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【キャリア最多勝利】和田竜二騎手(3)『甥の岩崎翼騎手“あいつはこれから要注目です”』

  • 2017年11月13日(月) 12時01分
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▲インタビュー最終回。40歳を迎えた和田騎手が、自身のことや競馬界の未来を語ります


“花の12期生”として1996年にデビューした和田騎手も今年で40歳。ジョッキーとしてまさに充実の時期を迎えています。それだけに、自分自身のことだけでなく、競馬界や社会全体への貢献にも力を注ぐ和田騎手。ファンの間でも知られているボランティア活動には、どんな思いが込められているのでしょうか。また、和田騎手の好調を支えているアイテムも発覚。「付け始めてから調子がよくて」という最高のお守りとはいったい!? (取材:東奈緒美)


(前回のつづき)

壊れたら自分で直して使っています


 和田さんも今年で40歳。ジョッキーとしてさまざまな経験を積まれて、技術面、精神面でも充実の時期かと思いますが、同時に競馬界を率先して盛り上げたり、ボランティア活動やサークル活動も熱心に行っていらっしゃいますよね。

和田 競馬をもっともっと盛り上げていきたいけど、いろいろ規制があるから難しいんだよね。日本の競馬会って本当にすごいからね。これだけの売り上げがあるのは、世界広しといえど日本くらいでしょう。そんな競馬会に対して、僕らは馬に寄り添う側やから。やっぱり考え方が違うし、それならそれで個人でできることをやればいいかなと。

 では、これからも和田さん個人としていろいろやっていこうと。

和田 その都度、やりたいことがあればね。ボランティアについては、子供が生まれなければ考えもつかへんことやったと思う。将来的には、恵まれない子供たちをもっと応援していきたいと思ってるけど、現役のうちは、そんなにガヤガヤしない程度にとは思ってます。

 一個人として、ライフワークにしたいと。

和田 そうですね。それができる立場ではあると思うので、その立場を生かしつつ。そりゃあね、みんな自分のことだけ考えて生きていったほうがいいと思うけど、現実的にそれでは足りないから。できる人間が何かをやらないと、世の中、回っていかないからね。

 そうですね。その点、和田さんは、求心力、経済力など持っていらっしゃるから。

和田 僕らはファンがいなければ生きていけへん。そうやって、いつも支えてもらっている人間としたら、やっぱり巡り巡って還元していきたいなと。自分の視野も広がるしね。僕らみたいな人間は、基本的には家族しか守れへんけど、でもそれだけじゃダメだなって。

 やはり、そこに思い至ったのは、お子さんの存在が大きいですか?

和田 そうやね。これ(手首に付けているアクセサリー)も娘が作ってくれたんですよ。これを付け始めてから調子がよくて。

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▲娘さんが作ってくれたブレスレット、肌身離さず付けているという


 素敵ですね! でも、けっこうすぐに切れちゃいません?

和田 そうそう。だからいつも、「もう切れそうやで!」って言うんやけど、「今忙しいから、ちょっと待っとって」って言われてしまって(苦笑)。仕方がないから、切れたら自分で直してるんやけど。

 和田さんが自分で直しているなんて、なんかちょっとかわいいですね(笑)。レースのときも付けているんですか?

和田 うん。もう3年くらい付けているから、外したら逆に気持ちが悪い。いまや付けていないほうが違和感があって、ソワソワしてしまう(笑)。

 最高のお守りですね。サークル内には甥っ子の岩崎翼ジョッキーがいますが、やはり特別な責任感みたいなものはありますか?

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▲初勝利のセレモニー時の岩崎翼騎手 (C)netkeiba.com


和田 いや、責任は感じないけど(笑)。あいつも今年で5年目を迎えて、その間にはちょっともったいない時期もあったけど、だいぶモノになってきたなと思って見ています。あいつはこれから要注目ですよ。

 先ほど娘さんのお話が出ましたが、双子の息子さんもいらっしゃいますよね。息子さんはジョッキーを目指していたり?

和田 乗馬はやってますけどね。それがけっこう巧くて、バランスがすごくいい。俺が子供の頃に比べると、5年くらい先にいってるんちゃうかな。早くから学べる環境があるといいよね。俺からすれば、贅沢すぎるけど。

 息子さんが順調に行けば、親子で同じレースに騎乗するのも夢ではないですね。

和田 息子がジョッキーになったら、さすがに辞めるわ(笑)。

 えっ!? そうなんですか?

和田 だって負かしてしまったら嫌やん。でも、絶対に負かしてしまうし(笑)。順調に行けば、俺が49歳のときにデビューとなるはずやから、現役を退くにはちょうどいい。一緒には乗らへん、絶対に。

 いやいや、和田さんの闘争心にさらに火がつくかもしれませんよ。

和田 つかへんて。むしろ枯れとるわ(笑)。だから、俺にとっては、それまでが勝負やねん。競馬はこれからますます面白くなっていくと思うしね。

 それは楽しみです! それにしても、和田さんの人気は変わりませんねぇ。福永さんがコラムで和田さんについて触れたとき(→コラムはこちらから)、アクセスが跳ね上がったそうですよ。

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▲「和田さんの人気は変わりませんねぇ」


和田 いやいやいや…。柴田大知が阪神にきたとき、すごい盛り上がっとったよ。大知は劇場型やからね。キャラ作りやがって(笑)

 ちょっとジェラシー感じたりして?

和田 別ジャンルで攻めてきたなって(笑)。でも、あいつもすごいよね。頑張ってる。

 12期生は面白いし、華やかですよね。

和田 いろんなキャラがいるから、学校時代もけっこうバラバラやったけど、逆にそれがいいのかもね。

 そんな“キャラ立ち”した12期生のみなさんに期待しております!

和田 はい(笑)。ジョッキーの勢力図も、これからゴロゴロ変わっていくと思う。それはね、今の段階でもう見えてますんで。俺のなかにも、このままじゃいかんぞっていう気持ちがありますからね。

(了)

東奈緒美 1983年1月2日生まれ、三重県出身。タレントとして関西圏を中心にテレビやCMで活躍中。グリーンチャンネル「トレセンリポート」のレギュラーリポーターを務めたことで、競馬に興味を抱き、また多くの競馬関係者との交流を深めている。

赤見千尋 1978年2月2日生まれ、群馬県出身。98年10月に公営高崎競馬の騎手としてデビュー。以来、高崎競馬廃止の05年1月まで騎乗を続けた。通算成績は2033戦91勝。引退後は、グリーンチャンネル「トレセンTIME」の美浦リポーターを担当したほか、KBS京都「競馬展望プラス」MC、秋田書店「プレイコミック」で連載した「優駿の門・ASUMI」の原作を手掛けるなど幅広く活躍。

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