●ウェストブルック(牡 美浦・藤沢和雄 父ディープインパクト、母ターフローズ)
ロサギガンティア(父フジキセキ/15年阪神C-GII、14年スプリングS-GII)、スターオブペルシャ(父ダイワメジャー/準OP)の4分の3弟。母ターフローズはドイツ産馬で、イタリアとフランスで走り、日本のエリザベス女王杯に相当するリディアテシオ賞(伊G1・芝2000m)を勝ったほか、ポモーヌ賞(仏G2・芝2500m)とミュゲ賞(仏G2・芝1600m)で2着となっている。母の父Big Shuffleは独リーディングサイアーの座に6回就いたスピード型の名種牡馬。兄ロサギガンティア、スターオブペルシャは芝1400〜1600mベストだが、本馬の父はディープインパクトなので、2000mあたりまでは守備範囲だろう。
●オメガハートビート(牝 美浦・堀宣行 父ヴィクトワールピサ、母オメガアイランド)
オメガハートランド(父アグネスタキオン/12年フラワーC-GIII)、オメガハートロック(父ネオユニヴァース/14年フェアリーS-GIII)、オメガスカイツリー(父ゼンノロブロイ/11年ユニコーンS-GIII・5着)、オメガブルーハワイ(父フジキセキ/1000万下)の半妹。母オメガアイランドは名馬ハーツクライの半妹にあたる良血で、これまでに産んだ5頭がすべて勝ち上がり、2頭が重賞を勝つというきわめて優秀な繁殖牝馬。本馬はフェアリーS(GIII)を勝ったオメガハートロックの4分の3妹でもあり、上級クラスへの出世が見込める。距離が延びていいタイプだろう。
●ボアヴィスタ(牡 栗東・石坂正 父ロードカナロア、母アビ)
半兄ディープスカイ(父アグネスタキオン)は日本ダービー(GI)、NHKマイルC(GI)など4つの重賞を制した名馬。母アビは競走馬としては無名ながら、独2000ギニー馬Royal Dragonの半姉にあたる良血で、Miss Carmie 4×3という大胆な牝馬クロスを持っている。Six Crowns≒Carmelize 2×2といってもいい。産駒のなかで大物といえるのはディープスカイのみで、本馬を産んだときすでに20歳と高齢だったが、本馬は注目の若手種牡馬ロードカナロアとの間に誕生した産駒なので注目したい。Secretariat=Syrian Sea 5・6×4、Graustark=His Majesty 5・7×4という2種類の全きょうだいクロスを持っており、母の血が少々硬質なので父に合いそうだ。5月31日生まれという点は少々気がかりだが、芝向きのマイラーとして大成が期待できる。
●リリーバレロ(牝 美浦・堀宣行 父ロードカナロア、母ヴィートマルシェ)
サンブルエミューズ(父ダイワメジャー/13年フェアリーS-GIII・3着)、グレナディアーズ(父ネオユニヴァース/17年ダイオライト記念-Jpn2・4着)、アヴニールマルシェ(父ディープインパクト/14年東京スポーツ杯2歳S-GIII・2着、14年新潟2歳S-GIII・2着)の半妹。母の半弟にはトライアンフマーチ(09年皐月賞-GI・2着)、インペリアルマーチ(10年きさらぎ賞-GIII・4着)がいる。2代母キョウエイマーチは桜花賞馬。母方にフレンチデピュティ、クロフネを持つロードカナロア産駒は、芝コースで連対率37.9%(29戦11連対)と抜群の成績を残している。芝向きのマイラーだろう。
●ロールモデル(牝 美浦・国枝栄 父ディープインパクト、母インランジェリー)
母インランジェリーは現役時代にスピンスターS(米G1・ダ9f)、ブラックアイドスーザンS(米G2・ダ9f)などを勝った活躍馬。2代母Cat ChatはナッソーカウンティS(米G2・ダ7f)を勝ち、3代母Phone Chatterは米2歳牝馬チャンピオン、というファミリーは優秀。母の父エンパイアメーカーはベルモントS(米G1・ダ12f)などG1を3勝した名馬で、種牡馬としても大成功。12年の米サイアーランキングで2位となった。日本で供用されて誕生した産駒はダート向きが多いものの、重賞で掲示板に入った回数は芝10回、ダート1回なのでトップクラスは芝向きの傾向を示している。母の父としても芝のほうが好成績。したがってディープインパクトを父に持つ本馬は芝向きだろう。先日、フェアリーS(GIII)で3着と健闘したレッドベルローズ(父ディープインパクト)とは4分の3同血の関係。距離は1600〜2400mあたりが良さそうだ。