単なる偶然かもしれない? エイシンフラッシュ産駒のある傾向(津田照之)
◆まだデータが少なく、簡単には結論付けできないが…
先々週の中央競馬を見ていて気付いたことがひとつ。それは今年の2歳馬が初年度となるエイシンフラッシュ産駒について。
皆さんもご存じの通り、先々週末は台風の影響で、中山、阪神とも馬場が悪化。一部、良馬場で行われたが、総じて「道悪」と呼ばれるコンディションだった。
中でも17日(日)の中山は一日中、雨が降り、先々週の中ではもっとも時計がかかる馬場。そんな状況下、3レースの2歳未勝利戦(芝1800m)はムーランナヴァンがスッとハナに立ち、そのまま逃げ切り勝ち。そして2着はバケットリスト、3着にはモンファロンが入った。実はこのレース、1着ムーランナヴァン、3着モンファロンともにエイシンフラッシュ産駒。馬場は稍重発表だったが、断続的に雨が降っていたため、馬場コンディションはかなり悪かったと推察できる。
続いて、翌18日(月)の阪神競馬も前日の夜に降った雨の影響を受けて、道悪での開催。5レースの新馬戦(芝1600m)時点では重から稍重まで回復はしたものの、力の要るコンディションには違いなかった。そしてレースはボウルズが1着で、2着がウスベニノキミ。エイシンフラッシュ産駒のワンツーフィニッシュだった。
振り返れば、6月25日、東京での新馬戦(芝1800m)も道悪(稍重)での競馬。そんな中、勝利したのは同産駒のスワーヴエドワードだった。
まだデータが少なく、簡単には結論付けできないが「エイシンフラッシュ産駒は道悪が得意」である可能性も。そして、これは単なる偶然かも知れないが、3つのレースとも稍重の芝でのレースだった。
ちなみにエイシンフラッシュ自身は現役時代、「稍重」の皐月賞で3着、同じく「稍重」だった春の天皇賞でも2着。実はその2レース以外、道悪では走っておらず、重、不良は一度も経験していない。単純に切れる馬だったから、「良馬場の方がいい」と勝手に思い込んでいたが、実は道悪は上手かったのかもしれない。血統を見れば、母系はドイツ系で、力の要る馬場はむしろ合っているはず。
現時点での見解を言えば、「稍重でのエイシンフラッシュ産駒は買い」で、「芝1800m戦ならなお良い」。そして「重、不良だと、まだ何とも言えない」といった感じか。
条件が当てはまった時はこっそりと馬券を買ってみたい。