今回は加矢太くんに関する質問と、ご家族にまつわるエピソードを語ってくれました!
先週の木曜日(9月7日)、ついに50歳の誕生日を迎えた小牧騎手。かねてより「夢は50歳まで現役を続けること」と公言し、見事にその夢を実現させました。誕生日レポートは次回にお届けするとして、今回はユーザーからの質問&リクエストを。以前、紹介したご長男・加矢太くんのコメントに対する感想を求められた小牧騎手、父親としての率直な思いを語ってくれました。
(取材・文/不破由妃子)
子育てらしい子育てはしてこなかったけど…
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8月15日の『太論』で、乗馬クラブでの修行の日々を取り上げた際、ご長男の加矢太さんのコメントも掲載しましたが、それについてメッセージや質問がたくさん届きました。
小牧 ああ、あれはよかったね。周りのみんなからも、いい反応が返ってきてるわ。ええこと書いてあったしね。
──「息子さんのコメントに感動しました。あのコメントを読んで、父親としての率直な感想を教えてください」というリクエストも。
小牧 言葉より何より、一緒に併せ馬をしたり、加矢太が普段乗っている馬に僕が乗ったりして、仕事をしている姿を見せられたのは本当によかったなと思った。しかも、現役のうちにね。そりゃあ、お前より巧いわっていう自信もあるし、「すごいな」って思わせることができたのなら、父親として、それが一番よかったかなって。
──「尊敬しかない」とおっしゃっていましたね。
小牧 あのときばかりは真面目に働いたからねぇ(笑)。一生懸命、頑張ってよかったわ。これまで遊んでばっかりいる僕を見てきたはずやから、やるときはやるぞっていう姿を見せられたかなって。騎乗停止期間中とはいえ、いい機会やったね。トレーナーの子も感動しとったし、嫁さんも「いいこと書いてあった」って喜んでたわ。
──もうひとつ、加矢太さんにまつわる質問が。「加矢太くん、めちゃめちゃイケメンですね。珍しいお名前ですが、どういう意味が込められているのでしょうか?」
小牧 「太」っていう文字を入れたくて。あとはいろいろ画数とか調べたんですわ。あ、僕じゃないよ、嫁さんがね。最初は違う名前を僕が考えてたんやけど、「それはダメ」って却下されて(苦笑)。
──漢字にも深い意味があるのかなと思っていました。
小牧 嫁さんが一生懸命に調べて決めたんやと思うけど、どうなんやろ?なんせ子育てらしい子育てをしてないからね。遊びに連れて行ったりとかも、あんまりせんかったし。自分が遊んでたから(笑)。
──「父とこんなに長い時間いるのは初めてです」と、加矢太くんも言ってました。
小牧 赤ちゃんの頃、嫁さんに「10分だけ見てて」とか言われたけど、それすらできんかったもん。
──10分(笑)。
小牧 だって、子供って一度泣いたら泣きやまへんでしょ。だから、泣いたらどうしよう…って、そればっかり考えてた。オムツも替えへんかったし、怖くて風呂も入れられんかったからね。よく『太論』にも子育てについての質問がくるけど、ふたりとも、ある程度大きくなってから仲良くなったんですわ。ズルいやろ?
──ズルいです(笑)。
小牧 それだけ嫁さんが頑張ってくれたっていうことやね。
それだけ嫁さんが頑張ってくれたっていうことやね
──続いては、競馬にまつわる質問です。「近年、長手綱で乗るジョッキーがめっきり少なくなったように思いますが、そこにはどんな変化があったのでしょうか?」
小牧 昔は縦長のダラーッとしたレースが多かったけど、今はみんなタイトに回ってますやん。だからじゃないかな。あと、今の馬は、一度引っ掛かってグッと抑えても、最後まで持つ馬は持つからね。
──確かにそれは感じますね。引っ掛かっているように見えるけど、実は脚がたまっているという。
小牧 そうそう。それは調教によるところが大きいんちゃうかな。坂路とかでも、引っ張って乗っているから。調教が変わって、馬が変わって、レースも変わったということだと思う。
──小牧さんご自身の手綱の長さも、微妙に変わっていますか?
小牧 いや、僕はあんまり変わってないと思う。僕らが中央で乗り始めた頃から外国人ジョッキーも乗りにくるようになって、ちょうど競馬がタイトになり始めた頃やったし。それに、いろんな変化があったとしても、やっぱりそれ以前に自分のスタイルがあるからね。