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レイデオロを2、3着で狙うのがオイシイ!?/神戸新聞杯

  • 2017年09月20日(水) 18時00分

■神戸新聞杯(G2・阪神芝2400m外)フルゲート18頭/登録16頭


【コース総論】阪神芝2400m外 Bコース使用

・コースの要所!


★1番人気の強さは圧倒的。対照的にふたケタ人気の激走率は非常に低い。
★枠番による成績差は小さめだが、わずかに内枠が有利。回収率も高め。
★上がり最速〜2位馬が好成績。回収率が高いのも「中団からの差し」だ。





 スタンド前からの発走で、いきなり直線の急坂を上って1コーナーへ。高低差が大きいタフなコースだが、最後の直線が476.3mと長いので、瞬発力も高いレベルで要求されてくる。いわば総合力の高さを求められるコースで、展開の紛れで人気薄が勝ち負けに持ち込むのは、かなり難しいだろう。

 それをよく証明しているのが、人気別成績だ。1番人気はトータル[16-8-5-10]で複勝率74.4%、複勝回収率101%という「超」好成績。2番人気が3勝、3番人気が4勝であるのを考えると、いかに突出しているかがよくわかる。また、4〜6番人気や7〜9番人気もなかなかの強さで、狙う価値は十分あり。ただし、ふたケタ人気は大不振で、こちらはスパッと「消し」で勝負したほうがいい。

 次に枠番だが、内外での成績差は基本的に小さめ。厳密にいえば、内枠である馬番1〜6番が少しだけ有利で、外枠である馬番13〜18番が少し不利なのだが、これはマクロな視点から見た場合の話。1レース単位の予想で、枠番を気にする必要はそれほどなさそうだ。ただし、その週の馬場バイアスには、しっかり気を払っておきたい。

 脚質面では、上がりが最速〜2位だった馬の好成績が目立っている。トータル[10-11-9-9]で連対率53.8%、複勝率76.9%、複勝回収率390%と、期待値の高さは申し分なし。末脚のキレが大きな武器となるコースであるのは、間違いない。先行勢と差し馬の成績を比較しても大きな差はなく、ここは差し優勢との前提で馬券を組み立てるべき。中団やや前あたりが、ベストポジションだろう。

【レース総論】神戸新聞杯(G2) 過去10年

・レースの要所!

★勝ち馬は徹底的に堅く、ふたケタ人気は全滅。順当決着傾向が強い。
★外枠が好成績も過信は禁物。コースデータを信頼するほうがベター。
★最速上がり馬はオール馬券絡み。瞬発力の要求度が非常に高い一戦。
★騎手が継続騎乗する前走G1組が順当に強い。乗り替わりは大幅割引。








 菊花賞の最重要トライアルである神戸新聞杯。その平均配当は、単勝494円、馬連1903円、3連複6031円と、思わず「安ッ!」と声が出てしまうほどの低さである。それもそのはずで、過去10年の勝ち馬のうち9頭までが3番人気以内で、連対馬もすべてひとケタ人気。ふたケタ人気馬は[0-0-0-59]と全滅しているという、順当決着傾向が非常に強いレースなのである。

 ちなみに1番人気は2010年以降、7年連続で連対中。ダービー5着以内馬が1番人気に推された場合は、すべて勝ち負けになっている。つまり、今年1番人気に推されるであろうレイデオロは、この時点で勝ち負け濃厚。今年のダービーはかなり特殊な流れになったが、それでも何か強力な材料でもないかぎり、消すわけにはいかないだろう。2〜3着になるケースはあっても、飛ぶケースは考えづらい。

 次に枠番について。コースデータとは違って外枠である馬番13〜18番が好成績だが、外枠からこのレースを制した3頭は、ドリームジャーニー、ゴールドシップ、そしてサトノダイヤモンド。ご覧の通り、枠番が多少不利でも能力でカバーできてしまう、超G1級の馬ばかりだ。内枠である馬番1〜6番の枠番値が、プラス1.0と非常に高いのも、このデータを額面通り受け取れない理由のひとつ。コースデータを信頼したほうがいい。

 脚質面は、コースデータ以上に差し優勢。最速上がり馬は[5-4-2-0]とすべて馬券に絡んでおり、同2位馬も連対率63.6%、複勝率81.8%と信頼度バツグンだ。ただし、4コーナーを6番手以内で回った馬が7勝をあげているように、後方から追い込んで勝つのは難しいレース。4コーナー3番手以内馬も1勝しかしていないことから、やはり「中団やや前」あたりのポジションが理想的といえる。

 末脚のキレ味が重要であるのは、前走上がり3F順位別で集計したデータからも間違いなし。勝ち馬はすべて、前走での上がり3F順位が「5位以内」だった。今年の登録馬で前走での上がり3F順位が6位以下であるのは、アダムバローズ、ダンビュライト、ベストアプローチ、マイスタイル、メイショウテンシャ、メルヴィンカズマ、そして……レイデオロ。今年も傾向通りとなるならば、レイデオロが2〜3着に取りこぼすケースも十分ある。

 次にローテだが、ここはダービーや宝塚記念からの直行組が素直に強いレース。前走で掲示板に載っていたような馬ならば、信頼度はなおさら高い。ラジオNIKKEI賞からのローテや、古馬1600万〜1000万下で戦ってきた組も悪くはないが、前走G1組との比較では分が悪い印象。前走が500万下や未勝利だった馬は、いっさい通用していない。

