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ゴールドシップの全弟ゴールドフラッグ

  • 2017年05月31日(水) 12時00分
コスモダリア(牝 美浦・二ノ宮敬宇 父ディープインパクト、母レインボーダリア)
 母レインボーダリアは5歳秋に道悪のエリザベス女王杯(GI)を差し切った。その父ブライアンズタイムは、初年度産駒のナリタブライアンが93年の朝日杯3歳S(GI)を勝ってから10年間で芝GIを21勝したが、次の10年間ではサンデー系の隆盛と馬場高速化の波に呑まれ、芝GIはわずか2勝しかできなかった。レインボーダリアはそのうちの1勝を挙げた。3代母ストロークトはBe Faithful≒Better Self 4×3、Bimelech 5×4・4とパワフルな血統構成。雨の影響でパワーを必要とする馬場となったことが大きかった。本馬はその初子。「ディープインパクト×ブライアンズタイム」はディーマジェスティ(16年皐月賞-GI)、ゼーヴィント(16年ラジオNIKKEI賞-GIII)、モンドインテロ(17年日経新春杯-GII・3着)などと同じ。芝中距離向きで道悪上手、という母と似たタイプになりそうだ。

ゴールドフラッグ(牡 栗東・須貝尚介 父ステイゴールド、母ポイントフラッグ)
 有馬記念などGIを6勝した名馬ゴールドシップ、準OPまで出世したトレジャーマップの全弟。「ステイゴールド×メジロマックイーン」の組み合わせは、その初期にドリームジャーニー、オルフェーヴル、ゴールドシップ、フェイトフルウォーといった重賞勝ち馬が立て続けに登場したものの、その後はこれといった大物は出ていない。本馬は上が走っているので期待できるだろう。母ポイントフラッグはチューリップ賞(GIII)で2着となった活躍馬。母方に入るThe Minstrelは、ドリームジャーニーとオルフェーヴルが抱えるノーザンテーストと同じく「Northern Dancer×Victoria Park」の組み合わせ。つまり、「ステイゴールド×メジロマックイーン」の組み合わせでGIを勝った3頭は、血統構成に共通点があった。血統的には申し分ないのであとは馬のデキだけ。

タレンティドガイ(牡 栗東・高野友和 父クロフネ、母ライジングサンデー)
 ファルコンS(GIII)を勝ったエーシンホワイティの半弟。母ライジングサンデーは芝で1勝を挙げた程度の競走馬だったが、2代母タレンティドガールはエリザベス女王杯(GI)を勝った名牝で、その半兄にニッポーテイオー(87年天皇賞・秋-GI、87年マイルCSなど重賞7勝)がいる。5代母ワールドハヤブサ(1967年生)以来、千代田牧場に根付いている名門牝系だ。ヴィクトリアマイル(GI)、府中牝馬S(GII)など5つの重賞を制したホエールキャプチャとは8分の7同血で、「クロフネ×サンデーサイレンス+チヨダマサコ牝系」という配合パターンは、他にベストクルーズ(09年ファンタジーS-GIII・2着、09年阪神JF-GI・3着)、シゲルスダチ(12年北九州記念-GIII・2着)、マーチャンテイマー(14年ブリーダーズGC-JpnIII・3着)、ドリームセーリング(13年中山金杯-GIII・4着)などが出ている。この配合はBlue Moon=Blue Grotto≒Banish Fearというクロスが生じるため注目でき、これが優れた能力を発揮している原因ではないかと考えられる。芝向きのマイラーとして大成が期待できる。

ミッキーマインド(牡 栗東・音無秀孝 父ディープインパクト、母マイグッドネス)
 ダノンレジェンド(父Macho Uno/16年JBCスプリント-JpnIなどダート短距離重賞9勝)、ダノングッド(父Elusive Quality/17年東京スプリント-JpnIII・4着)の半弟、ミッキーグッドネス(現1000万下)の全弟。「ディープインパクト×Storm Cat」はキズナ、アユサン、ラキシス、リアルスティールなどが出ているニックス。2代母Caressingは米2歳牝馬チャンピオンで、3代母Lovin TouchはYour Hostess=My Host 3×3という全きょうだいクロスを持っている。「ディープ×Storm Cat」で重要なのは、残りの部分にHyperion-Alibhaiのようなブリティッシュトラッドの王道を添えること。Lovin Touchが3×3で持つYour HostessとMy Hostの全きょうだいは、Alibhai産駒なのでこのパターンに当てはまる。姉ミッキーグッドネスを超えることを期待したい。芝向きのマイラー。

ロックディスタウン(牝 美浦・二ノ宮敬宇 父オルフェーヴル、母ストレイキャット)
 母ストレイキャットは未勝利馬だが、年度代表馬ゼンノロブロイの半姉にあたる良血で、繁殖牝馬としてはキャットコイン(父ステイゴールド/15年クイーンC-GIII)、タガノエリザベート(父スペシャルウィーク/09年ファンタジーS-GIII)、ワンブレスアウェイ(父ステイゴールド/現OP)、ナリタキングパワー(父ブライアンズタイム/準OP)などを出して成功している。本馬はキャットコイン、ワンブレスアウェイの4分の3妹。Mr.Prospector、Buckpasser、Secretariatなどスピード豊かなアメリカ血統が濃いのは好ましく、仕上がりが早く高確率で走ってきそうだ。距離は万能。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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