小倉の佐世保ステークス。栗東に転厩してきてからずっと追いかけているニシノラッシュがゴール前で凄い叩き合いを演じました。めっちゃ感動した!ラッシュが右前脚の故障という大きな壁を乗り越えた過程がフラッシュバックするから余計に感動が深まるのだと思います。
ニシノラッシュはもともと関東でデビューしてクロッカスSを勝ったり、京王杯2歳Sで3着にくるなど3歳春ごろは重賞を十分狙える位置にいました。でも、右前脚を痛めたこともあって休養へ。4歳になり、いろいろあって宮本厩舎に転厩してきましたけど、その時の様子は今でも脳裏に焼き付いています…。痛めた脚は明らかに腫れて太くなっているし、治療の跡が痛々しく残っているし。正直、“本当に大丈夫??”と思ってしまったほどでした。当時はこの壁は正直乗り越えるのは難しいかも、とさえ思ったほどです。
その後、脚は相変わらず腫れているけれど、ラッシュなりに小康状態を保ち、痛がらずに調教を積めるようになったり…はじめはプールが苦手でパニックになってしまいちゃんと泳げなかったのに、何度か繰り返しているうちに慣れて泳げるようになったり。そんな調子でマイペースで調教を重ねたのちに、転厩後4戦目で久々の勝利。実際のところ、故障の壁は乗り越えられない馬のほうが多いものです。だからこそ、あの勝利は格別に感動しました。
と、それだけでも十分だったのに、今度は久しぶりに準オープンで大接戦の2着を演じてくれたのですから。本当にラッシュはえらい!
「水曜はプールで調整しました。泳ぎ?あぁ、以前泳ぐのが苦手だったのがウソみたいに上手ですよ」と担当の長谷川助手。
もうプールの壁は完全に克服したようですね。
「小倉に行く直前、少し夏の暑さにバテていたけれど、よく頑張ってくれたね。幸騎手も手の内に入れたようですね」と宮本師。次走は北九州短距離Sとのこと。再度、同じ芝1200mで熱い電撃戦を繰り広げて欲しい。そして準オープンの壁を越え、さらに次はオープンの壁も乗り越えて欲しいものです。
今週、新潟・信濃川特別に出走予定のレントラーに注目しています。この馬もラッシュと同じ5歳ですね。デビューの頃から調教でもよく動くし乗り味もいい、とかなり期待されてきましたが、競馬で持っている力を出せずにいました。特に2勝目を武豊騎手で勝った後、かなり豊騎手からも期待されていたのに人気を背負うばかりで競馬ではサッパリで…。その後、ある意味ラッシュ以上の変化が。5歳の春、去勢してセン馬になりました。でも、これがよかったみたいで「調教も乗りやすくなって、ラクに時計が出るようになった」(中山助手)と扱いやすくなっているようです。操縦しやすくなっているのなら、案外あっさり1000万の壁を越えられるのではないでしょうか?期待してます。
最後に。
ニュースでも書きましたが2日、サトノダイヤモンドが栗東に帰ってきました。立ち振る舞いも相変わらず落ち着いているし、胸前もトモもガシッとしていてさすがです。12日に検疫厩舎に入り18日にトレセンを出発してしまうのでトレセンで姿を見る時間はわずか。凱旋門賞の壁、ダイヤモンドなら乗り越えてくれると信じてしっかりと見守りたいと思います。