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今週もクセが凄い条件

  • 2017年08月04日(金) 19時00分


◆今週の新潟直千も重賞の小倉記念も、クセが凄い!

 先週のアイビスSDは、1人気が2着。人気よりも走った1、3着馬は7、8枠。いわゆる「傾向」からは、今年もベタな決着に。

 競馬で要求される「能力の方向性」は一定ではありません。一般的に「能力、実績」上位と思われている馬は上位人気になりやすいのですが、馬券で大きく勝つには、一般的な能力が要求され難い「レースを選ぶ」ことも重要だ、と端的に示したレースのひとつでした。

 ちなみに前日の直千は、4枠のアースミステリーが単勝17.5倍で優勝しました。同馬は近走、他条件で5着以下。4枠でしたが、あえて推奨馬に上げました。父も母も直千で実績がある血統でダッシュが効く馬。このタイプは4枠でも走るからです。

 なお、競馬において「1人気」が走るのは日常。1人気が馬券になるレースは全体の70%近くを占めます。多くのレースは上位人気で決まるのですから、全レースを買うなら人気薄を買う方が期待値は低いです。

 ただし、繰り返しになりますが、上位人気が能力を発揮しづらい条件を安定して「選ぶ」ことができれば、高配当を買うことで大きく勝てます。

 実際、ホームページで公開している「選ばれたレース」(亀SPと呼ばれてます)は総流しをかけるだけでもプラス収支。これは、人気馬が今までに示した能力を発揮できず、逆に今まで能力を発揮していない人気薄が走りやすいレースと条件を選び続けているから。

 今週の新潟直千も、クセが凄い特殊条件だからこそ、クセが凄いメンバーになりました。

 日曜の驀進特別は、特殊条件を嫌って出走自体が少ないメンバー構成。土曜の新潟2レースは、出走馬16頭中9頭がミルファーム。2頭がスピードファーム。

 2013年以降、2歳戦の直千レースは、出走数、獲得賞金の20%近くをミルファームとスピードファームが占めます。これは社台グループが、要求される能力のクセが強い直千を嫌っていることも大きな影響を与えています。

 特に、スピードファームはその名の通り(?)直千競馬の適性が高い馬が多いので、注目の条件。

 さて、日曜メインの小倉記念もクセが凄いレース。このコラムを1年以上読んでくださる方は御存知の通り「グレイソヴリン系」とずっと書き続けているベタなレース。

 10年前に行われた2007年の小倉記念。父グレイソヴリン系は6人気のサンレイジャスパーと7人気のニホンピロキースの2頭のみ。その2頭が1、2着で馬連は41.1倍。

 さらに時代は進み、父グレイソヴリン系の馬は2010年以降は出走していません。すると、母父グレイソヴリン系が走る時代に!

 父グレイソヴリン系の出走しなかった2011年の小倉記念。母父グレイソヴリン系は15人気のキタサンアミーゴと8人気のリクエストソングの2頭のみ。レースは2頭が2、3着!ワイドは6050円。勝ち馬が4人気で3連単は87万馬券。

 2007年以降、母父グレイソヴリン系の馬は小倉記念に12頭出走。半数以上の7頭が馬券に。9年中6年で母父グレイソヴリン系が馬券に!

 もちろん、同じ血統が必ず走るわけではないのも競馬。小倉記念もグレイソヴリンを買っても、2007年以降の9年中3年はハズレているのですが、照れずにグレイソヴリン系関連馬を上げてみましょう。

 4カフジプリンスの父ハーツクライは母父がグレイソヴリン系のトニービン。5フェルメッツァと12クランモンタナは母父がトニービン。

 父トニービン系の後継種牡馬が少ないのは、JRAの競馬全体ではトニービン色が強い馬が有利なレースが少ないからですね。特殊条件、荒れる条件でこそ傾向が出るのだと、改めて実感するレースです。

 ところで、小倉の芝は、晴れ開催が続けば、例年の傾向通り前が残りやすくなります。先週ですら、全体のペースが遅いレースが続いていたので、先週以上に前残り連発になるかもしれません。

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血統馬券予想理論『血統ビーム』の提唱者で、『ブラッドバイアス』『大系統』『小系統』などの血統予想用語、概念の作者。血統ビームの革新性は20世紀末の競馬予想界に衝撃を与え、現在は競馬ファン、競馬評論家に多大な影響を与え続けている。また『競馬予想TV!』『競馬血統研究所』(ともにCS放送フジテレビONE)に出演するなど活躍中。Twitterはコチラ。
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