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兄弟ダービー制覇も夢ではないレイエンダ

  • 2017年06月21日(水) 12時00分
スーパーフェザー(牡 栗東・友道康夫 父ディープインパクト、母オーサムフェザー)
 セレクトセール1歳で落札価格2億6000万円(税抜)。母オーサムフェザーは米2歳牝馬女王で、ブリーダーズCジュヴェナイルフィリーズ(米G1・ダ8.5f)、ガゼルS(米G1・ダ9f)など11戦10勝の成績を残した名牝。ダート馬だったので血統的な硬さはあるが、息子の本馬はBlushing Groom、Mr.Prospector、Vaguely Nobleが入るパターンなので悪くない。芝向きの素軽さがあればおもしろい。

トーセンアルタイル(牡 栗東・佐々木晶三 父ハービンジャー、母ケアレスウィスパー)
 母ケアレスウィスパーは関東オークス(GII)2着馬で、追い込みを武器にダート1700m以上で良績を残した。セールスポイントはその良血。トーセンジョーダン(11年天皇賞・秋-GIなど重賞4勝)、ダークメッセージ(08年日経新春杯-GII・2着)、トーセンホマレボシ(12年京都新聞杯-GII、12年日本ダービー-GI・3着)を兄弟に持ち、近親にはカンパニー、バトルバニヤン、ニューベリー、レニングラード、スパイキュール、ヒストリカルなど活躍馬多数。本馬の全兄トーセンバジルは神戸新聞杯(GII)と阪神大賞典(GII)でそれぞれ3着となった実績がある。本当に良くなるのは古馬になってからだが、兄はPOG期間中でも重賞で入着するだけの能力を示した。本馬にはそれを超える活躍を期待したい。

フラットレー(牡 美浦・藤沢和雄 父ハーツクライ、母リッチダンサー)
 バウンスシャッセ(重賞3勝)、フロアクラフト(13年オークス-GI・5着)の3/4妹で、ホーカーテンペスト(12年ニュージーランドT-GII・6着)の半弟にあたる良血。母リッチダンサーは日本で産んだ5頭がすべて勝ち上がっており、確実性と大物感を兼ね備えた優れた繁殖牝馬。本馬の父ハーツクライは、リッチダンサーの2代父Diesis(とその全兄Kris)と相性が良好。ダービー卿チャレンジトロフィー(G3)を制したマジックタイムは、2代母フサイチカツラが「Sadler's Wells×Kris」という組み合わせだが、本馬の母リッチダンサーは血統表の2代目にDiesis(Kris の全弟)と Fairy King(Sadler's Wellsの全弟)を並べているので配合構成がよく似ている。母方にFairy Kingを持つハーツクライ産駒といえばアドマイヤラクティ(コーフィールドC、ダイヤモンドS)の名も挙がる。芝中距離で大きなところを狙える器だろう。

プリモシーン(牝 美浦・木村哲也 父ディープインパクト、母モシーン)
 シルクホースクラブで募集価格5500万円。母モシーンはオーストラリアンギニーズ(豪G1・芝1600m)、VRCオークス(豪G1・芝2500m)など4つのG1を含めて重賞を6勝した名牝。母の父Fastnet Rockは豪リーディングサイアーに2回輝いた名種牡馬で、メラグラーナ(オーシャンS)を出すなどデインヒル系のなかでは日本適性の高い種牡馬。母はNorthern Dancer 4・5×4で、Danzig、Nureyev、Nijinskyを経由している良形。2代母の父ストラヴィンスキーは「Nureyev×Blushing Groom×Mr.Prospector」で、ヴィルシーナの母ハルーワスウィート、ミッキークイーンの母ミュージカルウェイと配合構成がよく似ている。全姉キャリコは現在4戦して勝ち星を挙げていないが、配合レベルは高いと思われるので妹に期待してみたい。

レイエンダ(牡 美浦・藤沢和雄 父キングカメハメハ、母ラドラーダ)
 ダービー馬レイデオロの全弟。2代母レディブロンドはディープインパクトの半姉で、現役時代は6戦5勝、唯一敗れたスプリンターズS(GI)でも4着と健闘している。血の影響力は素晴らしく、子と孫6頭すべてが勝ち上がり、4頭がOPクラス、うち2頭が重賞勝ち馬となっている。脚部不安を抱えていたのが弱点だったが、本馬の母ラドラーダは、その父シンボリクリスエスの頑健さを受け継いだのか、レディブロンドの脚つきの悪さは見られない。「母の父シンボリクリスエス」は最近目立って活躍馬が増えており、現3歳世代だけでもレイデオロ、アドミラブル、クイーンマンボ、マイネルバールマン、ミスパンテール、ローズプリンスダムが出ている。確実性が高く、なおかつ抜群の能力を伝えるのがレディブロンド牝系なので、この馬も兄同様の活躍が期待できる。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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