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アメリカンツイスト(牡 美浦・中舘英二 父ストロングリターン、母エアウイングス)
半きょうだいにウイングレット(父タイキシャトル/05年中山牝馬S-GIII)、エオリアンハープ(父キングカメハメハ/12年中山牝馬S-GIII・3着)、エクスプロイト(父コマンダーインチーフ/06年目黒記念-GII・6着)などがいる。出走した10頭のきょうだいのうち8頭が勝ち上がっている。母エアウイングスは阪神牝馬特別(GII)の勝ち馬。その全兄には宝塚記念(GI)2着のサンデーブランチがいる。本馬の父ストロングリターンは安田記念(GI)と京王杯SC(GII)の勝ち馬で、今年の2歳世代が初年度産駒。サンデーサイレンスを含まない血統構成なので、本馬のように父サンデーサイレンスの繁殖牝馬と好相性を示すだろう。Nijinsky 4×4、母方にあるSecretariatも好ましい。本馬は母が21歳時の産駒だが、活力のある牝系に属しており、なおかつ配合的な完成度が高いので期待できる。芝向きのマイラーだろう。
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アーデルワイゼ(牝 栗東・池添学 父エイシンフラッシュ、母アーデルハイト)
母アーデルハイトは名牝ビワハイジ(95年阪神3歳牝馬S-GI)を母に持つ超良血馬。そのきょうだいには、アドマイヤオーラ(07年弥生賞-GIIなど重賞3勝)、ブエナビスタ(09年桜花賞-GI、08年阪神JF-GI)、アドマイヤジャパン(05年京成杯-GIII)、トーセンレーヴ(12年エプソムC-GIII)、ジョワドヴィーヴル(11年阪神JF-GI)、サングレアル(14年フローラS-GII)などの重賞勝ち馬がいる。アーデルハイトは脚もとが弱く、屈腱炎のため1戦未勝利で引退したが、良血を活かして繁殖牝馬としては上々の成績。これまでに産んだ2頭はいずれも勝ち上がり、2番子ロッテンマイヤーは忘れな草賞(OP)を勝った。本馬の父は新種牡馬エイシンフラッシュ。現役時代に日本ダービー(GI)と天皇賞・秋(GI)を制した一流馬だった。本馬は父母ともにドイツ血統を抱えている。そのあたりが吉と出ればおもしろい。完成は遅めかもしれないが芝中距離でいいところがありそうだ。
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イグレット(牝 栗東・松永幹夫 父Distorted Humor、母Heavenly Romance)
母ヘヴンリーロマンスは牝馬ながら天皇賞・秋(GI)を制したほか、札幌記念(GII)、阪神牝馬S(GII)を勝った名牝。日本で3頭の子を産み、その後渡米して繁殖生活を送っている。本馬はアメリカで誕生した。そのため血統表記がアルファベットとなっている。アメリカ生まれのアウォーディー(父ジャングルポケット)はJBCクラシック(Jpn1)などダート重賞5勝、アムールブリエ(父Smart Strike)はエンプレス杯(Jpn2)2連覇などダート重賞6勝、ラニ(父Tapit)はドバイへ遠征してUAEダービー(G2)を勝った。本馬の父はDistorted Humor。全姉キエレは未勝利馬だったが、父は2011年に北米リーディングサイアーとなった名種牡馬で、配合が合わないということもないので期待できるだろう。ダート向きの中距離馬。
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タニノフランケル(牡 栗東・角居勝彦 父Frankel、母Vodka)
日本ダービー(GI)、ジャパンC(GI)、天皇賞・秋(GI)など7つのG1を制した女傑ウオッカの4番子。ウオッカは引退後、日本で繁殖牝馬となることなくアイルランドへ渡り、Sea the Starsと種付けした。1〜3番子はいずれも同馬との間に誕生した産駒で、1、2番子は未勝利に終わったが、3番子のタニノアーバンシーは現在3勝を挙げており、さらに上のクラスをうかがう勢いだ。本馬の父はFrankel。英愛リーディングサイアーGalileoの最高傑作で、現役時代はイギリスのマイル路線を中心に走って14戦全勝。ワールドサラブレッドランキングでは史上最高の「140」というレーティングを獲得している。昨年から走り始めた初年度産駒は好調で、現時点で8頭がデビューして3頭が勝ち上がり、そのなかのソウルスターリングはオークス(GI)と阪神ジュベナイルフィリーズ(GI)を、ミスエルテはファンタジーS(GIII)を勝った。本馬は、相性のいいSadler's WellsとRivermanを併せ持ち、配合的には上々といえるレベルにある。芝向きの中距離馬。
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プリュス(牝 栗東・松永幹夫 父ヴィクトワールピサ、母サラフィナ)
母サラフィナは仏米で11戦6勝。仏オークス(G1)、サンクルー大賞(仏G1)、サンタラリ賞(仏G1)など5つのG1を制したほか、凱旋門賞(仏G1)では3着と健闘した。日本に輸入され、ディープインパクトと種付けをして誕生した初子ジェニアルは現時点で3戦未勝利。2番子の本馬はヴィクトワールピサを父に持つ。母方にSadler's WellsとDarshaanを併せ持つヴィクトワールピサ産駒といえばスワーヴアーサー(16年京都新聞杯-GII・7着)がいる。父はNever Bendと相性がいいので、母にBold Reason≒Never Bend 4×5を持つ本馬は配合的に評価できる。芝向きの中距離馬。