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外枠に入れば信頼度は鉄板級!/アイビスSD

  • 2017年07月26日(水) 18時00分

■アイビスSD(G3・新潟芝1000m直)フルゲート18頭/登録18頭


【コース総論】新潟芝1000m直 Aコース使用

・コースの要所!

★勝ち馬の4割近くが1番人気。全体的に人気サイドが強い傾向にある。
★内枠不利&外枠有利。信頼度だけでなく回収率も「外>内」のコース。
★差せなくはないが先行勢がそのまま残りやすいコース。前重視が正解。





 夏の新潟開催がスタート。その最初を飾る重賞が、日本で唯一の芝1000m直線コースで行われる、アイビスSDである。まずは人気別だが、1番人気が[25-5-9-27]で勝率37.9%と、キッチリ勝ちきっているのが大きな特徴。1番人気を信頼するならば、連軸ではなく「1着軸」で狙うのが正解だ。

 また、紛れそうで意外に紛れないというのも、このコースの大きな特徴。ふたケタ人気馬が勝ったケースは集計期間内に一度しかなく、穴を狙う場合でも4〜6番人気や7〜9番人気あたりを狙ったほうが効率がいい。ふたケタ人気の超人気薄が来ないわけではないが、信頼度だけでなく回収率も低めなので、オススメはできない。

 次に枠番だが、よく知られているように「内枠不利&外枠有利」が、このコースの基本。開幕週なので、内枠や中枠でもとくに問題ない──という考え方もあるかもしれないが、それでも外有利の結果になるのが新潟芝1000m直である。内枠である馬番1〜6番と外枠である馬番13〜18番を比較すると、信頼度にはなんと2倍以上もの大差が。外枠というだけで人気になりやすい面はあるが、それでも外から狙うべきだろう。

 脚質は先行勢が優勢。コーナーがない直線コースとはいえ、ド平坦で距離が1000mしかないとなると、エンジンのかかりが遅い馬では間に合わない。後方から追い込んで勝った馬は、集計期間内わずか1勝。勝ち負けには最悪でも中団のポジションが必要で、できれば好位が欲しいところ。ダッシュ力の有無は、しっかり吟味すべきファクターといえる。

【レース総論】アイビスSD(G3) 過去10年

・レースの要所!

★6番人気以内[7-8-8-37]と人気サイド優勢。牝馬の強さも目立っている。
★外枠が圧倒的に好成績。逆に不振なのが中枠で枠番値は大幅マイナス。
★5歳以下馬と6歳以上馬で大きな成績差アリ。若くて勢いのある馬が優勢。
★牡馬も牝馬も斤量が重いとダメ。休養明け緒戦の馬も大幅な割引が必要。








 レースの平均配当は、単勝1297円、馬連5133円、3連複2万7576円と、高すぎず低すぎずという平均的なところ。1番人気は[5-1-0-4]と堅実な結果を残しており、半数が勝っているのは高く評価できる。6番人気以内馬がトータル[7-8-8-37]と23頭も馬券に絡んでいるように、全体的に人気サイドが優勢のレースである。

 目立っているのが、牝馬の強さである。「夏の牝馬」とはよく知られる競馬格言だが、トータル[7-2-5-49]で複勝率22.2%と、牡馬を圧倒。勝率の高さや単勝回収率の高さも素晴らしく、今年も期待大といえる。同様に勝率が圧倒的に高いのが関西馬で、過去10年の勝ち馬のうち9頭までが関西からの遠征組。ちなみに「関西馬の牝馬」に限ると、単勝回収率は300%以上にまで上昇する。

 そして注目の枠番別成績だが、開幕週であろうとも、圧倒的に外枠が有利。平均着順だけを見ても、いかに外枠が有利であるかがうかがえる。面白いのが、もっとも成績が悪いのが内枠ではなく「中枠」であるという点だ。平均人気が8.0ともっとも高いにもかかわらず、平均着順9.4で枠番値マイナス1.4という大不振。外枠は大幅プラス、中枠は大幅マイナス、内枠は評価据え置き──という調整が望ましい。

 脚質に関しても、コースデータ同様に先行勢が優勢。中団から差して好走した馬も多いが、信頼度の差はいかんともしがたい。とくに人気サイドに関しては、前に行けるダッシュ力がある馬を重視したほうがベター。開幕週の絶好馬場では、多少ペースが速い程度で先行勢は止まってくれない。重賞級ともなれば、なおさらだ。

 重視したいのが年齢別成績で、馬券に絡んだ30頭のうち、じつに23頭までが5歳以下馬。昨年のこのレースでは、5歳以下馬が2頭しか出走していなかったにもかかわらず、その2頭がワンツーを決めた。5歳以下馬が3着以内を独占したケースも多く、若くて勢いのある馬を重視すべきであるのは明白。ネロやプレイズエターナル、シンボリディスコといった6歳以上馬の過信は禁物といえる。

