▲(左)国枝栄師&(右)畠山吉宏師が、今年のダービーを回顧
レイデオロが優勝し、名伯楽・藤沢和雄調教師が19頭目の挑戦にして、悲願とも言える日本ダービーのタイトルを手中に収めた。藤沢調教師を「藤さん」と呼ぶ間柄の美浦の国枝栄調教師と、スプリングSの勝ち馬ウインブライト(15着)を出走させていた畠山吉宏調教師に、それぞれの立場から日本ダービーを振り返ってもらった。(取材・文:佐々木祥恵)
国枝師『藤さんがダービーを獲るという意味は大きかった』
スローペースということもあって、今までにない特異なダービーでしたね。いつもはダービーの2つ前に行われる1000万特別の青嵐賞、ウチのケイブルグラム(2着)も出ていましたけど、2400mのこのレースがダービーの目安となるんですけどね。青嵐賞の勝ち時計が2分23秒8で、ダービーは2分26秒9と丸っきり違いますし、近年ちょっと考えられないような時計でした。
その中でも、スローペースを読み切ったルメール騎手は、度胸のある騎乗、ファインプレーだったと思います。通常だとあの位置から仕掛けてしまうと、だいたい結果は良くないものですけどね。それだけレイデオロがコントロールできる落ち着いた馬だったのでしょう。