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パララサルーの全弟かつタンタアレグリアの3/4弟タンタフエルサ

  • 2017年12月20日(水) 12時00分
●ウォーターナイト(牡 栗東・岡田稲男 父マンハッタンカフェ、母ウォーターエナン)

 母ウォーターエナンは芝・ダート兼用のスプリンターで、3勝を挙げて1000万条件まで出世した。繁殖成績も優秀で、ウォータールルド(父ウォーターリーグ/OP)、ウォーターショパン(父ハーツクライ/準OP)、ウォータービルド(父ディープインパクト/現4戦2勝)などが出ている。本馬の父はマンハッタンカフェなのでウォーターイーグル(2勝)の全弟にあたる。母方にMr.Prospector、Seattle Slew、Tom Rolfeを併せ持つ配合はデアレガーロ(現OP)と同じ。本馬の2代母Scrapeはダート向きの名種牡馬フォーティナイナーの全妹なので、全兄と同様に活躍の場はダートとなりそうだ。

●コーズウェイベイ(牝 美浦・岩戸孝樹 父ハードスパン、母コージーベイ)

 父ハードスパンは全日本2歳優駿(GI)を勝ったサマリーズの父で、日本で供用されたのはわずか1年。本国アメリカでの成績が予想以上に優秀だったため、すぐ呼び戻されて帰ってしまった。日本で供用されて誕生した子たちも走っており、2戦2勝のあと全日本2歳優駿(JpnI)で4着となったダークリパルサーを筆頭に10頭が勝ち上がっている。今年の新種牡馬のなかでダート向きという共通点があるヘニーヒューズはすでにJRAで20頭が勝ち上がっているが、出走頭数はヘニーヒューズが79頭に対し、ハードスパンが36頭と半分以下。アベレージはほぼ互角だ。本馬の半姉ハーロンベイ(父Elusive Quality)はダート短距離で活躍し、橿原S(準OP)など4勝を挙げた活躍馬だった。母方に入る血は、Storm Cat、Deputy Minister、Buckpasser、Alleged、Blushing Groomと質が高い。本馬はダート向きのマイラーだろう。

●ダノンパーフェクト(牡 栗東・矢作芳人 父ディープインパクト、母スパークルジュエル)

 クリーンエコロジー(父キングカメハメハ/10年デイリー杯2歳S-GII・4着)の半弟。全兄スパークルメノウは1勝馬。母の父Unbridled's SongはFappiano系で、現役時代にブリーダーズCジュヴェナイル(米G1)、フロリダダービー(米G1)と2つのG1を勝った。母の父としてトーホウアマポーラ(14年CBC賞-GIII)とトーホウジャッカル(14年菊花賞-GI)の兄妹、ダノンプラチナ(14年朝日杯FS-GI)、エーシントップ(13年ニュージーランドトロフィー-GIIなど重賞3勝)を出しており優秀な資質を伝えている。本馬は父がディープインパクトなので、2歳牡馬チャンピオンのダノンプラチナと同じ組み合わせ。芝向きの中距離タイプ。

●タンタフエルサ(牡 美浦・国枝栄 父ディープインパクト、母タンタスエルテ)

 パララサルー(12年紫苑S-OP、12年アネモネS-OP)とタンタグローリア(現6戦2勝)の全弟、タンタアレグリア(父ゼンノロブロイ/17年アメリカJCC-GII)の4分の3弟にあたる良血。母タンタスエルテは現役時代、南米チリのアルトゥーロリヨンペニャ賞(G1・芝1600m)など4つの芝重賞を勝った活躍馬で、「Stuka×Stagecraft」の組み合わせは、タンタスエルテのほかに09年のチリ年度代表馬Last Impactや、その全弟でチリダービー馬Amor de Pobreなど7頭のG1馬を生み出しているニックス。母方にCaerleonが入るディープインパクト産駒にはダノンシャーク、ジョワドヴィーヴル、サトノラーゼン、カミノタサハラ、トーセンレーヴ、ボレアス、キャンディバローズなどの重賞勝ち馬が出ている。全姉パララサルーはこれからというときに両前肢に腱鞘炎を発症し、高い能力に恵まれながら重賞を勝てないまま引退した。本馬には姉の分の活躍も期待したい。芝向きの中距離タイプ。

●ユーリトミクス(牝 美浦・加藤征弘 父キングカメハメハ、母リトミックダンス)

 キーンランドC(GIII)を勝ったフォーエバーマークの半妹。母リトミックダンスは現役時代1勝に終わったものの、4分の3兄弟にスティンガー(98年阪神3歳牝馬S-GIなど重賞5勝)、サイレントハピネス(95年ローズS-GII、95年4歳牝馬特別-GII)、アーバニティ(09年オーシャンS-GIII)などがいる良血で、繁殖牝馬としても結果を出した。「キングカメハメハ×ダンスインザダーク」の組み合わせは、ラブリーデイ(15年天皇賞・秋-GI、15年宝塚記念-GIなど重賞6勝)、ショウリュウムーン(12年朝日チャレンジC-GIII、11年京都牝馬S-GIII、10年チューリップ賞-GIII)などコンスタントに活躍馬が出ている。芝向きの中距離タイプ。

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68年生まれ。血統専門誌『週刊競馬通信』の編集長を務めたあと97年からフリー。現在は血統関係を中心に雑誌・ネットで執筆活動を展開中。 関連サイト:栗山求の血統BLOG

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