「大井のGI/JpnIのレースで勝負できるような馬に育てていきたい」
ネット競馬のニュースでも紹介されましたが、美浦の高橋裕厩舎時代に2014年全日本2歳優駿と北海道2歳優駿を制したディアドムスが、南関東に仲間入りをして3戦目で3年ぶりの重賞勝ちを収めました。
勝島王冠のゴールした時には、岡部騎手もガッツポーズ
8月上旬に大井競馬場の森下淳平厩舎に入厩し、東京記念(大井・2400m、6着)、埼玉新聞栄冠賞(浦和・1900m、2着)と、一戦ごとに上昇している姿を見せてくれていました。
トモが緩く背中が張りやすいところがあるそうなので、普段の背中のケアはもちろんのこと、調教はいいペースで攻めるよりも、後肢をじっくりと使わせるようにして、キャンターをしっかり踏ませるようなトレーニングを引き続き行ってきたそうです。
「活気も出てきているし、体のハリや毛づやも良化して大きく動けるようになってきました。中央よりも地方は砂が重くてペースも少し遅くなるので、この馬には合うかもしれません」とレース前に言っていた森下調教師。
勝島王冠(大井・1800m)は、前走のパフォーマンスと中央時代の実績からも1番人気に推されていました。騎乗したのは愛知の名手・岡部誠騎手。レースは中団外追走から徐々に進出していき、4コーナーでは単独先頭へ立つと、最後の直線では後続馬たちをグングン突き放し、これがJpnI馬の走りなんだと、地力の高さをまざまざと見せつました。
ディアドムスの鞍上は愛知の名手・岡部誠騎手、担当はハッピースプリントなどの佐藤幹厩務員
2着のタイムズアローに4馬身差の圧勝。栗東の松田博資厩舎だったタイムズアローは今年9歳になりました。来年10歳になっても南関東で走る権利はすでに得ていて、今も普段から怖いくらいに元気いっぱいとのこと。
さて、ディアドムスはレース後4日休んでからトレーニングを開始。
「レース後もガッツリ疲れている感じはなかったですね。調教に乗っていても走りの質が上がってきていたし、初戦であのくらい走れたので勝ってもおかしくないと思っていたのでびっくりすることはなかったです(苦笑)。普段から大人しい馬で、久しぶりの肩掛けをした口取りでも落ち着いていました」(佐藤幹厩務員)
3年ぶりに肩掛けをした口取り、ディアドムスの右隣にいるのが森下淳平調教師
次走は1月3日に行われる報知オールスターカップ(川崎・2100m)を予定しているそうです。
「中央では2歳チャンピオンになったので、今度はこっちの古馬のチャンピオンホースになれるように。力を蓄えていって、大井のGI/JpnIのレースで勝負できるような馬に育てていきたいです。来年はもっと良くなりそうですし、まだ奥がある馬だと思っています」(森下調教師)
レース後も元気そうで何よりですね。カイバは何でも食べるタイプだそうで、早食いとか!?
最近の南関東競馬は、というか、地方競馬全体に言えることでしょうが、中央からの移籍馬の数が非常に多く、特に古馬重賞で言えば、地方生え抜き馬よりもリスタート組の方が多い現状。
「生え抜き馬を育てていくことももちろんですが、場所が変わった移籍馬たちが輝ける舞台を作っていくことも大切だと思っています。こちらの競馬でまた能力を発揮させられるように、オーナーやファンの皆さんから喜んで頂けるよう、自分たちの技術をもっと身につけてスタッフ一同頑張っていきたいです」
次回のリスタートは12月25日にお会いしましょう!