 斤量別では、牡馬なら56キロ組、牝馬では54キロ組が好成績。58キロ以上を背負う牡馬や56キロ以上の牝馬が全滅しているように、重い斤量を背負う実績馬はイマイチ。夏の重賞ということもあり、やはり「格」よりも「勢い」を重視したほうがいい。最後に出走間隔だが、中8週よりも長い間隔で出走する馬は信頼度が低め。中1〜8週で順調に使われてきた組を重視したほうが、好結果を呼び込めると思われる。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 開幕週のAコース。絶好の馬場で究極レベルのスピード能力が問われそう。

・天候予測
 週末まで好天が続く見込み。含水率の低いパンパンの良馬場となりそう。

・注目血統
 ヨハネスブルグ産駒◎、アドマイヤムーン産駒○、アルデバランII産駒▲

 開幕週で、しかも芝1000mの直線コース。馬場バイアス云々を考える必要はなさそうで、それだけでだいぶ気楽である。それに天候も、週末まで好天が続く見込み。ビッシリと生え揃った最高の馬場コンディションで、今年も究極レベルのスピード勝負となりそうだ。

 血統面での注目は、断然ヨハネスブルグ産駒。出走するネロ自身が素晴らしい成績を残している以外にも、レッドキャンティーやカカリア、フクノドリームなど、好走を連発している馬が非常に多い。また、サンデー系種牡馬の産駒が総じて低調であるのも、このコースの大きな特徴。ダイワメジャー産駒をもってしても1勝しかできていないというのが、適性が低いことの証明である。

★出走登録馬・総論×各論

 登録のあったナガラオリオンが回避の模様で、このままいけば17頭立てになりそうな今年のアイビスSD。枠番の影響が「きわめて」大きなレースであるのは前述した通りで、たとえトップ評価の馬であろうとも、もっとも不利な中枠を引いた場合には、評価を大幅に割り引く必要が出てくる。この点だけは、くれぐれもご了承いただきたい。

 現時点でのトップ評価は、人気の中心となりそうなフィドゥーシアである。前走で同コースの韋駄天Sを快勝しているように、コース適性の高さは文句なし。1番人気が強いレース&コースであるのも強調材料となる。さらに、54キロを背負う関西の5歳牝馬で、先行力があるのも大きな強み。プロフィル的には「満点」といっても過言ではなく、あとはどの枠番に入るか次第だ。

 二番手評価に、中穴人気となりそうなレジーナフォルテ。ハイレベルな現3歳世代の牝馬で、古馬との初対戦となった前走を快勝して、まさに勢いに乗っている。51キロの超軽量は大きな魅力で、アルデバランII産駒という血統面での強調材料も有しているという、いかにもここで走ってきそうな1頭。枠番次第では、かなり力を入れて買いたいプロフィルの持ち主といえる。

 三番手評価にレッドラウダ。新潟芝1000m直でコンスタントに好成績を残しているように、コース適性の高さは文句なし。後方からの競馬となった前走でも、よく差を詰めて3着まで来た。1000万下に使えるのに、あえて重賞のここにぶつけてきたというのが、陣営の自信の現れ。今年唯一の4歳馬であることなど、強調材料の多さも目立っている。

 四番手評価にアクティブミノル。G1でも上位に食い込んだ実績があるように、そのスピードはここでもまったく見劣りしない。前走から着用したブリンカーの効果は十分で、今回も最後まで集中して走れれば、勝ち負けになって何の不思議もない地力の持ち主。初の芝直線コースでどのような競馬を見せてくれるか、じつに楽しみである。

 以下は、ダンシングワンダー、プレイズエターナル、シンボリディスコ、オヒア、ネロという評価の序列。人気の一角に推されそうなネロだが、今回は6ヵ月の休養明け緒戦である点や年齢、斤量など、マイナス材料の多さが目立っている。血統や実績は魅力だが、それでも買いづらい面があるとみて、評価を大きく割り引いた。


■総論×各論・先週の馬券回顧




中京11レース 中京記念(G3)
1着 03ウインガニオン
2着 06グランシルク
3着 15ブラックムーン

馬連2640円的中!

安いけど久々に当たったぞと( ^ω^)

上位評価だった2頭から手広く流すも、相手にはキッチリ人気馬が。やっぱり例年に比べて馬場が荒れていないどころか、内が伸びるバイアスだったっぽいデスネ。名前を挙げた馬でキッチリ決まってるときに限って、3連単とかは買ってないんだよなあ……。的中するときも、やっぱり馬券下手である(痛感)。

※コース&血統データは2012年以降、レースデータは2007年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気-平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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