各路線別に、少しずつ面白い馬が出てきました。明日のスターを予感させるものが、その中にはあります。これからやってくる春のG1レースに、どれだけの新顔が登場するか期待はふくらみます。
古馬では、東西の金杯の勝ち馬が、その次の重賞をものにしたことで、存在を大きくしました。クラフトワークは、春をどう戦うかも注目するところですが、本当に面白いのは秋に入ってからかもしれません。
昨年のゼンノロブロイの快進撃から連想できるものが、クラフトワークにありそうな気がします。この2頭は同期ですが、1年早く頂上を極めたゼンノロブロイを射程内に入れたクラフトワークと、そう呼んでもいい年初の勢いです。
クラフトワークの父ペンタイアの産駒には、共同通信杯のマイネルデュプレやエプソムC、新潟大賞典のマイネルアムンゼンがいます。2頭とも左回りの広いコースで重賞を勝っていて、器用さでは不満が残りました。
ところが、クラフトワークは、函館記念や中山金杯、AJC杯と小回りで結果を出していて、これまでとは違う素養を感じます。
古馬でもう一頭、京都金杯から東京新聞杯を勝ったハットトリックがいます。マイルは5戦5勝、安田記念の有力候補でしょう。あの脚質なら、東京のマイル戦の方が戦いやすい筈で、東京新聞杯では武豊騎手は、これまでで一番いい勝ち方だったと言っていたほどでした。
3歳戦では、ディープインパクトがどこまで白星を積み重ねていくかでしょう。誰しもが認めるその勝ち方。若駒S・2000mでは、大幅にタイムをつめ、しかも最後方から差し切って5馬身差、文句ない2戦2勝でした。次が評価を確定する試金石となります。中山の黒竹賞を勝ってダート2戦2勝のシンメイレグルスも成長力のある血統で、次でどうかが待たれる素質馬です。