◆デビュー率の高い厩舎に重きをおきたい
ついこの間2歳戦が始まったと思ったら、早いものでもう2歳GIがやってくる。
2歳GIそのものの分析は予想として行うので、今回はPOG戦略として2歳戦を振り返る話をしたい。
結果としてある馬が走るかは走らないかについては結果論的な側面もあるし、「走る馬」のサンプル数は少ないのでちょっとした動きでデータが動いてしまう。今回触れたいのは、「順調にデビューしているかどうか」だ。
強い弱いは別にして、厩舎ごとの「デビュー済み数÷在籍2歳馬数」は理論的にはほぼ同一になるはずである。しかし、実際にはそうはならない。いわゆる使いだしの早い・遅いはあるし、使って仕上げていくタイプの厩舎もあれば、慎重な厩舎もあるからだ。
別にこれは厩舎だけの責任というか特徴というわけではなく、外厩など関わるファクターすべてが背景にはあるわけだが、切り口としては厩舎別にするしかない。また、「入厩予定だが競走馬登録すら済んでいない」という馬を分母に入れるのが本来あるべき形だが、現実的には不可能なので籍のついた馬だけを対象にするしかない。この時期籍もついていない馬が未出走であることは、基本的に厩舎の責任ではないだろうという考えもある。
ここで掲載できる量は限られているので、サンプルとして11月28日時点のリーディングベスト10厩舎について試しに計算してみよう(抹消馬も数に含む)。
厩舎 在籍数 デビュー数 デビュー済率
池江 25 15 60.0%
藤原英 23 14 60.9%
角居 25 10 40.0%
国枝 24 16 66.7%
矢作 27 17 63.0%
堀 19 12 63.2%
友道 20 14 70.0%
音無 20 15 75.0%
中内田 22 13 59.1%
藤沢和 18 15 83.3%
遅いイメージの藤原英厩舎がデビュー自体はけっこうしていたり、藤沢和厩舎のデビュー率が高いことなどに気付く。藤沢和厩舎については籍のついている絶対数が少ないので、「早めに籍さえついていれば出てきそう」という戦略も成り立つ。
他に角居厩舎の未出走馬が少ないことなども目につくが、以上はあくまで今年だけ・現時点での話。例えば年末時点で締めてもっとたくさんの厩舎を対象とし、かつ過去の年度に対しても遡っていけば厩舎ごとの傾向が見えてくる。ドラフト時点ではどうしても個別の馬について当たりハズレを見極めたくなるが、デビュー率の高い厩舎に重きをおけば、自分の獲得ポイントが全体的に少しずつ底上げされるのではないかと思う。