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ダート頂上決戦にふさわしいメンバーが集結!チャンピオンズCの最終追い切りチェック!

  • 2017年11月29日(水) 18時00分


JRA最後のレースとなるコパノリッキーの状態は?


 先週のジャパンカップ。東京競馬場でビギナーズセミナー関連のお手伝いをさせていただきましたが、ビギナーのお目当ては「キタサンブラック」。本当にこの馬のおかげで今のJRA競馬は盛り上がっている、そんな雰囲気を肌で感じることができました。3着という結果に関して、調教捜査官としては「やっぱり」と「よくあそこまで走れた」の中間くらいですね。今後の有馬記念は引退レース。しっかりと仕上げて、悔いのない状態で結果を残してくれると思います。

 今週はチャンピオンズC。いつもの顔ぶれに連勝中の新顔も加わって、馬券的にも面白いレースとなりそうです。でも意外だったのは、ここがJRAでの最後のレースとなるコパノリッキーの人気。netkeiba.comの単勝オッズで20倍を超える二桁人気。過去3回の参戦で惨敗していることが影響していると思いますが、やっぱりファンはシビア。オッズだけを見ると、テイエムジンソクという新しいスターの誕生を期待しているのでしょうね。

【チャンピオンズC/コパノリッキー】

 前走は大井競馬場で初めてのダート1200m。個人的にはここで好走するだけのポテンシャルがあるとは思っていましたが、調教適性という意味では決して高い評価ができませんでした。それでいながら、見せ場十分の2着。やはりこの馬の性能、能力は半端ないと思います。

 前走後の調整も順調。最終追い切りは前半を軽めでいきましたが、4コーナーからの加速力はさすが。前走スプリント戦だからといって引っかかっていくようなところはなく、その分、道中でしっかり脚をためているといった感じ。時計の遅い最終追いでしたが、CWで4F52.7秒なら十分。今年なら差す競馬が嵌りそう、そんな印象です。

コパノリッキー(11月29日撮影)

今年なら差す競馬が嵌りそうなコパノリッキー(11月29日撮影)


【チャンピオンズC/アウォーディー】

 状態万全と思った前走が案外すぎる4着。これには「ああいう被せられるような展開になるとよくない」と松永幹夫調教師。状態以上にレースの流れと形がこの馬に向かなかったということかも知れません。

 その後の調整は順調。最終追い切りに武豊騎手が跨ったことは驚きましたが、これでどんな動きを見せてくれるか興味が湧いたのも事実。CWで最後は内から追い抜いていく形を選択しましたが、どうも左に馬がいると伸びあぐねるような印象。しかし、これについては「たぶん左回りだと大丈夫だと思う」と同師。武騎手もなにかしら確認すべきことがあったので、この追い切りに跨ったのでしょうし、このあたりはジョッキー任せ。状態に関しては何の問題もありません。

アウォーディー(写真奥・11月29日撮影)

状態に関しては何の問題もないアウォーディー(写真奥・11月29日撮影)


【チャンピオンズC/ケイティブレイブ】

 JRAでの競走は平安S5着以来、チャンピオンズCは初出走。ということで、なかなか過去の好走時調教と今回を比較するのは難しいかも知れません。しかし、この中間は追い切り本数を緩めることなく、しっかりとこなしているという事実は間違いありません。

 最終追い切りも追い切った時間帯を考慮すれば、決して悪くない数字。3F目12.6秒、4F目12.4秒は12秒台でありながら、最後まで加速しているラップ。1週前追い切りとほぼ同じようなラップですし、状態に関しては休み明けを叩いて上昇していた前走と同じような感じ。あとは中京ダート1800mに対する適性だけ。

【チャンピオンズC/ロンドンタウン】

 韓国遠征後も淡々とここまで調教を進めてきた、そんな印象の調教欄。実際、追い切りを見ていても単走が多かったので、派手さはあまりなく、順調なんだろうなという印象くらいでした。

 最終追い切りもCWで単走。正味5Fからの追い切りのような感じで、徐々にラップを速めていく感じ。時計は6F84.3〜5F66.8〜4F51.3〜3F38.2〜1F12.0秒。なにげにしっかりと速い時計をマークしていますが、走っている時はやっぱり派手さはありません。ここがこの馬の凄いところなのでしょう。時計の速い決着になる場所ならまだまだ連勝を伸ばしそうな気もしますが、中京ダートは過去とはいえ結果が出ていません。それがどうかでしょう。

ロンドンタウン(11月29日撮影)

ロンドンタウンは結果が出ていない中京ダートが鍵(11月29日撮影)


【チャンピオンズC/テイエムジンソク】

 私はあらかじめ最終追い切りの場所を陣営に確認するということはなく、いつものパターン、先週のパターン、厩舎のパターンを考慮して「たぶんこのくらいの時間にこの場所」と思いながら、追い切りを確認します。よって、この馬の場合は1回目のハロー終了後くらいのCWで追い切るだろうと思っていました。

 すると、なんと坂路で追い切りが終わっているとのこと。これには驚きを隠せません。なぜなら、この馬が坂路で最終追い切りを行うのは今回が初めてだから。このパターンを選択した理由について、予想原稿を書くまでに木原一良調教師に確認してみようとは思っていますが、いつもと違うパターンであることは間違いありません。正直、現時点でこの追い切りに対する評価を決めるわけにもいかないので、最終的な判断はウマい馬券に記しておきたいと思います。

テイエムジンソク(11月28日撮影)

初めて最終追い切りを坂路で行ったテイエムジンソク(11月28日撮影)


◆次走要注意

・11/25 カトレア賞【マイネルユキツバキ】(2人3着)

 東京ダート1600mは2回目ということもあって、ここは楽に勝ってくれるだろうという予想。実際、スムーズなレースなら勝てたと思いますが、しかし3着だった事実を受け止めなければいけません。最後の直線で内の狭いところを選択しなければ、結果は違っていたはず。もう一度、東京ダート1600mで標準多め併用ならオープンでも通用します。

[メモ登録用コメント] [東京ダート1600m]標準多め併用なら勝ち負け

◆今週の追い切り特報

・市川S【ヒーズインラブ】

 中山芝1600m巧者。そんなこともあって、この舞台を目標に調整してきましたが、最終追い切りの動きは申し分ありません。休み明けは追い切り本数がさほど多くなくても対応できる馬ですし、1600mならきっちり結果を残してほしいところ。

【予想】井内利彰の勝負予想は『ウマい馬券』でチェック!

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調教をスポーツ科学的に分析した適性理論「調教Gメン」を操る調教捜査官。著書に「調教Gメン-調教欄だけで荒稼ぎできる競馬必勝法」「調教師白井寿昭G1勝利の方程式」「100%激走する勝負調教、鉄板の仕上げ-馬の調子、厩舎の勝負気配は調教欄ですべてわかる」など。また「Beginners room」では競馬ビギナー向けに教鞭をふるう。 関連サイト:井内利彰ブログ

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