◆売り手市場が続いていると感じるセリ市場
HBAトレーニングセールの、公開調教が終わった後、セリが終わる前という微妙なタイミングで今回の締切が来てしまった。売買前の馬について良い悪いの話は書かないほうがよいと思うので、まずは客観的指標としての時計の話。
一番時計は母トーコーユズキ(牡/父ハードスパン・506キロ)の22.08秒。母の初仔は400キロ強だったが、2番仔の本馬は堂々たる馬格。セリ順がかなり後のほうなので価格がどうなるかは分からないが、この馬は確実に人気になるだろう。
二番時計の22.10秒は母バンビーナココ(牡/父バンブーエール・478キロ)。半兄アルマシャールは勝てないながら入着回数はかなり記録している。その兄は芝の中距離を使われているが、本馬はダートの短距離タイプだろう。
僅差の22.18秒で3位が母フリードリームズ(牝/父ヘニーヒューズ・424キロ)。上には1勝馬が2頭いるだけだが、はじめての配合趣旨なので良い方に出れば面白い。父が既に結果を出しているという安心感もある。
終いだけ時計を出した形だが、ラスト1Fの最速10.68秒をマークしたのは母アマノブラウニイー(牝/父シニスターミニスター・452キロ)。こちらも実績ある父の産駒だ。
今回のセリ、事前の資料調べ中に感じたのは、売り手市場が続いていることだ。リザーブ価格も強気で、4800万円や2800万円という馬もいる。それらは極端な例としても、1000万円以上が16頭。2013年は6頭、14年3頭、15年8頭、16年10頭だから、馬産地もだいぶ景気が良くなってきた(もちろんすべてがリザーブ以上で売れるわけではないが)。
一方でPOG的には狙いづらい状況になりつつある。2歳〜3歳春競馬までの1走あたり賞金は現6歳世代の72万円から59万円→56万円→51万円と下がっている。シゲルコングのように地方側の重賞で活躍した馬もいるが、現3歳世代は期間内2勝馬が2頭だから、ホンモノのオーナーともども、相当ピンポイントに当たりを引くべく頑張らねばならない。ただ、種牡馬縛りや赤本ハンデのような特殊ルールの場合には、面白い馬がたくさんいるということになる。
今回中途半端なタイミングでコラムをアップすることになったので、後日、セリ終了後の須田注目馬をそっとここに加筆するかもしれない。