▲リカビトス、ミリッサ、リスグラシュー…キャロットクラブが放つ“三本の矢”((c)netkeiba.com、リカビトス撮影:下野雄規)
例年にも増して混戦と目される今年の3歳牝馬戦線。そんな中で目立っているのが、緑・白二本輪・白袖に赤一本輪の勝負服。GI2着2回、秋華賞で悲願のGI制覇を狙うリスグラシュー。シンハライトなど、兄姉に3頭の重賞勝ち馬を持つ良血馬ミリッサ。そして3戦3勝と底知れない魅力を持つリカビトス。
キャロットクラブの有力馬3頭を送り込む矢作芳人調教師、石坂正調教師、そして奥村武調教師の3名に秋華賞に向けての意気込みや、クラブ所属馬に対する印象などを直撃した。
リスグラシュー矢作調教師
「天才が乗るんだから、全てお任せです」
阪神JF2着、桜花賞2着、オークス5着のリスグラシュー。デビューから一度も掲示板を外したことがなく、安定した成績から能力の高さが窺える。しかし、矢作芳人師のコメントにやや意表を突かれた。
「堅実な走りということは、悔しい思いばかりしています」
ホースマンとしての本音だった。
後方から末脚を伸ばし上位争いを演じるものの、昨年10月アルテミスS(GIII)から約1年、勝ち星から遠ざかっている。
▲堅実な走りをしているが、勝ち星からは遠ざかっているリスグラシュー(写真は2016年未勝利戦優勝時、(c)netkeiba.com)
最後の一冠・秋華賞の舞台となる京都の内回りコースはある程度前に行った馬が有利とされている。矢作師はどう捉えているのだろうか。
「内回りに変わってむしろいいんじゃないかと思います。ワンターンの1800mは京都でも阪神でもペースが上がらないんですが、内回りの2000mだとある程度のペースで流れるので、一瞬のキレで勝負するこの馬にとってはむしろいいと考えています」
もう一つ、気になるのは距離。新潟1600mでデビューし、GIではマイルで2戦続けて2着の一方、2400mのオークスでは5着だった。
「本質的な適性としては2000mかそれ以上だと考えています。デビュー戦は夏だったので北海道以外だと小倉か新潟かという選択肢の中で、レベル的にも高い新潟を選びました。ただ、距離はマイルは少し短いと思っていたんです。
本当は