で1番人気、武豊騎手に次ぐ史上2人目の連覇を飾った(撮影:下野雄規)


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四位 あのレースは、絶対に勝てると思っていたし、それ以上に勝たなアカンと思っていたから、周りの馬がどうとかではなく、ロスもアクシデントもなく、ディープスカイのリズムで回ってくることだけを考えていたからね。だから、ゲートを出していくとか、どこのポジションを取ってとか、そういう作業を必要としなかった。

佑介 なるほど。でも、僕からすると、縦長の展開ですっごく前と離れていたので、「四位さん、こんな後ろで大丈夫なのかな」って思ったんですよ。

四位 大丈夫だったでしょ(笑)。

佑介 ですね(笑)。4コーナーで僕の真後ろに四位さんがいて、僕の横をスーッと駆け抜けていきましたからね。あのディープスカイの脚にはシビれましたよ。だから僕、札幌で四位さんに「ディープスカイに乗せてください」ってお願いしたんですよね。どんな乗り心地なのか知りたくて。いざ乗ったら、「えっ?」っていうくらい普通の馬だったんですけど(苦笑)。

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JRAジョッキーの藤岡佑介がホスト役となり、騎手仲間や調教師、厩舎スタッフなど、ホースマンの本音に斬り込む対談企画。関係者からの人望も厚い藤岡佑介が、毎月ゲストの素顔や新たな一面をグイグイ引き出し、“ここでしか読めない”深い競馬トークを繰り広げます。

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1986年3月17日、滋賀県生まれ。父・健一はJRAの調教師、弟・康太もJRAジョッキーという競馬一家。2004年にデビュー。同期は川田将雅、吉田隼人、津村明秀ら。同年に35勝を挙げJRA賞最多勝利新人騎手を獲得。2005年、アズマサンダースで京都牝馬Sを勝利し重賞初制覇。2013年の長期フランス遠征で、海外初勝利をマーク。2018年には、ケイアイノーテックでNHKマイルCに勝利。GI初制覇を飾った。

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