 最後に騎乗パターン別での成績だが、鞍上の乗り替わりは大幅マイナス材料。継続騎乗の馬、それも前走G1組であれば、トータル[6-5-3-18]で連対率34.4%、複勝率43.8%と、信頼度は十分すぎるほど高い。5番人気以内に限れば連対率は50.0%にまで向上するので、ここは素直に信頼すべきだ。また、前走が中央G1以外だった馬も、継続騎乗組を狙ったほうがベターだ。

【馬場&血統総論】


・現在の馬場
 例年通りA→Bコース替わり。馬場バイアスの変化を警戒しておきたい。

・天候予測
 週末にかけて曇天が続くが降雨はなさそう。一応は良馬場前提で。

・注目血統
 ハーツクライ産駒◎、ディープインパクト産駒○、キングカメハメハ産駒▲

 今週からA→Bコース替わりとなる阪神の芝コース。けっこう差しが決まる馬場になってきた印象だったが、これがガラッと変わる可能性がある。過去の神戸新聞杯で先行勢が押し切るケースが多く見られるのも、Bコース替わりの影響が大のはず。ある程度は前のポジションを取れる馬を狙ったほうが、好結果を呼び込めるはずだ。

 瞬発力の要求レベルが高いコースらしく、血統面はリーディング級の種牡馬がそのまま上位評価となった。とくに優秀なのが、複勝率が36.0%と高く、複勝回収率も92%と優秀であるハーツクライの産駒。最上級のキレ味を備えるディープインパクト産駒やキングカメハメハ産駒も、コース適性はかなり高い。

★出走登録馬・総論×各論

 とにかく堅いのが特徴である、神戸新聞杯。いわゆる「夏の上がり馬」が通用していないわけではないが、ダービー上位馬など春の実績馬がキッチリ結果を残す傾向が非常に強い。今年のダービー馬レイデオロが順調な調整過程で出走してくる以上、ここが中心となるのは当然といえる。

 付け入る隙がないわけではない。先週のセントライト記念でも、皐月賞馬アルアインが2着に敗れているように、レイデオロが2〜3着に取りこぼすケースは十分に考えられるはずだ。前走での上がり3F順位が6位以下であることや、神戸新聞杯に出走してくること自体が少ない関東馬であること、今年のダービーが例年とはまったく違う流れであったことなど、ケチを付けようと思えばけっこう付けられる。

 というわけで、レイデオロは二番手評価。トップ評価は、netkeiba.comでの予想オッズでは現在3番人気となっているサトノアーサーである。ダービーでは最終的に最後方からの競馬となってしまい10着に大敗したが、上がり33秒4はアドミラブルに次ぐ第2位。早くからその素質を高く評価されてきた本馬に、初重賞制覇を期待する。阪神芝での実績も文句なしで、いかにも巻き返しがありそうだ。

 三番手評価にキセキ。毎日杯でアルアインから0秒2差の3着に食い込むなど、春の段階でも能力の高さを見せていた1頭である。白眉だったのが前走の信濃川特別で、後方から鬼脚でアッサリ差し切った内容は、驚異的といっても過言ではないほど。M.デムーロ騎手にグイグイと追われて、ここでも前走同様に強烈な末脚を見せてくれることだろう。

 四番手評価にマイスタイル。前走のダービーは展開的に有利だったとはいえ、横山典騎手らしい老獪な逃げで4着に好走している。先週の競馬でも「やる気のあるときのノリさんは本当に怖い」と、ファンに改めて知らしめたところ。展開や馬場の助けを得て、ここでも再びノリ・マジックが炸裂するかもしれない。

 データ的に期待できそうなのは、以上の4頭。もう1頭あげるならば、プロフィルや臨戦過程でプラス評価となった項目が多いカデナだ。あとはオッズ次第だが、個人的に買いたいのは「レイデオロの馬単2着付け」。あとは、レイデオロ以外の上位評価組を単勝で狙ってみるのも面白そうだ。


■総論×各論・先週の馬券回顧




阪神11レース ローズ(G2)
1着 14ラビットラン
2着 16カワキタエンカ
3着 06リスグラシュー

芝重賞のTapitなんぞ買えるかっ(#^ω^)ビキビキ

カワキタエンカの好走とリスグラシューの3着には何も驚かないが、ラビットランの末脚には正直ビビった。まるで、リオンディーズの朝日杯FS。3頭しかいない「前走最速上がり」の1頭で、初芝の前走で鬼脚を見せていたとはいえ……データでは買いづらいよなあ(吐息)。この超良血で芝もこなすんだから、将来の繁殖価値ゴイスーですよ。

※コース&レースデータは2007年以降、血統データは2012年以降が集計対象です。
※枠番値は、当該枠番における「平均人気−平均着順」を表すもの。プラスの数字が大きければ大きいほど、人気よりも上の着順に来ていることになります。

【予想】小林誠の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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競馬業界よろず請負人。1974年三重県生まれ。これまで裏方的な仕事に数多く関わってきたが、さすがに限界を感じて、最近は表舞台への進出を画策中。ライターとして『サラブレ』『UMAJIN』などに寄稿するほか、須田鷹雄監修の『POGの達人』には編集デスクとして参加。2005年に前半3ハロンタイムに特化した予想メソッドを発表し、それを用いた予想をnetkeibaにて公開している。コーヒー党、無類の猫好き。

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