●
シャイニードラード(牡 美浦・栗田博憲 父ネオユニヴァース、母スプリングネヴァー)
半兄にダイタクリーヴァ(00年スプリングS-GIIなど重賞5勝/父フジキセキ)、ダイタクバートラム(03年阪神大賞典-GII、04年ステイヤーズS-GII、04年北九州記念-GIII/父ダンスインザダーク)、シャイニーナイト(10年毎日杯-GIII・4着/父フジキセキ)、シャイニーホーク(OP/父フジキセキ)がいる良血。母スプリングネヴァーは本馬を産んだときじつに23歳という超高齢だったが、ネヴァービート3×2という強度のクロスを持っており、これが安定した繁殖成績の鍵となっているのでまだまだ侮れない。本馬の父はネオユニヴァース。ヴィクトワールピサ、ロジユニヴァース、ネオリアリズム、サウンズオブアースなど多くの名馬を出している。芝向きの中距離タイプ。
●
トーセンクロノス(牡 美浦・小笠倫弘 父ヨハネスブルグ、母ジーントウショウ)
父ヨハネスブルグの現2歳世代は血統登録頭数が93頭。昨年、一昨年がともに15頭だったので大幅に増加している。ホウライアキコ、タガノブルグ、ネロなどを擁した初年度産駒(84頭)が好調だったのを受け、種付け頭数が急増した世代なので、初年度に次ぐ二度目のヨハネスブルグブームが到来する可能性がある。母ジーントウショウは未勝利馬だが、その半弟にトウショウドラフタ(16年ファルコンS-GIII)、レジェトウショウ(13年シルクロードS-GIII・5着)、トウショウギフト(準OP)がおり、3代母サマンサトウショウはエプソムC(GIII)の勝ち馬。トウショウ牧場が育てた上質なファミリーだ。ジーントウショウは Nureyev≒Number 3×3、Flower Bowl≒Your Host 5×5で、His Majesty、Bustino、チャイナロックなどを持っており、見た目以上に重厚な血統。したがって、軽快なスピードを武器とする父ヨハネスブルグを父に持ち、Mr.Prospector 4×4というスピード豊かなクロスで締めた本馬の配合は、理に適っており好感が持てる。2017年4月に行われたJRAブリーズアップセールで2ハロンの最速時計をマーク。夏のローカルから活躍できそうだ。
●
ヤマニンヌヌース(牝 栗東・浅見秀一 父ディープインパクト、母ヤマニンエマイユ)
母はフィリーズレビュー(GII)5着馬。母方にダンシングブレーヴが入るディープ産駒は成功しており、とくに「ディープ×ホワイトマズル」はスマートレイアー(重賞3勝)、ミッキーグローリー(4歳現役)などが出ている。「父ディープ、2代母の父トニービン」というパターンも桜花賞馬ハープスターを筆頭に成功しており、20頭中15頭が勝ち上がり芝連対率は38.8%と驚異的な成績。また、Danzigを経由したNorthern Dancerのクロスを持つパターンもいい。全兄ヤマニンペダラーダは現在未勝利ながら[0-2-2-1]という成績なのでいずれ勝ち上がる可能性が高い。高い素質を秘めていると思われる。
●
ルリジオン(牡 栗東・石坂正 父ロードカナロア、母フェイドレスシーン)
阪神4歳牝馬特別(現フィリーズレビュー)と京成杯3歳S(現京王杯2歳S)の勝ち馬シャダイダンサーにさかのぼる牝系ながら、近親にこれといった活躍馬は見当たらない。現役時代にダートで3勝を挙げた母フェイドレスシーンは「タニノギムレット×バブルガムフェロー」という地味な血統。ただ、ロードカナロアとの組み合わせは妙味が感じられる。Kingmambo≒ジェイドロバリー3×4というスピードタイプのクロスを持ち、その軽さを母の父タニノギムレットの重厚さがサポートしている。持続力やスタミナを武器とするRoberto系の使い方としては理想的と言えるだろう。Kingmambo≒ジェイドロバリーに、サンデーサイレンスとRobertoを加えたパターンは、メイショウマンボ(13年オークス-GI、13年秋華賞-GI、13年エリザベス女王杯-GI)、レッツゴードンキ(15年桜花賞-GI)と同じ。芝短距離でおもしろい存在となりそうだ。